つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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日本政府の核兵器製造能力についての見解に関する質問主意書

2006.12.13

質問主意書

右の質問主意書を提出する。
平成一八年一二月一三日
提出者  辻元清美
衆議院議長  河野洋平殿

日本政府の核兵器製造能力についての見解に関する質問主意書
 一一月三〇日の衆議院安全保障委員会における辻元清美の質問に対し、麻生外務大臣は、日本が核兵器製造能力を有することを明らかにした。これは、「我が国は原子力の平和利用のみを行っておりまして、核兵器製造のための知識、経験、ノウハウは持っておりません。」(天野之弥政府参考人=外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官、二〇〇四年六月一日・参議院外交防衛委員会)「使用済み燃料あるいはMOX燃料の状態ではウラン等プルトニウム以外の成分が大量に含まれているため、そのままでは核兵器を製造できないと聞いております。また、使用済み燃料を再処理いたしまして回収されるプルトニウムにつきましては・・・・・・核兵器の製造には適さないというふうに承知しております。」(迎陽一政府参考人=資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、二〇〇二年四月二五日・参議院外交防衛委員会)等とする、これまでの政府見解を大きく逸脱するものである。
従って、以下、質問する。

一 麻生外務大臣の「核をつくる能力(略)を持っていることも確かです。」という答弁について
1 日本政府の有する「核兵器製造能力」は具体的にどのようなものか、明らかにされたい。
2 日本政府は「核兵器製造能力」をどの機関が保有しているのか、明らかにされたい。
3 日本政府が「核兵器製造能力」を有したのはいつの時点か、明らかにされたい。
4 日本政府が「核兵器製造能力」を有したのはどのような指示によるものか、明らかにされたい。
5 日本政府が「核兵器製造能力」を有したのはどのような目的によるものか、明らかにされたい。
二 麻生外務大臣の「ロケットを、少なくとも移動衛星、静止衛星、偵察衛星等々を飛ばす、搬送する技術も日本はあります」という答弁について
1 日本政府の有する「核兵器運搬能力」は具体的にどのようなものか、明らかにされたい。
2 日本政府が「核兵器運搬能力」をどの機関が保有しているのか、明らかにされたい。
3 日本政府が「核兵器運搬能力」を有したのはいつの時点か、明らかにされたい。
4 日本政府が「核兵器運搬能力」を有したのはどのような指示によるものか、明らかにされたい。
5 日本政府が「核兵器運搬能力」を有したのはどのような目的によるものか、明らかにされたい。
三 麻生外務大臣の「プルトニウム等々も、私どもとしては、IAEA(国際原子力機関)の管轄下においてそれをきっちりつくっておるという技術を持っていることも確か」という答弁について
1 日本政府の有する「核兵器の原料確保の技術(プルトニウムの軍事転用技術)」は具体的にどのようなものか、明らかにされたい。
2 日本政府が「核兵器の原料確保の技術(プルトニウムの軍事転用技術)」をどの機関が保有しているのか、明らかにされたい。
3 日本政府が「核兵器の原料確保の技術(プルトニウムの軍事転用技術)」を有したのはいつの時点か、明らかにされたい。
4 日本政府が「核兵器の原料確保の技術(プルトニウムの軍事転用技術)」を有したのはどのような指示によるものか、明らかにされたい。
5 日本政府が「核兵器の原料確保の技術(プルトニウムの軍事転用技術)」を有したのはどのような目的によるものか、明らかにされたい。
6 日本政府は、「使用済み燃料を再処理いたしまして回収されるプルトニウムにつきましては・・・・・・核兵器の製造には適さないというふうに承知しております。」という答弁をしているが、現時点でこの認識は変わらないか。
四 一から三の事実を、日本政府が承知していないのであれば、麻生外務大臣はどのような方法でかかる重大事項を知りえたのか、明らかにされたい。
五 麻生外務大臣の発言と、日本政府との認識が異なるのであれば、麻生外務大臣はどのような根拠で発言されたものか、明らかにされたい。
六 麻生外務大臣の発言は、平和利用を前提に進められてきた日本の原子力技術が、軍事転用が可能であることを示唆したもので、核兵器不拡散条約(NPT)に違反する可能性がある。これに対する日本政府の見解を示せ。
七 日本のプルトニウムはIAEA(国際原子力機関)の監視下に置かれているが、これを使って核兵器が作れるという麻生外務大臣の発言は、核兵器不拡散条約(NPT)に違反する可能性がある。これに対する日本政府の見解を示せ。
八 日本のロケット開発技術は、一九六七年に発効された国連の「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(宇宙条約)」のもと、軍事的利用を禁止した国会決議に従い、平和的利用を目的に進められてきた。しかし麻生外務大臣の発言は、軍事転用が可能であることを示したものである。日本政府は、麻生外務大臣の発言が、国連の宇宙条約および国会決議に反するものと考えるか、見解を示せ。
右質問する。