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死刑制度についての鳩山法務大臣と福田総理大臣の認識に関する質問質問に対する答弁書

2008.5.27

質問主意書

内閣衆質一六九第四三六号
平成二十年六月六日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員辻元清美君提出
死刑制度についての鳩山法務大臣と福田総理大臣の認識に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出死刑制度についての鳩山法務大臣と福田総理大臣の認識に関する質問に対する答弁書
一の1について
アイルランド、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア及びルクセンブルクである。
一の2について
国際連合事務総長が二千六年に国際連合人権委員会に提出した死刑問題に関する報告書によれば、一の1についてでお答えした二十七か国においては、すべての犯罪について死刑が廃止され、又は通常の犯罪のみについて死刑が廃止されているものと承知している。
一の3について
死刑の存廃は、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき問題であるところ、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人、誘拐殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等にかんがみると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ず、死刑を廃止することは適当でないと考えている。
一の4について
御指摘の点について、鳩山法務大臣は、平成二十年五月二十三日の衆議院法務委員会において、「これは記憶ですが、死刑についても率直に語っていただいて、あなたの考え方はよく分かりました、こういう表現はあったと思います。質問というか意見表明というか、要するに講演後の懇談の中で。」と答弁している。
一の5について
御指摘の点について、鳩山法務大臣は、平成二十年五月二十三日の衆議院法務委員会において、「EU二十七か国の大使の方に招かれて、一時間ばかりの講演をしました。四月七日午前十一時三十分から午後十二時三十分過ぎまでのことでありました。そのときに、私が話をしたところ、日本はなぜまだ死刑を存置しているのかとか、死刑を廃止する意向はないのかというような質問は一切なかったのです。いろいろなほかのことの質問があって、死刑関連では、免罪によって死刑が生まれて執行してしまうということだけは絶対にないようにという意見表明というか、質問が唯一あった。これは事実なんです。」と答弁している。
二について
欧州連合は、死刑制度の存置に反対する旨の意見を表明しているものと承知しており、また、一の1についてでお答えした二十七か国は、第六十二回国際連合総会において採択された死刑に係る決議の共同提案国となっていたものと承知している。
三について
法務省として、御指摘の「書状」を平成二十年五月十五日に受け取ったが、駐日欧州委員会代表部に対する「回答」は行っていない。
四について
法務省として、御指摘の記事における「法務省の見解」の具体的内容を確認することができないため、お答えすることは困難である。
五の1、2及び8について
欧州連合は、死刑制度の存置に反対する旨の意見を表明しているものと承知しており、また、一の1についてでお答えした二十七か国は、第六十二回国際連合総会において採択された死刑判決に係る決議の共同提案国となっていたものと承知している。
五の3について
お尋ねについては、鳩山法務大臣が国会等において説明しているところである。
五の4について
法務省として、御指摘の記事における「法務省の見解」の具体的内容を確認することができないため、お答えすることは困難である。
五の5から7までについて
死刑の存廃の問題については、諸外国における動向等も参考にする必要があるものの、基本的には、各国において、当該国の国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて慎重に検討し、独自に決定すべきものと考えている。