平成二十六年五月三十日受領
答弁第一七六号
内閣衆質一八六第一七六号
平成二十六年五月三十日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員辻元清美君提出「美味しんぼ」問題についての安倍総理大臣発言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出「美味しんぼ」問題についての安倍総理大臣発言に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「美味しんぼ」における描写の内容の一々について、政府として論評することは差し控えたい。
二について
御指摘の一漫画表現による「風評被害」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねの「起きる原因」及び「放射線対策」についてお答えすることは困難である。
三、五及び八について
平成二十五年九月三日の原子力災害対策本部において、「東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題に関する基本方針」を決定し、これに基づき、海洋等における放射性物質の検出状況についての正確な情報等を迅速に提供することにより、風評被害を防止するよう努めている。御指摘の安倍内閣総理大臣の汚染水の影響に係る発言は、福島県近海での放射性物質の影響は、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルに完全にブロックされていることを指しており、この発言の根拠となる同発電所の港湾外における海水の放射線データは、原子力規制委員会等による放射線モニタリングの結果によれば、放射性物質の濃度は検出できないほど低いか、基準濃度をはるかに下回っていることが確認されている。また、食品中の放射性物質に関する基準値(以下「基準値」という。)については、食品安全委員会の食品健康影響評価及び国際連合食糧農業機関・世界保健機関合同食品規格計画の実施機関であるコーデックス委員会(以下「コーデックス委員会」という。)における食品に関する国際規格を踏まえ、食品の摂取に伴う被ばく線量が年間一ミリシーベルトを超えないように設定しているものである。御指摘の発言については、基準値を超過した食品は、回収・廃棄されるほか、地域的な広がりが認められる場合には出荷制限を行うなど、厳格な管理体制を敷いていること及び通常の食生活における食品からの放射性物質の摂取状況を把握するための調査において、食品の摂取に伴う被ばく線量は、コーデックス委員会の指標である年間一ミリシーベルトの百分の一以下の水準であることが確認されていることを踏まえたものである。このため、御指摘の安倍内閣総理大臣発言の撤回は不要であると考えており、政府としては、引き続き、放射線による人体への影響等について、科学的知見に基づく正確な情報提供や風評被害の払拭に努める考えである。
四について
放射線に対する個々人の健康不安等に向き合って分かりやすく応えるため、政府としては、最新の科学的知見に基づく正確で分かりやすい資料の作成・活用を通じた情報発信への支援、一対一や車座での双方向のコミュニケーションの場の構築、専門的な知識を持ち地元に密着した人材の育成・確保といった、リスクコミュニケーションの現場における課題を踏まえた対応が重要であるとしているところである。今後とも、政府としては、関係自治体との連携を密にして、できる限り分かりやすく正しい情報提供を行うため、不断の見直しを行ってまいりたい。
六について
お尋ねの「方々」の存在は承知していないが、政府としては、放射線による人体への影響等について、科学的知見に基づく正確な情報提供や風評被害の払拭に努める考えである。また、御指摘の「疫学調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかでないが、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県及び群馬県において、各県が主体となって開催された有識者会議等において、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故後の健康管理のあり方について、地元の医師や医学等の専門家により議論が行われ、必要と判断された健康調査が行われていると承知している。
七について
一般論としては、閣僚が「遺憾の意」を示すことが、直ちに何らかの表現活動の規制につながるものとは認識していない。
答弁第一七六号
内閣衆質一八六第一七六号
平成二十六年五月三十日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員辻元清美君提出「美味しんぼ」問題についての安倍総理大臣発言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出「美味しんぼ」問題についての安倍総理大臣発言に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「美味しんぼ」における描写の内容の一々について、政府として論評することは差し控えたい。
二について
御指摘の一漫画表現による「風評被害」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねの「起きる原因」及び「放射線対策」についてお答えすることは困難である。
三、五及び八について
平成二十五年九月三日の原子力災害対策本部において、「東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題に関する基本方針」を決定し、これに基づき、海洋等における放射性物質の検出状況についての正確な情報等を迅速に提供することにより、風評被害を防止するよう努めている。御指摘の安倍内閣総理大臣の汚染水の影響に係る発言は、福島県近海での放射性物質の影響は、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルに完全にブロックされていることを指しており、この発言の根拠となる同発電所の港湾外における海水の放射線データは、原子力規制委員会等による放射線モニタリングの結果によれば、放射性物質の濃度は検出できないほど低いか、基準濃度をはるかに下回っていることが確認されている。また、食品中の放射性物質に関する基準値(以下「基準値」という。)については、食品安全委員会の食品健康影響評価及び国際連合食糧農業機関・世界保健機関合同食品規格計画の実施機関であるコーデックス委員会(以下「コーデックス委員会」という。)における食品に関する国際規格を踏まえ、食品の摂取に伴う被ばく線量が年間一ミリシーベルトを超えないように設定しているものである。御指摘の発言については、基準値を超過した食品は、回収・廃棄されるほか、地域的な広がりが認められる場合には出荷制限を行うなど、厳格な管理体制を敷いていること及び通常の食生活における食品からの放射性物質の摂取状況を把握するための調査において、食品の摂取に伴う被ばく線量は、コーデックス委員会の指標である年間一ミリシーベルトの百分の一以下の水準であることが確認されていることを踏まえたものである。このため、御指摘の安倍内閣総理大臣発言の撤回は不要であると考えており、政府としては、引き続き、放射線による人体への影響等について、科学的知見に基づく正確な情報提供や風評被害の払拭に努める考えである。
四について
放射線に対する個々人の健康不安等に向き合って分かりやすく応えるため、政府としては、最新の科学的知見に基づく正確で分かりやすい資料の作成・活用を通じた情報発信への支援、一対一や車座での双方向のコミュニケーションの場の構築、専門的な知識を持ち地元に密着した人材の育成・確保といった、リスクコミュニケーションの現場における課題を踏まえた対応が重要であるとしているところである。今後とも、政府としては、関係自治体との連携を密にして、できる限り分かりやすく正しい情報提供を行うため、不断の見直しを行ってまいりたい。
六について
お尋ねの「方々」の存在は承知していないが、政府としては、放射線による人体への影響等について、科学的知見に基づく正確な情報提供や風評被害の払拭に努める考えである。また、御指摘の「疫学調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかでないが、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県及び群馬県において、各県が主体となって開催された有識者会議等において、東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故後の健康管理のあり方について、地元の医師や医学等の専門家により議論が行われ、必要と判断された健康調査が行われていると承知している。
七について
一般論としては、閣僚が「遺憾の意」を示すことが、直ちに何らかの表現活動の規制につながるものとは認識していない。