私は、午前中の参考人の質疑について、まず一、二お伺いしたいと思います。官房長官にお伺いします。
やはり午前中の参考人の方から、先日の自民党若手議員の文化芸術懇話会でのいわゆるマスコミ懲らしめ発言というものに対しての批判も出ました。
そこで、一、二確認しておきたいと思います。
この懇話会は安倍さんを応援する若手の会ではないかと言われていたりしております。そんな中で、一点確認しておきたいんですが、官房長官は、こういう懇話会をつくった方がいいとか、こういう会をつくるに当たって関与はされておりませんね。
○菅国務大臣
私は承知していませんでした。
○辻元委員
次に、先日また自民党の、マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番で、経団連に働きかけたらいいというようなことを発言した議員が、同じような趣旨の、間違った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないかと重ねて発言をしました。
これは何が原因だと思いますか。これは個人の問題ですか。何か、私、自民党は一体どうなっちゃっているんだろうなと。菅さんはどう思われますか、官房長官。官房長官の率直な意見を言ってくださいよ。
○菅国務大臣
政府として、ここはコメントすることは控えるべきだろうというふうに思います。
いずれにしろ、先般のこの勉強会での発言、これについては、党の代表であります幹事長を中心にしっかり対応されている、こういうふうに思います。
○辻元委員
私、そういう対応が、これは、政府は関係ないという話ではなくて、本当に深刻だと思うとかね。
これは加藤官房副長官が参加されていましたね。これも何か注意をされましたか。党の方は厳重注意されているらしいんですけれども、官房長官は、こんなん言ってたんか、一体どうなってんねん、どんな内容やったか、そんなん言ってたらあかんやないか、途中でとめられへんかったんかとか、何か厳重注意はされたんですか。
○菅国務大臣
官房副長官から状況は聞きましたけれども、加藤副長官は最初の講演のとき出席をして、それですぐ帰られたということで、今問題になっていることについては承知していないということでした。
○辻元委員
私、ちょっと危機感がなさ過ぎだと思うんです。これはやはり菅官房長官がしっかりと、官房副長官に対しても厳重注意すべきだと思いますよ。そういうことで、みんな何か規律が揺るいでいるわけですよ、規範というか。
幾つかお聞きしたいと思うんですが、法案に引きつけて聞きますけれども、きょうの話でも、戦前の報道規制の話が出ました。存立危機事態と認定されたときに、報道に対して、今でもこんな状況なんだから、こういうことは報道するなとか圧力がかかるんじゃないかということが推測されるわけですね。
そこで、お聞きしたいんですが、武力攻撃対処等のいわゆる事態法には、各報道機関などへの協力要請みたいなのが三条にあるんです。こう書いてあります。武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処においては、国、地方公共団体及び指定公共機関が、国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない。
これは、官邸のホームページに指定公共団体が出ておりました。百四十八あります。日銀、日本赤十字、NHK、民放、通信、電力、ガス、商船、航空、JR、私鉄、バス。これを一つ一つ、例えばバスだといろいろなバス会社の名前、小田急電鉄とか一個ずつ出ているわけですね。
この中に、民放とNHKへの協力もあるわけですね。民放の方は、朝日放送から始まって、CBC、TBS、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビジョン、毎日放送、関西テレビ、中京テレビ、東海テレビ、名古屋テレビ、日本テレビ、読売テレビ、大阪放送、CBCラジオ、TBSラジオ、日経ラジオ、ニッポン放送、文化放送、東海ラジオというように、これは、存立危機事態でも、どういう協力要請するんですか。官房長官です。
○中谷国務大臣
これは基本的には、武力攻撃事態法ということで、十年前にできた法律でございまして、今回、存立危機事態も含めておりますけれども、真っ先に国民にお知らせすべきような事態、危険とか避難の方法とか、そういうときに国内の御指摘の各社に御協力をいただくという内容ではないかと思っております。
○辻元委員
ではないかということなんですけれども、これはどういう内容か。要するに、報道規制はないという担保はどこにあるんですか。
○中谷国務大臣
法律に、協力を求めるというようなことで、これは義務でも強制でもない、協力を求めるという内容であると私は認識しております。
○辻元委員
ということは、協力を断ることもできるということですか。
○中谷国務大臣
法案に書かれたとおりでございます。
○辻元委員
しかし、措置が講じられなければならないとなっているわけです。それでもこれは、要するに従わなくていいということもあるわけですね。
○中谷国務大臣
ちょっと事前通告がなくて法案が手元にないわけでございますが、基本的には法案の条文に書かれたとおりでございまして、当時の審議等を通じて政府が答弁した内容で運用されるということでございます。
○辻元委員
存立危機事態でも同じということですか。
○中谷国務大臣
基本的に、そのとき答弁した内容と同じ扱いでございます。
○辻元委員
これはとても大事な点なので、委員長に申し上げたいと思いますが、この法案、この条項は言論、報道機関の報道の自由をしっかり保障するということを、しっかり政府の見解として出していただくよう理事会で御協議ください。
○御法川委員長代理
理事会で協議いたします。
○辻元委員
今、こういう事態のときでも、この法案の審議をめぐって、自分たちの意に沿わなかったら、報道の、マスコミ懲らしめろ発言みたいなのが飛び出したから言っているわけですよ、私は。わかるでしょう。(発言する者あり)岩屋さん、理事がやじ飛ばすの。大事な話でしょう、これ。自民党がそういうことを、何か懇話会を開いてやるからこんな話になるんでしょう。
次に、もう一つ、参考人の方から指摘されまして、官房長官にお聞きしたいと思うんです。テロの危険性の問題なんですよ。これは、きょうの参考人の方だけではなく、前回も出たんですね。
私、きのう新幹線の事件がありまして、今まだ、真相究明をしっかりやってほしいと思うし、対策も練らなきゃいけない。そんな中で、被害に遭われた方には本当にしっかりサポートしなきゃいけないと思います。
そんな中で、私はテレビで見たときに、テロでないようにというふうに、ひやっとしたんですよ。官房長官もそうじゃないですか。
〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕
○菅国務大臣
私にもすぐ連絡がありまして、内閣に情報収集のための連絡室をすぐ立ち上げました。(辻元委員「ひやっとしたでしょう」と呼ぶ)そこは、テロということが一番最初に脳裏をかすめました。
○辻元委員
やはりそうだと思うんですね。
本法案を議論している過程でよく、安全保障環境の変化の中に、ミサイルの話もあるんですが、世界じゅうでテロがふえている、果たして、この法案を成立させればテロが減るのか、ふえるのか。
参考人の皆さんが指摘されるのは、今回も、きょう来られた参考人の方が、いわゆる後方支援など、これは官房長官にお聞きしたいんですが、こういう発言がありました。アメリカ軍の後方支援でどこかに行く、そうすると、やはり友軍だと見られるというようなことになれば、さまざまな国にとって、相手国ですね、敵であるという認識を持たれる可能性が強い、だから、例えばイラク戦争のときに、二〇〇四年にマドリッドとか、その後、二〇〇五年にロンドンなど、テロが起こったと。だから、日本のそれこそ新幹線や原発も、後方支援ということで行くことによって相手から敵とみなされて、テロがふえる可能性があるんじゃないかという指摘があったわけです。
この指摘を官房長官はどのように受けとめられますか。
○菅国務大臣
まず、テロに対しての対策は、我が国の治安当局が全力を挙げて取り組んでいるということです。
それと同時に、総理の外交というのは、まさに国際協調主義のもとに積極的平和主義、このことに基づいて外交を展開しておりますので、そうしたさまざまな危険がある場合でも、国民の皆さんにテロが発生をしないように、そこは政府が全力を挙げていくというのは当然のことだと思っています。
○辻元委員
私が申し上げましたのは、前回の参考人の方もこの点を懸念されているわけです。国民も懸念しているんですよ。
実は私、先日、ある知り合いの人が出張に行く、今まで海外に出張に行くのは楽しみだったと。ところが、海外に出張に行ってくれと言ったら、何か、日本人も狙われて海外でテロに遭ったらどうしようとか、それから、やはり外国に行って武力行使の後ろについていくと日本の国内がテロに狙われるんじゃないかと、多くの人が懸念していますよ。これは避けて通れない部分です。
中谷大臣にお聞きしたいと思いますが、本法案でよくテロの事例を言う。この法案を成立させたらテロが減るんですか。
○中谷国務大臣
テロというと、やはり二〇〇一年のニューヨークの同時多発テロ事件。このテロによって何千人もの方が犠牲になり、日本人も数十人巻き込まれております。今、非常にこういったテロが世界じゅうに広がってきて、世界の国々が何とかしなければならないという思いを持っておるわけであります。
今回法案を整備するというのは、まず、グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで、切れ目のない対応をする。このことがやはり、国連とか、またアメリカ、域内のパートナー、これの連携を目指して、テロに対しても対外的に明確なメッセージを出すということで、国際社会がそれに対応する場合の措置をすることによってテロのリスクは下げることができます。また、テロというのは武力攻撃の一環としても行われることもあり得るわけでありますので、その場合においては、抑止力によって紛争が未然に防止されて、テロのリスクを下げるということは私はできると思っております。
○辻元委員
その認識は甘いと思います。
これは前回の参考人の方が、集団的自衛権の一部行使と他国軍の後方支援という名の後方からの戦争参加を認めますと、味方の敵が自動的に敵になりますから、ニューヨークやワシントンDCやロンドン、パリ、マドリッドで起きたテロと同じようなものがこの東京で起きることは自然なことになってしまいますと言っています。
今は世界じゅう、ポスト・イラク戦争をどうするかなんですよ。ただ、イラク戦争も含めまして、空爆に行くぞとか参加するぞと言っただけでテロの危険性が高まるという時代なんですよ。
ここで言うところの後方支援について、それでは中谷大臣にお聞きしたいと思います。
岡田代表と総理の党首討論で、後方支援を実際にする経験の中において、なかなかこの概念、というのは非戦闘地域ですね、においては自衛隊は機敏に活動することができないという経験を積んだわけでありますと。
中谷大臣も同趣旨の答弁をされていますが、具体的に言ってほしいんです。一体、どこの支援活動でどんな経験があったから今回非戦闘地域を外すとか、それから後方支援をするんだと。何の経験ですか、具体的に言ってください。
○中谷国務大臣
これまで二度、特措法で後方支援を実施いたしました。
やはり最も今回考えたところは、いわゆる非戦闘地域というところにおいては、一度これを決めますと、活動している期間は変更ができません。やはり憲法上、これが武力行使の一体化にならないようなことといたしまして、現に戦闘行為が行われている現場ではだめですが、それ以外の場所では実施をするという規定をつくりました。
状況というのは刻一刻変わってきておりますので、一度決めたら活動期間はもう変えられないというのでは非常に固定化をされて制約をされますけれども、やはり現実に活動している状況の中で最新の情報を得て、この地域ならば大丈夫だというようなことを踏まえまして地域の指定、これは大臣がこういった戦闘が行われている現場でない場所を指定しますが、それ以上に、その活動が円滑かつ安全に行われるというところを実施地域として示して、その際に、その期間においては行われる見込みでないという場所にいたしておりますので、このような活動をする上において現実的に機能的に対応できるということで変更したわけでございます。
○辻元委員
今、中谷大臣が二カ所行ったと。(中谷国務大臣「二回」と呼ぶ)二回ね。私、後方支援について、どこで行ったのかと聞いたんですが、どことどこのことですか。
○中谷国務大臣
旧テロ特措法とイラク特措法ということで、二度行いました。
○辻元委員
イラク特措法は後方支援じゃないですよ。これは人道復興支援。そして……(発言する者あり)違うんですよ。
後方支援という言葉は一切あのときの議論では、私もおりましたけれども、これは安全確保支援活動ということで、後方支援、ロジスティクスは行いませんという議論だったんじゃないですか。そして、インド洋のときも、後方支援という言葉は戦争の一環だから、協力支援活動、捜索救助活動。いわゆる後方支援は戦争ですね、例えばイラク戦争とか。イラクのサマワで行っていたのは学校建設とか道路をつくったりですよ。今度は違うでしょう。戦争の弾薬を運ぶということを含めてのいわゆるロジスティクスの後方支援。今まで経験ありますか、大臣。
○中谷国務大臣
先ほどは、非戦闘地域ということで、違いはということでお話をさせていただきました。
自衛隊の活動の範囲におきましては、過去二回の法律でそのような地域が指定されたということでございます。
○辻元委員
私、大臣も総理も基本的な認識が間違ってこの議論をしていると思いますよ、本委員会で。後方支援じゃないとさんざん言ってきたわけですよ。人道復興支援ですよ、学校をつくったり道路をつくったり。中身を点検してくださいよ。後ろから物を運んでする後方支援はできませんという、後方支援そのものが問題になってきたんですよ。違いますか。後方支援したんですか。
○中谷国務大臣
旧テロ特措法におきましては、燃料補給という後方支援でございます。また、イラク特措法におきましては、人道復興支援ということで、道路や給水、学校の建設また輸送活動、そういうことを実施したということでございます。
○辻元委員
このときの議論は、輸送活動は、後方支援ではだめだということで、安全確保支援活動ということで、それも、後で内容は米軍の兵士まで運んでいたということがわかりましたが、私もここでさんざん質問しました。国連の職員を運ぶんだとか顕微鏡を運ぶんだとか、そんなことを言っていたんですよ。
実際に、今まで、イラク戦争のような戦争をしている、その戦争の一環としての後方支援は日本はやったことがないんじゃないですか。いかがですか。
○中谷国務大臣
旧テロ特措法の洋上での燃料補給は後方支援だと私は思います。
○辻元委員
陸上は、陸上。
○中谷国務大臣
陸上におきましては、旧イラク特措法に基づく支援でございまして……(辻元委員「どれですか。何」と呼ぶ)その内容でございます。
○辻元委員
その内容というのは何ですか、そのは。
○中谷国務大臣
空輸支援による安全確保活動でございます。
○辻元委員
この空輸は、当時、後方支援、ロジスティクスではございませんとさんざん言ってきたんじゃないんですか。
○中谷国務大臣
安全確保支援活動ということでございます。
○辻元委員
何で後方支援と言ってこなかったんですか。
○中谷国務大臣
これは、イラクの戦闘が終えて、その復興を目指すという国連決議に基づいてできた法案でございます。
○辻元委員
ほら。ですから、いわゆる戦闘行為が行われていることの後ろから物を運ぶという後方支援は、日本はやったことないんですよ。やったことない上に、非戦闘地域を外そうとしているんですよ。それが今の実態なんですよ。それなのに、経験がいろいろある、いろいろ経験した中で、後方支援を経験した中で不自由が生じてございますと。これは人道復興支援ですよ。
そしてさらに、バグダッド、クウェートを行き来していた空輸も、これは後方支援じゃないと言ってきたわけですよ。給油もそう言ってきたわけですよ。実際ないんですよ、陸上。それでも非戦闘地域だったわけですよ、人道復興支援でも。
さらに聞きましょう。重要影響事態法、今回は周辺事態法から変えますけれども、当時の議論の中で、ロジスティックサポートという後方支援は、英語でもガイドラインで使えなかった、使ってこなかった。リアエリアサポートという言葉を使いました、後方地域支援。なぜですか。これは、中谷さんは理事でいたから覚えていると思いますよ。
○中谷国務大臣
まず、旧テロ特措法は、実施したのは海上だけですが、法律自体は陸上の部分の後方支援も入っていたわけでございます。
それから、後方地域支援というのは周辺事態法における非戦闘地域の概念でありまして、そこを後方地域支援と呼んでいましたが、テロ特措法やイラク特措法においては非戦闘地域ということで、同じ意味でございます。
なぜ必要かということは、国際平和協力法におきましては、国際連合などの国際機関からの決議とか、そういうものに基づくものでございまして、こういった国際連合などの活動に対して日本は後方支援を行うということを念頭に、これはやはり国際社会の求めとか、また我が国として主体的にそれに参加するべきであるというようなことを判断して参画するというのが内容でございます。
○辻元委員
非戦闘地域の問題は、幾つかの議員が取り上げられたんですけれども、四要件があって、その当該行動等の具体的内容とか、そこについての議論もまだまだ必要なんですね。
私はこのとき、後方地域支援という言葉をわざわざつくりました。それは、ロジスティックサポートというのは兵たんで、軍事の一環だからということをさんざんここで議論してきたわけです。しかし、今回はするっと、英文のガイドラインを見てもロジスティックサポートにすりかえているわけですよ。ですから、はっきりとこれは、私は戦争の一環に組み込まれていると思いますよ。
もう一点、質問したい点があるんです。
例えば、ジブチに今、自衛隊の基地といいますか根拠地がございます。もしも、後方支援なるものに行っていて、このジブチの基地がミサイルで攻撃されたとする。このときは、日本の自衛隊を狙って攻撃された場合は、これは日本への武力攻撃になるんですか。要するに、日本への武力攻撃になってしまったら個別的自衛権の発動に至るのかどうか。いろいろな今までの国会での議論のやりとりを見ていると、公海上の艦船が攻撃された場合は日本への、我が国への攻撃と見るとか、それから大使館が攻撃された場合とかいろいろありますけれども、例えばこのジブチの基地や後方支援の拠点がミサイルで攻撃されたときは日本への、我が国への攻撃になりますか、大臣。
○中谷国務大臣
実際、ジブチには、日本だけではなくて、米軍もフランス軍も同じ地域でおります。
我が国に対する武力攻撃であるかどうかにつきましては、我が国に対する組織的、計画的攻撃であるかということで政府として判断することになっております。
○辻元委員
そうしますと、今おっしゃっているいわゆる後方支援の基地というのはよく狙われると多々委員も指摘がありますけれども、今ジブチを一例にいたしましたが、その他にも基地をつくらないと動けませんから、自衛隊の基地がミサイル等で攻撃された場合は日本への攻撃と見るのか。集団安全保障措置で行っている場合でも、そうすると、一足飛びにいきなり武力攻撃事態法発動なんということになるのかどうか。これはいかがですか。
○中谷国務大臣
自衛隊の保護は、当然、御指摘のように、当該領地に対して施政権を持つ当該他国が当たるべきでありまして、我が国に対する攻撃かどうかということにつきましては、組織的、計画的な攻撃であるかということですが、基本的には、ジブチの国にあるわけでございますので、ジブチ、当該国ですね……(辻元委員「ジブチじゃなくても。日本の基地がやられた場合、どこにあるかわからないけれども、それをやられたら日本への攻撃になるかと聞いているんです」と呼ぶ)
基本的には、ジブチの国にあるわけですから、ジブチ国に対する攻撃ということでありますが、我が国に対する攻撃かどうかという点につきましては、我が国に対する組織的、計画的な攻撃であるかということをもとに判断するということでございます。
○辻元委員
ということは、他国に自衛隊が後方支援に行ったときにミサイル等で攻撃を受けたら、日本はどうするんですか。日本に対する攻撃と見るのか、それとも、見ずに、さあ引き揚げて帰ろうかといって帰るだけなのか。どうするんですか、これは。どうするんですか、大臣。
総理はよく、絶対ないということを言う政治家は無責任だとさんざんおっしゃっているんですよ。そういうことの事態をしっかり詰めた上で自衛隊を送るのか送らないのかですよ。どうなるんですか、大臣。
○中谷国務大臣
後方支援等につきましては、法律で、そのような場合においては中止をして回避すると言われております。
先ほど、個別的自衛権の行使の前提となることについて、我が国に対する武力攻撃というのは、基本的に、我が国の国土、領海、領空に対する武力攻撃をいうものでございます。公海上にある艦艇とか他国の場合におきましては、これは極めて例外的なものでございますが、この点につきまして、いろいろな状況が考えられるわけでございますので、相手国の意図とか能力とか規模とか、そういうものをもちまして我が国に対する計画的、組織的な攻撃であるということが明確であるかどうかということでございます。
○辻元委員
明確であれば我が国に対する攻撃となるんですか。
例えば、公海上の艦船。先ほどはちょっと違うシチュエーションでの答弁もありましたが、今まで公海上の艦船の場合は、組織的、計画的であれば我が国に対する攻撃とみなされることもあるということなんです。
そうすると、集団安全保障措置で自衛隊が駐屯している場所を外国、相手国、敵国などから攻撃され、組織的、計画的であると判断されればそれは我が国に対する攻撃、武力攻撃であるということになりますか。もう一回、確認です。
○中谷国務大臣
いろいろなケースと規模、意図もありますが、基本的に個別的自衛権の行使の前提となるものは我が国に対する武力攻撃ということで、基本的には我が国の領土、領海、領空に対する武力攻撃をいうものでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○浜田委員長
速記を起こしてください。
中谷防衛大臣。
○中谷国務大臣
余りにも漠然とした御質問でございますので、一般論としてしかお答えできませんが、我が国が個別的自衛権を行使できるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるわけであります。我が国に対する武力攻撃が発生したと認められるか否かにつきまして個別の状況に応じて判断すべきでありまして、あらかじめ定型的とか類型的にお答えすることは困難でございます。
御質問は、他国の領土の中にある自衛隊が攻撃されたということでございます。これは他国に対する攻撃に見られるわけでございまして、どのような状況で攻撃が行われるかどうかでございますが、基本的に自衛隊が後方支援等で出る場合には武力行使をしないというのが前提でございまして、そのような攻撃に対しては、安全を確保して、一時、活動を中断するということでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○浜田委員長
速記を起こしてください。
中谷防衛大臣。
○中谷国務大臣
先ほども一度お答えをさせていただきましたが、外国の領域にある自衛隊が攻撃された場合、それは、一般的に言って、直ちに我が国に対する武力攻撃が発生した、この武力攻撃というのは組織的、計画的な武力攻撃ということになるわけでございますが、これが発生したと見られない、また、自衛隊の保護は、当然、御指摘のように、当該領域に対して施政権を持つ当該他国が当たるべきでありまして、第二要件である他に手段がないことにも当たるとも言えないことから、このような条件のもとでは憲法上自衛権の発動というものは許されないと考えているわけでございます。
○辻元委員
そうしましたら、最後に岸田外務大臣にお聞きします。
そのときに自衛隊員が拘束される、拘束されて、国際法上はいわゆるジュネーブ条約、捕虜の保護の規定がありますけれども、自衛隊員が拘束されたらジュネーブ条約上の捕虜として扱われるんですか、日本の自衛隊の場合は。自衛隊のステータスはどうなりますか。
○岸田国務大臣
ジュネーブ諸条約上の捕虜は、紛争当事国の軍隊の構成員等で敵の権力内に陥ったものをいう、このようにされております。
この点、御質問がいかなる場合を想定しているか必ずしも定かではありませんが、いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は武力行使に当たらない範囲で行われるものであります。我が国がこうした活動を非紛争当事国として行っている場合について申し上げれば、そのこと自体によって我が国が紛争当事国となることはなく、そのような場合に自衛隊員がジュネーブ諸条約上の捕虜となることは想定されないと考えます。
○辻元委員
でも、そうすると、最後に聞きますが、想定されないというのは、この中での机上の空論でしょう。実際に行って拘束されるとか、空輸している飛行機が撃ち落とされてヨルダン軍のパイロットも捕まっていたじゃないですか。ジュネーブ条約上の捕虜じゃなかったら、単なる民間人の人質と同じ扱いになるわけですか。ここをはっきりしてください。どうなるんですか。自衛隊を出すんでしょう、出したいと言っているわけでしょう。どうなるんですか。
○岸田国務大臣
ただいまは法的な整理を申し上げたわけですが、その身柄は少なくとも、普遍的に認められている遵守に関する基準並びにジュネーブ諸条約にも反映されている国際人道法の原則及び精神に従って取り扱われるべきことは、これは当然であると考えます。
○辻元委員
だから、ジュネーブ条約で言うところの捕虜に当たるんですね、そうすると。
○岸田国務大臣
まず、今申し上げたのは取り扱いについてでありますが、法的な整理は先ほど答弁させていただいたとおりであります。
具体的な場合、具体的な状況は必ずしも定かではありませんが、いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は武力行使に当たらない範囲で行われるものであります。我が国がこうした活動を非紛争当事国として行っている場合について申し上げれば、そのようなこと自体によって我が国が紛争当事国になることはなく、そのような場合に自衛隊員がジュネーブ諸条約上の捕虜となることは想定されない、これであります。
○浜田委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○浜田委員長
速記を起こしてください。
岸田外務大臣、答弁願います。
○岸田国務大臣
整理いたしますと、要は、御指摘のような自衛隊員、これは紛争当事国の軍隊の構成員、戦闘員ではありませんので、これはジュネーブ条約上の捕虜となることはありません。
○辻元委員
日本の自衛隊が後方支援をしている、そして他国の、ドイツなんかも後方支援のような活動でアフガニスタンに行っていましたが、他国の軍の人たちが、仮に後方支援であったとしても拘束されたらジュネーブ条約を適用される、しかし、自衛隊だけ適用されないという事態が起こりかねないわけですよ。
これは結局、後方支援というのは戦争の一環なんですよ、国際的に見たら。しかし、そこを違うと言い張っているから、自衛隊員の身も危険にさらすんじゃないですか、今の政府のあり方そのものが。
そして、参考人やさまざまな人が憲法違反と言っているのは、兵たんは戦争の一環である、国際的にもそうなっている、捕虜の扱いもそうだし、そういうルールを全部すっ飛ばして、自衛隊だけ違います、これは通用しません。これは引き続きまた質問したいと思います。
終わります。