平成十七年十月十七日
質問第二二号
衆議院議長 河野洋平 殿
小泉純一郎内閣総理大臣の二〇〇五年一〇月一七日における靖国神社参拝に関する質問主意書
辻元清美 提出
小泉首相は二〇〇五年一〇月一七日、東京・九段の靖国神社を参拝した。小泉首相の靖国神社参拝については、アジア各国から批判が相次ぎ、外交問題に発展しており、これは日本の国益あるいは、日本国民の安全を著しく侵す虞れがあると考えられ、小泉首相の靖国神社参拝の意味を内外に明確にする必要がある。
従って、次の事項について質問する。
一 二〇〇五年一〇月一七日の小泉純一郎内閣総理大臣による靖国神社参拝は、「内閣総理大臣」としての公式参拝か、答えられたい。
二 二〇〇一年に小泉純一郎内閣総理大臣が公約として掲げた靖国神社参拝は、公的な行為として行うことを約したものと理解してよいか。
三 二〇〇五年九月三〇日の大阪高裁靖国参拝訴訟控訴審判判決において、小泉内閣総理大臣の靖国神社参拝は違憲と判断されているが、これを内閣総理大臣は司法府の判断として尊重するのか。
四 二〇〇五年一〇月一七日、在中国、韓国の日本国大使館が各国の在留邦人に対し、注意喚起を促した事実があるか。あるならば、小泉内閣総理大臣の靖国神社参拝と関連しているのか。
五 関連があるのなら、内閣総理大臣が、公的か私的かを問わず、その行為によって多くの国民の安全に影響する事態を引き起こしたことについての小泉内閣総理大臣の責任の有無を問う。
六 関連がないのなら、どのような理由で四に示すような行為を行ったのか。
七 靖国神社が一般参拝者向けに発行しているパンフレット(二〇〇五年七月配布のもの)では、同神社に合祀されているA級戦犯について「形ばかりの裁判によって一方的に”戦争犯罪人”という、ぬれぎぬを着せられ」と明記している。この事実を小泉内閣総理大臣は認識しているか。
八 認識した上での参拝ならば私的、公的を問わず、右記の主張を肯定したことにならないか。
九 小泉内閣総理大臣は、国会にて「適切に判断する」という答弁を繰り返しているが、今回の靖国神社参拝は適切な判断であると考えるか。
右質問する。