つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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「戦争犯罪人」と「戦争責任」に関する質問主意書

2006.1.27

質問主意書

平成一八年一月二七日
提出者 辻元清美
衆議院議長 河野洋平殿
小泉首相は二〇〇五年一〇月一七日、東京・九段の靖国神社を参拝した。小泉首相の靖国神社参拝についてアジア各国から批判が相次ぎ、中国・韓国が日本との首脳会談を拒否していることについて、小泉首相は「外国政府が心の問題に介入して、外交問題にするのは理解できない」と発言し、さらなる対立が生まれようとしている。さらに、二〇〇六年一月二五日、小泉首相は、参議院本会議において「アジア諸国において、中国、韓国以外に私の靖国参拝を批判する国はない。どこの国の首相も参拝を批判したことはない」と発言し、韓国首相が強い遺憾の意を示す事態を引き起こした。
このような中で、日本の国際的信頼を守るためには、戦争責任に対する我が国の姿勢を明確にし、平和に関する国際的な枠組みを再確認する必要がある。
従って、次の事項について質問する。

  1. 一九九一年一〇月一日付けの吉岡吉典参議院議員の質問主意書に対する同月二九日付けの答弁書の中で、政府は、極東国際軍事裁判で有罪となったA級戦争犯罪人について「赦免された者はいない」と回答している。また関係諸国政府による減刑の処分決定には理由が付されていないと回答している。
    政府はA級戦争犯罪人が減刑されたことをもって対象者の名誉が回復されたと考えているかを明らかにされたい。
  2. 二〇〇五年一〇月一七日付けの野田佳彦衆議院議員の質問主意書に対する一〇月二五日付けの答弁書で、政府は、平和条約第一一条による極東国際軍事裁判所及びその他の連合国戦争犯罪法廷が科した刑について、「その刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」と回答している。
    以下の各戦争について、日本の国内法で戦争責任を問われ、刑を科せられた者がいるかを明らかにされたい。また、これらの戦争についてその戦争責任は誰にあると考えているか(戦争責任を負う者はいないと考えている場合には、その旨)を明らかにされたい。
    • 一九四一年一二月に開始された米国、英国等との戦争
    • 一九三一年九月に開始された中華民国との戦争(いわゆる「『満洲』事変」)
    • 一九三七年七月に開始された中華民国との戦争(いわゆる「日中戦争」)
  3. サンフランシスコ平和条約が発効した後に訪日した国家元首のなかで、日本側が靖国神社参拝を要請した者はいるかを明らかにされたい。いる場合には、いつ、誰に対して要請したかを明らかにされたい。
  4. サンフランシスコ平和条約が発効した後に訪日した国家元首のなかで、靖国神社を参拝した者はいるかを明らかにされたい。いるとすれば、いつ、誰が参拝したかを明らかにされたい。
  5. 二〇〇五年一〇月二〇日、ヘンリー・ハイド米下院国際関係委員長は、小泉純一郎首相をはじめとする日本政府関係者らの靖国神社参拝に強い遺憾の意を表明する内容の書簡を日本政府に送り、その中で、「靖国神社は・・・太平洋戦争を引き起こした軍国主義的志向の象徴となっている」と指摘している。
    政府は、この指摘についてどのように考えるかを明らかにされたい。
  6. 政府は、ハイド米下院国際関係委員長の右書簡に対し、返書の送付その他何らかの意向表明を行ったかを明らかにされたい。行ったとすればその詳細を具体的に明らかにされたい。
  7. 二〇〇五年五月一八日、首相としての初訪日を前にしたシンガポールのリー・シェンロン首相は、小泉首相の靖国神社参拝について、「この地域で日本の占領を経験した国に悪い記憶を思い起こさせる」「シンガポール人を含む多くの人にとって、靖国参拝は日本が戦時中に悪いことをしたという責任を受け入れていないことの表明、と受け取れる」と発言し、大きく報道された。
    しかるに、小泉首相は二〇〇六年一月二五日の参議院本会議で「アジア諸国において、中国、韓国以外に私の靖国参拝を批判する国はない。どこの国の首相も参拝を批判したことはない」と発言している。
    小泉首相は、リー首相の右発言内容を知っているか。知っているのであれば、参議院本会議での右発言は、いかなる根拠に基づいてなされたものかを明らかにされたい。知らなかったのであれば、参議院本会議での右発言を訂正ないし撤回する意向があるかを明らかにされたい。
  8. 二〇〇六年一月二〇日、小泉首相は施政方針演説の中で、中国・韓国との関係について触れ、「一部の問題で意見の相違や対立があっても」と述べている。 ここでいう「一部の問題」とは何を指すのかを明らかにされたい。中国政府、韓国政府と意見の相違ないし対立が生じている理由をどのように認識しているかを明らかにされたい。

右、質問する。