内閣衆質一六九第一五一号
平成二十年三月十八日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員辻元清美君提出 性暴力事件に関する質問に対する別紙答弁書
1及び2について
個別具体的な刑事事件における具体的な事実の有無についてはお答えを差し控えるが、政府としては、先般、沖縄県に駐留する在日米海兵隊に所属する二等軍曹による日本人女子中学生に対する暴行被疑事案(以下「本件事案」という。)が発生したことは極めて遺憾であると考えており、このような事案が繰り返されないようにするため、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策がより効果的かつ包括的なものとなるよう取り組むことが重要であると認識している。本件事案については、告訴が取り消されたため、那覇地方検察庁において不起訴処分とされたが、政府のかかる認識に変わりはなく、また、当該不起訴処分が事件・事故の再発防止に向けた日米両政府の取組に影響を与えることはないものと考えている。
三について
日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる米軍の構成員に対する請求権については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第十八条6の規定に基づき処理されることとなる。
四について
政府としては、本件事案の発生以降、沖縄県等地元自治体の意向を踏まえつつ、在日米国大使館及び在日米軍とともに、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策がより実効的かつ包括的なものとなるよう検討を進め、二月二十二日、以下の諸点を含む当面の措置を発表したところである。
イ 日米両政府は、米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(以下「ワーキング・チーム」という。)の枠組みを通じて、政府関係機関及び地元自治体と在沖米軍との連携を強化する。
ロ 米側は、ワーキング・チームを通じて、リバティー・カード制度を含む様々な犯罪防止策を再検討する。
ハ 日米両政府は、飲酒関連の事件・事故対策等、これまでワーキング・チームが行ってきている作業を強化するとともに、地元自治体に防犯カメラの設置の意向がある場合には、当該対応について積極的に検討する。
ニ 政府は、年に一度、米側から施設及び区域外に居住する米軍人数について情報提供を受け、こうした情報を地元自治体と共有する。さらに、日米両政府は、在日米軍の施設及び区域外の居住の方針について日米合同委員会等で協議を行う。
ホ 日米両政府は、これまで沖縄において行われている米軍人による巡回指導を参考に、沖縄県及びその他の地元自治体の要望を踏まえつつ、地元警察が米側の協力を得て、共同パトロールを導入できるよう、共同場とロール時の警察権限の行使等について必要な調整を行う。
政府としては、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止のためには、継続的な取組が必要であると考えており、米側とともに、これらの措置を含め、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策が着実に実施されるよう取り組んでいく考えである。
五について
個別具体的な刑事事件についての我が国検察当局の処分の詳細についてはお答えを差し控えるが、一般に、検察当局においては、在日米軍関係者にかかわる事件についても、我が国の法と証拠に基づき適切に処理しているものと承知している。
また、御指摘のような米側の措置は、米国の法令に従って行っているものと承知しており、かかる措置に関する米側の判断について、政府としてお答えする立場にない。
六について
平成七年から平成十九年までの間に警察が認知した強姦事件の認知件数及び検挙率は、それぞれ、平成七年が千五百件、九十四・〇パーセント、平成八年が千四百八十三件、八十八・八パーセント、平成九年が千六百五十七件、八十八・八パーセント、平成十年が千八百七十三件、八十八・二パーセント、平成十一年が千八百五十七件、七十三・七パーセント、平成十二年が二千二百六十件、六十八・一パーセント、平成十三年が二千二百二十八件、六十三・〇パーセント、平成十四年が二千三百五十七件、六十二・三パーセント、平成十五年が二千四百七十二件、六十三・五パーセント、平成十六年が二千百七十六件、六十四・五パーセント、平成十七年が二千七十六件、六十九・五パーセント、平成十八年が千九百四十八件、七十四・九パーセント、平成十九年が千七百六十六件、七十八・九パーセントである。
七について
平成七年から平成十九年までの間に警察が検挙した米軍の構成員若しくは軍属又はそれらの家族(以下「米軍構成員等」という。)による強姦事件の検挙数は、平成七年が一件、平成八年が二件、平成九年が三件、平成十年が一件、平成十一年が二件、平成十二年が三件、平成十三年が一件、平成十四年が二件、平成十五年が四件、平成十六年が三件、平成十七年が二件、平成十八年が零件、平成十九年については確定した数値ではないが三件である。
なお、警察が認知した犯罪が米軍構成員等によるものか否かは、当該犯罪の被疑者が検挙されるまで判明しないため、お尋ねの米軍構成員等による強姦事件の認知件数及び検挙率をお答えすることはできない。
八について
平成七年から平成十八年までの間に全国の検察庁で受理した強姦被疑事件のうち、告訴がなかった事件、無効であった事件又は取り消された事件に係る被疑者数は、平成七年が百二十九人、平成八年が百三十一人、平成九年が百三十六人、平成十年が百二十三人、平成十一年が百四十一人、平成十二年が百八十九人、平成十三年が百六十五人、平成十四年が百八十三人、平成十五年が百八十三人、平成十六年が百八十五人、平成十七年が百六十四人、平成十八年が百九十五人である。なお、これらのうち告訴が取り消された事件のみに係る被疑者数については、統計資料がなく、お答えすることは困難である。
九について
お尋ねについては、統計資料がなく、お答えすることは困難である。
平成二十年三月十八日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員辻元清美君提出 性暴力事件に関する質問に対する別紙答弁書
1及び2について
個別具体的な刑事事件における具体的な事実の有無についてはお答えを差し控えるが、政府としては、先般、沖縄県に駐留する在日米海兵隊に所属する二等軍曹による日本人女子中学生に対する暴行被疑事案(以下「本件事案」という。)が発生したことは極めて遺憾であると考えており、このような事案が繰り返されないようにするため、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策がより効果的かつ包括的なものとなるよう取り組むことが重要であると認識している。本件事案については、告訴が取り消されたため、那覇地方検察庁において不起訴処分とされたが、政府のかかる認識に変わりはなく、また、当該不起訴処分が事件・事故の再発防止に向けた日米両政府の取組に影響を与えることはないものと考えている。
三について
日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる米軍の構成員に対する請求権については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第十八条6の規定に基づき処理されることとなる。
四について
政府としては、本件事案の発生以降、沖縄県等地元自治体の意向を踏まえつつ、在日米国大使館及び在日米軍とともに、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策がより実効的かつ包括的なものとなるよう検討を進め、二月二十二日、以下の諸点を含む当面の措置を発表したところである。
イ 日米両政府は、米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(以下「ワーキング・チーム」という。)の枠組みを通じて、政府関係機関及び地元自治体と在沖米軍との連携を強化する。
ロ 米側は、ワーキング・チームを通じて、リバティー・カード制度を含む様々な犯罪防止策を再検討する。
ハ 日米両政府は、飲酒関連の事件・事故対策等、これまでワーキング・チームが行ってきている作業を強化するとともに、地元自治体に防犯カメラの設置の意向がある場合には、当該対応について積極的に検討する。
ニ 政府は、年に一度、米側から施設及び区域外に居住する米軍人数について情報提供を受け、こうした情報を地元自治体と共有する。さらに、日米両政府は、在日米軍の施設及び区域外の居住の方針について日米合同委員会等で協議を行う。
ホ 日米両政府は、これまで沖縄において行われている米軍人による巡回指導を参考に、沖縄県及びその他の地元自治体の要望を踏まえつつ、地元警察が米側の協力を得て、共同パトロールを導入できるよう、共同場とロール時の警察権限の行使等について必要な調整を行う。
政府としては、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止のためには、継続的な取組が必要であると考えており、米側とともに、これらの措置を含め、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策が着実に実施されるよう取り組んでいく考えである。
五について
個別具体的な刑事事件についての我が国検察当局の処分の詳細についてはお答えを差し控えるが、一般に、検察当局においては、在日米軍関係者にかかわる事件についても、我が国の法と証拠に基づき適切に処理しているものと承知している。
また、御指摘のような米側の措置は、米国の法令に従って行っているものと承知しており、かかる措置に関する米側の判断について、政府としてお答えする立場にない。
六について
平成七年から平成十九年までの間に警察が認知した強姦事件の認知件数及び検挙率は、それぞれ、平成七年が千五百件、九十四・〇パーセント、平成八年が千四百八十三件、八十八・八パーセント、平成九年が千六百五十七件、八十八・八パーセント、平成十年が千八百七十三件、八十八・二パーセント、平成十一年が千八百五十七件、七十三・七パーセント、平成十二年が二千二百六十件、六十八・一パーセント、平成十三年が二千二百二十八件、六十三・〇パーセント、平成十四年が二千三百五十七件、六十二・三パーセント、平成十五年が二千四百七十二件、六十三・五パーセント、平成十六年が二千百七十六件、六十四・五パーセント、平成十七年が二千七十六件、六十九・五パーセント、平成十八年が千九百四十八件、七十四・九パーセント、平成十九年が千七百六十六件、七十八・九パーセントである。
七について
平成七年から平成十九年までの間に警察が検挙した米軍の構成員若しくは軍属又はそれらの家族(以下「米軍構成員等」という。)による強姦事件の検挙数は、平成七年が一件、平成八年が二件、平成九年が三件、平成十年が一件、平成十一年が二件、平成十二年が三件、平成十三年が一件、平成十四年が二件、平成十五年が四件、平成十六年が三件、平成十七年が二件、平成十八年が零件、平成十九年については確定した数値ではないが三件である。
なお、警察が認知した犯罪が米軍構成員等によるものか否かは、当該犯罪の被疑者が検挙されるまで判明しないため、お尋ねの米軍構成員等による強姦事件の認知件数及び検挙率をお答えすることはできない。
八について
平成七年から平成十八年までの間に全国の検察庁で受理した強姦被疑事件のうち、告訴がなかった事件、無効であった事件又は取り消された事件に係る被疑者数は、平成七年が百二十九人、平成八年が百三十一人、平成九年が百三十六人、平成十年が百二十三人、平成十一年が百四十一人、平成十二年が百八十九人、平成十三年が百六十五人、平成十四年が百八十三人、平成十五年が百八十三人、平成十六年が百八十五人、平成十七年が百六十四人、平成十八年が百九十五人である。なお、これらのうち告訴が取り消された事件のみに係る被疑者数については、統計資料がなく、お答えすることは困難である。
九について
お尋ねについては、統計資料がなく、お答えすることは困難である。