性暴力事件に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
平成二〇年三月七日
提出者 辻元清美
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
二〇〇八年二月一〇日に発生した沖縄県に駐留するアメリカ合衆国海兵隊に所属の二等軍曹による日本人中学生に対する強姦被疑事件に関し、二月二九日、被害者側から告訴が取り下げられ、被疑者は釈放された。事件発生当初から被害者に対するバッシングがマスコミなどで繰り返されてきたことは周知の事実だが、今後、このような性暴力や性暴力の被害者側が二重とも言える苦痛を受けるような被害者バッシングがさけられるような政策がとられるべきと考える。
従って、次の事項について質問する。
一、二月一〇日に発生した事件の被害者が告訴を取り下げたが、現在も今回の事件においてなんらかの性暴力がこの女子中学生に対して行われたと政府は考えるか示されたい。
二、告訴が取り下げられたことによって、この事件に関する政府の認識になんら変わりはないか、あるとすればどのような要因によって、どのように違うのか示されたい。
三、この事件が厳然として存在すると考えるならば、このような性暴力の被害者に対する日本国政府としての補償に関する考えを示されたい。
四、このような事件の再発を防ぐために政府はどのような対策をとり得るのか示されたい。
五、同様に岩国米軍基地の海兵隊員四名が日本人女性に対して性暴力をふるったとされる事件において、日本側検察が不起訴処分とした件について、米軍法会議にかけることが決定した。これは、性暴力に対する両国の制度の違いによるものだが、こうしたダブルスタンダードの現状について政府はどのように考えるか示されたい。
六、一九九五年から二〇〇七年に起こった強姦事件の件数と検挙率を年ごとに示されたい。
七、同様に在日米軍関係者(軍人、軍属、家族)を加害者とする強姦事件の件数と検挙率を示されたい。
八、同様に強姦の容疑の告訴が取り下げられた件数を示されたい。
九、八のうち同様に被疑者が在日米軍関係者である件数を示されたい。
右質問する。