私は、まず菅官房長官にお聞きしたいと思います。
官房長官にはこのところ、例えば憲法学者の方の御意見が出た折や、また、元内閣法制局長官の意見が出た折や、また、先日は沖縄での皆様の御意見をどのようにお考えかということを伺ってまいりました。
いよいよ本日は、きのう、元最高裁判所の判事の方がこのようにおっしゃっています。今の国際情勢で憲法解釈を変更するのは法律的にも政治的にも認めがたい、見通しもほとんど不可能だ、メンツや党利党略は別として、私たちの子孫が幸せに生きていくために何が必要かを前向きに、柔軟に対応してほしいということで、これは、院内集会がきのうありまして、発言がございました。もうお一方、元外務省にいらした最高裁の判事も、慎重に対応すべきだという御発言も、これはテレビでも私、拝見したんですね。
今まで官房長官は、憲法学者のときは数じゃないとおっしゃって、憲法の番人は最高裁だとおっしゃいました。そして、元内閣法制局長官や政府の方が参考人で慎重な対応を求められたときも、参考人の一人の方の意見ですと。そして、自民党の重鎮の方の御意見も、バッジを外された方だと。何かもう、聞かない、聞かないみたいに思えて仕方がないわけです。
いよいよ、憲法の番人は最高裁だとおっしゃった、そこにいらっしゃった判事の方も、憲法違反ではないかという発言が出た。このことについて、今度は、憲法の番人をやられた今は一般人の方ですということで済まされるのかどうか、官房長官の御意見を伺いたいと思います。
○菅国務大臣
私は、辻元委員の発言に対していろいろ答えてきましたけれども、まさに憲法については、砂川事件の判決、そしてまた今日までの政府見解、まさに私たちは、現憲法の論理的、基本的範囲の中で今回新たな三要件というものをつくらせていただいて、憲法に、間違いなく合法であるという決意のもとに、今回、法案を提出させていただいているところであります。
○辻元委員
ところが、砂川判決も含めまして、一九七二年見解も、今まで歴代の内閣が集団的自衛権を論じるときに一切出てきていなかったわけですよ。それで、元最高裁判事の方も、これはちょっと後づけで、無理があると。
私、どうも安倍政権の姿勢を見ていますと、異論とか批判とかを受け付けない。もう今までと違うということも申し上げました。あのPKOのときとは違う話も前回官房長官といたしました。PKOやイラク特措法を推進してきた人までも、ぎりぎりの憲法との議論を担ってきた人までも、今回は懸念を表明している。全く深刻さが違うのではないか。でも、今の御答弁、また同じなんですね。
私、これを見ていますと、今回の安保法制について、国民だけではなく専門家の声も聞こうとされていないように見える。これは、さっき私ニュースで見たんですけれども、オリンピックの新国立競技場の話、今問題になっていますね、この問題への安倍政権の姿勢と重なって見えるんです。どういうことかといいますと、両方の案件とも、専門家や国民の多数から、どうも理解できない、どうして安倍政権は突き進もうとしているのかしらと、これは両方、非常に不信感になっていると思います。
私、安倍総理に、この新国立競技場、後で安保の話は伺いますけれども、今被災地もまだ大変ですし、私は、オリンピックの競技場は質素でも、やはり被災地の支援とか、日本はお金がかかるからということで、見直しをされた方がいいんじゃないかと思うんですが、どうもこの安保法制を押し切ろうとしている姿と新国立競技場に突き進もうとする姿、両方ダブって私には見えるんですね。
安倍総理、どうですか、この競技場、見直された方がいいんじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣
さすがに辻元委員ですから、我々が突き進もうとしているというイメージをうまく描いておられると思いますが。
この新国立競技場につきましては、これはまさに、オリンピックを誘致する際に国際コンペをやって、そしてザハ案というのが決定されたわけでございますが、そのときに、国際コンペをやるということを約束し、そしてその中で、監修権ですかね、質問通告がないので、ちょっともしかしたら用語が間違っているかもしれませんが、監修権等をザハさんに与えるということが既に決定されて、それが二〇一二年の十一月だったと思います、これは我々が政権につく前の話でございました。これは、事実として述べますと、民主党政権時代にこのザハ案でいくということが決まりまして、そして、これでいわばオリンピックを招致するということが決まったのでございます。
しかし、その後、検討を重ねていく中において、確かに費用がかさむというのは今辻元委員がおっしゃったとおりでございます。そして、今辻元委員がおっしゃった気持ち、これはもしかしたら多くの国民の皆様がそう思っておられるのではないかなと、私もそう思います。
そこで、ではこれを変えることが可能かどうかということについて我々も検討をしているところでございますが、いわば国際コンペをして決めて、監修権も与えたものをどのように保護するか。これはIOCとの関係もございます。
そしてまた、工期自体の関係もございまして、今それをやめた、しかし、では国際コンペをやるということについては約束をしておりますから、これを一旦、やはり余りにも費用がかかるから、やめて、では、国際コンペをやって、さらに新しいものを決めてという、デュープロセスをとって新たな国立競技場をつくるということが工期として可能かということも、当然ございます。
それも当然考えた上において、既に官房長官が答弁をしている点でございまして、私も、辻元さんがおっしゃったような思いも持ったこともございます。そして、率直にどうなんだということも、繰り返し事務方にも投げかけてきたところでございますが、今私が申し上げたような答えが現在のところ返ってきており、そして官房長官が答弁をしているということでございます。
○辻元委員
総理、そうしますと、見直しも含めて、まだ検討もされているというようにとってよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣
現段階においては、これは、いわばこれから国際コンペをやって、新たに新しいデザインを決めて、それで基本設計をつくっていくということでは、時間的に間に合わない。それはつまり、二〇一九年のワールドカップラグビーには間に合わないということになるわけでございまして、オリンピックについても、二〇二〇年にも間に合わない可能性が高いという報告を受けているところでございます。
○辻元委員
私は複雑な総理の心境を久しぶりに伺ったような気がいたしました。
私は厳しい質問を総理にいつもしております。それは、どうも自民党の中にも、これはあえて私は申し上げますと、官邸翼賛会ではないですけれども、やはり総理に対して物を言えない、そんな気がするんです。総理大臣が裸の王様になっては困るから。何かハリネズミみたいに見えるんですよ。この安保法案にしても、意見をはねのける、レッテルを張っていますとか。
ですから、私は、本当にこの両方は、国民の皆さんにとって非常に懸念で理解ができないという人の数がどんどんふえていますので、きょうはしっかり、厳しく、総理にも法案の中身をお聞きしたいと思います。(発言する者あり)いや、私が厳しくしないと誰が厳しくするんですか。私はこれは大事だと思うんですよ。
総理、後方支援についてお聞きしたいと思います。
この後方支援で、総理は、この委員会で、細野議員とのやりとりで、細野さんがこう聞きました。他国の部隊と一緒に活動していて、自衛隊だけ途中で撤収するということ、それはできるんですか、本当にそれで海外の国に対して責任を果たせるんですかという質問をされたんですね。それに対して、総理は、「まさに戦闘現場となってしまったら直ちに撤収するのは当然のことであろう、それを前提に自衛隊は活動をするわけでございます。」とおっしゃっているわけです。
でも、私はやはり、これは国際社会では全く通用しないのではないかと思いますし、そんな国とはなかなか活動できないなと思われかねないと思うんですが、いかがですか、総理。
○安倍内閣総理大臣
これはもう、我々は、そういう運用で今回法律をつくっているわけでございますから、当然これは、確かにそういう状況になれば自衛隊は撤収をするわけでございます。後方支援をやめる、戦闘現場になれば。ですから、補給を受ける方にとっては、確かに辻元さんがおっしゃったような意味合いもあるかもしれません。しかし、これは、私たちの法律によって定められている、まさに運用の基本的な考え方でございます。
そして、まさに我々は、後方支援ということについては、武力行使と一体化しない。我が国独自の憲法との関係の一体化論もあるわけでありますから、これを理解した上においての後方支援しか当然行えないということになりますし、かつて、PKOについても、ゴラン高原については、我々は五原則がございますから、これにのっとって我々の自衛隊は撤収をしたという事例もございます。
○辻元委員
これは、先日私がお示しをした安倍総理と百田尚樹氏の対談、あの後、私、拝読いたしました。そうすると、この中にこういうくだりがあるんですね。三十六ページあたりなんですが、ASEAN諸国に総理が行かれて、そして安保法制懇の説明を各国の首脳とするというようなくだりがございまして、ここで総理がこうおっしゃっています、対談で。
サマワの例を挙げていらっしゃるんです、オランダ軍と一緒に活動して。そして、「「日本は「ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します。お先に失礼しますが、オランダ軍の皆さん、どうか頑張って下さい」と言い残して帰国することになるんです」と。 このように個別案件の説明をすると、ASEANのどの国のリーダーも大変驚かれます。」。これに対して百田さんが、「国際社会では全く通用しないことですね。」。これに対して総理、「通用しません。そんな国とはともに活動したくないと思われて当然です。」「インドネシアのユドヨノ大統領にも、このような話をしました。」と書いてあるんですよ。
そうすると、今回出していらっしゃる法案、国内では撤退すると言い、インドネシアの大統領にこのようにおっしゃったとここに書いてあるわけですけれども、外国では、全く国際的には通用しない、そして、そんな国とは一緒に活動したくないと思われるという御認識を示されたということでよろしいですか。これ、もしもよろしければどうぞ。
○安倍内閣総理大臣
今、辻元委員のおっしゃっていることは、述べていることはPKOについて……(辻元委員「いやいや、サマワのオランダ軍。ちょっと見てください。イラクの」と呼ぶ)ああ、イラクのですね。いや、それは結構です。
イラクのオランダ軍につきましては、それは基本的に後方支援活動ではないということでございますから、いわば武力行使をしているところの後方支援活動ではございませんから、それはまさに、これはPKO活動ではございませんが、いわば人道復興支援の活動になるわけでございます。
いわば、人道復興支援という文脈において、私は、それを使ったことは、いわば駆けつけ警護的な、そこではちょっと、若干正確性は欠けますが……(辻元委員「だから、ちょっと拝見」と呼ぶ)いや、それは結構ですが、いわばPKOにおける、PKOにおける駆けつけ警護ということも念頭に置きながら、念頭に置きながら私はそれを述べたわけでございまして、今回は、例えばPKO活動において駆けつけ警護等は可能になるわけでありますから、その点は相当改善された、こういうことになるわけでございます。
先ほど私が答弁いたしましたのは、まさに、これは後方支援活動でございますから、後方で支援をする、戦闘現場になるかならないかという文脈で申し上げているとおりであります。
いずれにいたしましても、今、私は総理大臣として、この新たな法制について申し上げているところでございますから、今までのたてつけとは変わり、新たなたてつけの中において私が申し上げていることは、その申し上げているとおりでございます。
○辻元委員
ここで総理はイラクでの、サマワでの活動のことをおっしゃっていて、この法案も途中で撤退することになっているんです。そのことをとって、これは国際的に通用しない、そして、そんな国とは一緒に活動したくないと思われても当然だとおっしゃっているんですね。今回の後方支援も、これは同じたてつけになっているわけです。(安倍内閣総理大臣「いや、それはちょっと違う」と呼ぶ)同じですよ。これは法案の根幹なんですよ。
総理は、本心では、途中で活動をやめることは国際的に通用しないなと思っていながら、法案は、そう思って、そんな国とは活動したくないと思われて当然と思っている中身の法案を今回お出しになっているのか。そして、総理大臣がそう思っている法案に従って、自衛隊員の皆さんが命がけで海外に出ていくんですか。
私は、これを読んで愕然としました。今、PKOだとかいろいろおっしゃったけれども、全部言いわけだと思います。今回の法案も、途中で活動をやめるわけでしょう、前と同じで。同じでしょう。そうすると、ここでおっしゃっているように、国際的には通用しない。
ですから、総理、もしも通用しないと思っていらっしゃる、しかし憲法の制約があるからこうしかできないんだとおっしゃるんだったら、そうおっしゃったらいいですよ。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣
まさに私の念頭にあったのは、基本的に、他国部隊が襲われたときには……(辻元委員「違う、違う、よく見てよ」と呼ぶ)いや、私の念頭にあったことでありますから、他国部隊が襲われたときに、その部隊から助けてくれと言われても、それは襲われたという状況になったことを鑑みて、我々は失礼します、助けに行くことはできません、そして、かつ危険な状態になったので、私たちは失礼しますということになりますよという意味のことでございます。
そこにおいて、今度の法改正においては、まさに駆けつけ警護はできるようになった。その駆けつけ警護そのものを皆さんは否定をしているわけでございますが、それはできるようになったということでございます。
そして、それとは別に、まさに武力行使をしているところに対する後方支援でありますから、これはサマワにおける人道復興支援活動とも全く根本的に違うわけでございまして、人道復興支援活動は、限りなく、いわば平和維持活動にかなり近づいていく活動であります。ただ、これは国連の決議に基づくPKO活動ではないという形であった、こういうことでございまして、それを述べていることと、いわば後方支援活動を混同させるべきではない。
事実、PKOについてもそうですが、またこの後方支援活動についても、そういう状況になれば撤収するのは当然のことであり、PKOについても、先ほど申し上げましたように、ゴラン活動においても私たちは撤収をしているということであります。
そもそも法律の中においてできることしかできない、これは当然のことで、遵法精神のもとにおいてそれを行うということは当然のことであろう。私がどう思うか思わないかは全くかかわりのないことでありまして、これはまさに法律そのものを見ていただきたいということでございます。
○辻元委員
苦しい答弁だと思います。
ここに、これはイラクですよ、「日本は「ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します。お先に失礼しますが、オランダ軍の皆さん、どうか頑張って下さい」と言い残して帰国する」、これは国際的に非常識だと総理がおっしゃっているわけですよ。
私は、今回、この法案は無理があるし、私たちはこの点をずっと指摘してきたわけですよ、途中で中断できますかと。できないでしょう。特に、イラクのサマワよりもっと危険地帯に、後方支援というのは弾薬も運ぶんですよ、そこに送るということで、今の自衛隊。そして、途中で撤収するというところまで踏み込むのは、だから憲法違反だと言われているんです、武力行使と一体化すると。
それでは次に、そのことについてお聞きしたいと思います。
ここに、イラク復興支援活動行動史という、陸上幕僚監部がつくった、これは内部文書です。イラク派遣の成果と教訓をまとめたものと言われています。これは、ジャーナリストの布施祐仁さんという人が情報公開で入手されて、私も防衛省から入手をいたしました。
これを見ますと、さっき撤収の話、私は、先ほどの総理の姿勢は、海外で言っていること、本で言っていることと、法案、全く違うことをおっしゃって、国民や自衛隊の皆さんに対して不誠実だと思います。
では、イラクでどうだったかということです。これを見ていただいたらわかりますように、きょう岡田委員も、イラクの活動の内容の検証をしっかりしないと、やはり今回後方支援に出すというのは無理だという話があって、これを見ていただいたらわかるように、どんどん黒いんですね。
中谷防衛大臣、第一次イラク復興支援群長の番匠幸一郎さん、この方は中谷大臣と防衛大学校で同期じゃないでしょうか。この方を中心に、これは前書きも番匠さんがお書きになって、私は、とても誠実な、一生懸命イラクで活動された方だと思うんですが、この審議に当たって、この黒塗りの部分は公開していただかないと、この法案の実のある審議ができないと思いますが、防衛省として公開していただけますか、いかがですか。
○中谷国務大臣
その文書は、イラク特措法に基づく陸上自衛隊の活動に関する活動実績等において、各種研究とか、また教育訓練の資とすることを目的としてまとめられたものでございます。
番匠さんは私と同期でありまして、レンジャーも一緒に訓練をしたこともございますが、非常に優秀な隊員で、第一次の支援隊長として派遣をされて、大変すばらしい仕事をされたと思っております。
今後の参考にとしてまとめられた文書でございますが、この公表等につきましては、適切に情報を公開して、しっかりとした議論を行うことが重要だと考えておりまして、これまで不開示としていた部分の公表につきましても検討を始めておりまして、速やかに結論を得ておきたいと思っております。
○辻元委員
今、速やかに公表の検討をして、結論を得たいとおっしゃいました。
これ、イラクの問題をしっかり検証しないと話にならないですよ、この委員会で。そう思いませんか、皆さん。
委員長、この審議中にしっかりと、この衆議院の本委員会に黒塗りのところを公表していただくことを理事会で協議してください。お願いいたします。
○浜田委員長
理事会で協議いたします。
○辻元委員
中谷大臣、これを読んでいきますと、死亡した方への処遇とか、それから精神疾患を患う方の処遇とか、それから、それ以外にもいろいろ出てきます。
そして、活動内容なんですけれども、これを見ていきますと、イラクの中で非常に厳しい状況にあったということがわかります。例えば、三夜連続の陸自宿営地に対する砲撃、そして、二〇〇五年に入ると、一月十一日に陸自宿営地にロケット弾が着弾する事案が生起し、この後です、敵対勢力が存在した、そして、陸自車両に対する爆弾事案が発生した、陸自部隊は復興支援活動を一時自粛する、ロケット弾五発が陸自宿営地に向けて発射されたとか、非常にリアルなんですね。
この番匠さんがどうお書きになっているか。この前書きです、「イラク人道復興支援活動は、純然たる軍事作戦であった。」と報告されています、内部文書で。我々がいかに幸運に恵まれてその任務ができたかと。
大臣、今回、このイラクの人道復興支援、これは、学校をつくったり道を修復したりなんですよ。今度は、弾薬を運んだり、要するに、兵たん、ロジスティクス、軍事行動の一環と見られかねないことをやるわけです。
ちょっと大臣、これを見てください。「イラク人道復興支援活動は、純然たる軍事作戦であった。」。今度の後方支援は、イラクでそうであるならば、純然たる軍事作戦になるんじゃないですか、大臣。
○中谷国務大臣
私も、その文書、番匠さんの教訓、読みました。(辻元委員「読みましたか」と呼ぶ)ええ。その後に、
私はサマーワで、隊員たちによく「ロバとライオン」の例え話をした。我々の任務は、戦闘を主体とするものではないし、人道復興支援は一見非軍事の、軍事組織でなくても実施できる「ロバ」の仕事のように思えるかもしれない。では、なぜ「ライオン」である陸上自衛隊がこの仕事をするのか。それは、イラクでは「ライオン」の構えと能力があるからこそ「ロバ」の仕事ができるのであって、その逆はない
と語っております。
自衛隊は、日ごろからいろいろな訓練を重ねておりまして、リスクに対する管理とか、そういう厳しい状況下での仕事ができるようになっております。そこでいろいろな任務が与えられても、隊員の安全を確保しつつ任務をするという能力を持っておりまして、そういうもので全ての力を総合して、いろいろなケースを考えて、いろいろな心配を考えて、彼なりに仕事をしたという話だということでございます。
○辻元委員
ごらんになっていただいたらわかるように、サマワというのは、一番激戦地のファルージャから二百三十キロ離れたところ、東京がファルージャなら、名古屋ぐらいで活動していたんです。それでもこの事態ですよ。
そして、今度は、非戦闘地域を外して後方支援に行く。そして、この本では、総理が、国際的に全く通用しないとか言っている、そういうところに自衛隊の皆さんを出すんですか。
これは、最後、こうお書きになっているんです。この「本行動史の最後に「国家・国民の心の支えこそが我々隊員の士気の根源」であることを付け加え、まとめとする。」と。
総理、私は、自衛隊の皆さんは、本当に、災害のときもそうだし、イラクで頑張られたと思いますが、今回、集団的自衛権の行使で任務もふえますし、それから、後方支援、これは総理がおっしゃっているのを取り上げましたけれども、活動ももっと危険度が増すんですよ。私は、自衛隊の服務の宣誓をもう一度しっかり皆さんにしていただくこと、そうでないと、士気の問題にもかかわると思います。
服務の宣誓、もう一度自衛隊の皆さんによく説明して、していただくべきだと思いますが、いかがですか。総理。
○中谷国務大臣
一言申し上げたいんですが、これは何のためにやったかというと、イラクの復興支援なんです。その写真にもあるように、道路ができたり水を運んだり、本当に地元の人に喜んでいただく問題でございまして、非常に評価をされております。
立派な仕事でもありますし、この任務は、自衛隊の任務である国を守る、そういう中で培った能力、国にとっては財産ですよ、そういうことをなし遂げる力を国際貢献に果たしたものでありまして、あくまでも我が国を守るという宣誓のもとに自衛隊員は日々訓練を続けておりますので、こういった宣誓を見直すというような必要はなく、やはり国を守るという能力、力によっていろいろな活動をなし遂げたということでございます。
○浜田委員長
安倍内閣総理大臣。
○辻元委員
いや、もう総理は結構です。
私は、これはなぜ申し上げるかというと、やはり無理があるんです、今回の法制は。
憲法学者の方が違憲だと言うような武力行使の一体化の問題もそうだし、ジュネーブ条約で、自衛隊員が拘束されたらこれは適用外だという話もあって、総理は、適用外の人たちはテロリストだという答弁をここでしているわけですよ、相手に拘束されたら。していますよ。していますよ。ですから無理があるんです。
それで、これは、日本は過去の戦争の反省のもとに来ています。談話の話がありました。きょう、細野さんも話が出ました。過去の戦争をどう見るかの反省のもとですよ。過去も大本営発表でどんどんいったんです。
太田大臣にお聞きしたいんですが、村山談話をつくったときは、自社さ政権、社民党の総理でしたが、自民党等とよく調整をして談話をつくりました。当たり前だと思います。ですから、私は、自公でしっかりと、これは閣議決定であろうがそうでなかろうが、しっかり調整をして出すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○太田国務大臣
これは、政府としてという以上に、安倍総理御自身が判断をされる、適切に判断されることだと思います。
○辻元委員
前もこのパネルを出しましたが、歴史認識の部分は一部で、それを引き継いで、そしてその他はそれぞれの思いを出しているんです。
ですから、総理、ここで総理がどういう行動をとられるのか、日本の国益にも大きくかかわりますので、私は、過去の歴史認識をしっかり引き継いだものを出していただきたい。
といいますのは、最後に、実は、私の父方の祖父は太平洋の島で戦死しております。私自身は祖父の顔も知りません。遺骨も返ってきておりません。私は、総理がよく岸元総理のことをおっしゃって、すごくうらやましいです、そういう意味では。
過去の戦争はどうだったか。これは、資料をお配りしておりますけれども、開戦の詔書です。ここにも、国の存立の危殆、存立の危機なんです。これは岸元商工大臣として東条英機内閣でサインされています。
日本の国は、我が国が攻められたときだけにしよう、自国防衛と言い出したら、ホルムズだとか存立の危機だと言い出したら、これは拡大した歴史があるから、その反省のもとに、我が国に攻められたときだけにしよう、これが日本国憲法だったんですよ。
ですから、今回憲法違反だと言われるだけではなく、日本の、やはり過去の戦争で亡くなった、やはり戦死者を出すと大変です。うちの両親も苦労しました。私も苦労しました。三代ぐらい続くんです。ですから、その反省のもとに今来ているということを心した七十年談話をつくるべきだと私は思います。いかがですか、総理。
○安倍内閣総理大臣
まさに、日本は、七十年前、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、この決意のもとに平和国家としての歩みを進めてきたところであろうと思います。そして、自由で民主的な国をつくり、基本的人権を守り、そして法の支配をたっとぶ国をつくり上げてきた、こういうことではないか。この歩みは今後も変わることはございません。
○辻元委員
談話というのは、総理大臣の発言というのは、戦争に駆り出した側の立場に立つのではなく、駆り出されて殺された、被害を受けた側に立って、その人たちが心の痛みを癒やすことができる、そういう発言を総理大臣がされること、私はこれが一国の総理の役割だと思っております。
最後になりますけれども、私自身は、総理と相性が悪いのかいいのかよくわかりませんが、大分立場が違うんですよ、どうも。
○浜田委員長
時間が来ております。
○辻元委員
でも、これは、おじいさんが戦争に行かせたという話だけれども、行った側、行かされた側の孫が立法府でともに議員になって議論できていることは、戦後民主主義、そして日本国憲法のおかげだと思っております。
終わります。