平成二十六年六月二十七日受領
答弁第二六九号
内閣衆質一八六第二六九号
平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員辻元清美君提出「建屋の止水」の「実現性」等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出「建屋の止水」の「実現性」等に関する質問に対する答弁書
一から一二までについて
東京電力株式会社の福島第一原子力発電所におけるいわゆる汚染水への対応に関し、原子炉建屋、タービン建屋、廃棄物処理建屋等(以下「原子炉建屋等」という。)の隙間を塞ぐこと(以下「建屋の止水」という。)については、東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議(当時。以下「廃炉対策推進会議」という。)の下に設置された汚染水処理対策委員会が平成二十五年五月三十日に取りまとめた「地下水の流入抑制のための対策」(以下「委員会報告書」という。)において、「貫通部等の止水策は、流入量が多い箇所での止水方法の確立、高線量下での作業員の被ばく対策等、技術的に非常に難易度が高いが、陸側遮水壁の設置、サブドレンによる水位管理等の他の対応策が機能しない場合でも、建屋内への地下水の流入抑制の効果を期待できるものである。したがって、貫通部等の止水策は、対応可能なものから速やかに着手し、他の対応策の実現性が明らかになってくるまで継続的に実施していくべきである。」としているほか、例えば、政府・東京電力中長期対策会議(当時)が平成二十三年十二月二十一日に取りまとめ、廃炉対策推進会議が平成二十五年六月二十七日に改訂した「東京電力(株)福島第一原子力発電所一~四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下「中長期ロードマップ」という。)において、同様の旨が示されている。
このように、建屋の止水については、技術的に非常に難易度が高いこと等を踏まえ、所要期間について、委員会報告書で示しているとおり七年程度を目安としており、その実施に係る具体的な内容や工程が確定しているものではないが、現在、中長期ロードマップに沿って、可能なものから対応を行っているところである。例えば、原子炉建屋等の外側であって線量が比較的低い箇所においては、作業員が防水材や止水パネル等を用いて原子炉建屋等を貫通するトレンチを閉塞する作業を行っているところ、現在、対策の実施途上であり、その効果について定量的な評価に努めているところである。また、原子炉建屋の内側等の高線量等のため人による作業が困難な箇所については、現在、作業環境を改善するためにロボットによる除染を進めているところであり、今後、線量が下がらない場合に備え、中長期ロードマップに沿って、例えば、建屋の止水の作業に資すること等を目的として、ロボットによる遠隔作業にかかる研究開発を経済産業省の補助事業により行うこととしているが、原子炉建屋等への地下水の流入がなくなった場合には、建屋の止水を待たずに、ここで言う「他の対応策」として構築を進めている凍土方式の陸側遮水壁を解凍する可能性は否定されない。
また、委員会報告書は、「地下水の流入抑制のための対策」について取りまとめたものであり、原子炉圧力容器の補修等の廃炉に係る全ての工程をその内容に含むものではなく、原子炉圧力容器の補修については、中長期ロードマップに沿って行うこととしている。
答弁第二六九号
内閣衆質一八六第二六九号
平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員辻元清美君提出「建屋の止水」の「実現性」等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出「建屋の止水」の「実現性」等に関する質問に対する答弁書
一から一二までについて
東京電力株式会社の福島第一原子力発電所におけるいわゆる汚染水への対応に関し、原子炉建屋、タービン建屋、廃棄物処理建屋等(以下「原子炉建屋等」という。)の隙間を塞ぐこと(以下「建屋の止水」という。)については、東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議(当時。以下「廃炉対策推進会議」という。)の下に設置された汚染水処理対策委員会が平成二十五年五月三十日に取りまとめた「地下水の流入抑制のための対策」(以下「委員会報告書」という。)において、「貫通部等の止水策は、流入量が多い箇所での止水方法の確立、高線量下での作業員の被ばく対策等、技術的に非常に難易度が高いが、陸側遮水壁の設置、サブドレンによる水位管理等の他の対応策が機能しない場合でも、建屋内への地下水の流入抑制の効果を期待できるものである。したがって、貫通部等の止水策は、対応可能なものから速やかに着手し、他の対応策の実現性が明らかになってくるまで継続的に実施していくべきである。」としているほか、例えば、政府・東京電力中長期対策会議(当時)が平成二十三年十二月二十一日に取りまとめ、廃炉対策推進会議が平成二十五年六月二十七日に改訂した「東京電力(株)福島第一原子力発電所一~四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下「中長期ロードマップ」という。)において、同様の旨が示されている。
このように、建屋の止水については、技術的に非常に難易度が高いこと等を踏まえ、所要期間について、委員会報告書で示しているとおり七年程度を目安としており、その実施に係る具体的な内容や工程が確定しているものではないが、現在、中長期ロードマップに沿って、可能なものから対応を行っているところである。例えば、原子炉建屋等の外側であって線量が比較的低い箇所においては、作業員が防水材や止水パネル等を用いて原子炉建屋等を貫通するトレンチを閉塞する作業を行っているところ、現在、対策の実施途上であり、その効果について定量的な評価に努めているところである。また、原子炉建屋の内側等の高線量等のため人による作業が困難な箇所については、現在、作業環境を改善するためにロボットによる除染を進めているところであり、今後、線量が下がらない場合に備え、中長期ロードマップに沿って、例えば、建屋の止水の作業に資すること等を目的として、ロボットによる遠隔作業にかかる研究開発を経済産業省の補助事業により行うこととしているが、原子炉建屋等への地下水の流入がなくなった場合には、建屋の止水を待たずに、ここで言う「他の対応策」として構築を進めている凍土方式の陸側遮水壁を解凍する可能性は否定されない。
また、委員会報告書は、「地下水の流入抑制のための対策」について取りまとめたものであり、原子炉圧力容器の補修等の廃炉に係る全ての工程をその内容に含むものではなく、原子炉圧力容器の補修については、中長期ロードマップに沿って行うこととしている。