平成二十六年五月二十七日提出
質問第一八〇号
紛争時における在外邦人の国外脱出に関する質問主意書
提出者 辻元清美
紛争時における在外邦人の国外脱出に関する質問主意書
安倍総理大臣は、二〇一四年五月十五日の記者会見で、集団的自衛権に関する「基本的方向性」について述べた。その際に、具体的な事例として、紛争地に在留する邦人が国外脱出をはかる際に、米国が救助し、米国の艦船が輸送しているケースを例示して、集団的自衛権の必要性について訴えた。
以下、紛争時における在外邦人の国外脱出に関して質問する。
一 湾岸戦争において、在イラク邦人、在クウェート邦人及びその他の当該紛争国に在留していた邦人が、緊急事態に伴い国外脱出した際の個々の事例について
1 空路(本邦からの特別機や各国緊急特別機など)、海路(定期便及び臨時便など)、陸路など、どの国のどのような脱出手段を用いて、どのようなルートで脱出したか。脱出した日付及び人数はどうか。脱出者の民間人割合はどうだったか。それらについて、政府の把握している事例をすべて、時系列で明らかにされたい。
2 それらの個々の事例のうち、脱出手段の提供や脱出ルートの安全性確認・確保など、日本の在外公館が直接的に関与して脱出に至った事例はどれか。
3 それらの個々の事例のうち、米軍の艦船や飛行機、車両などが、邦人を救出した例はあるか。また、米国以外の当該紛争国の軍艦船や飛行機、車両などが、邦人を救出した例はあるか。
4 その他、在留邦人の脱出において、日本の在外公館が果たした役割はどのようなものであったか。
5 当該脱出において、政府全体としての対応は十分なものであったか、改善をはかるべき点があるとすればどこか。政府の見解を求める。
二 イラク戦争において、在イラク邦人及びその他の当該紛争国に在留していた邦人が、緊急事態に伴い国外脱出した際の個々の事例について
1 空路(本邦からの特別機や各国緊急特別機など)、海路(定期便及び臨時便など)、陸路など、どの国のどのような脱出手段を用いて、どのようなルートで脱出したか。脱出した日付及び人数はどうか。脱出者の民間人割合はどうだったか。それらについて、政府の把握している事例をすべて、時系列で明らかにされたい。
2 それらの個々の事例のうち、脱出手段の提供や脱出ルートの安全性確認・確保など、日本の在外公館が直接的に関与して脱出に至った事例はどれか。
3 それらの個々の事例のうち、米軍の艦船や飛行機、車両などが、邦人を救出した例はあるか。また、米国以外の当該紛争国の軍艦船や飛行機、車両などが、邦人を救出した例はあるか。
4 その他、在留邦人の脱出において、日本の在外公館が果たした役割はどのようなものであったか。
5 当該脱出において、政府全体としての対応は十分なものであったか、改善をはかるべき点があるとすればどこか。政府の見解を求める。
三 現在、日本政府と米国政府との間で、紛争地における邦人救出についての取り決めがあるか。または、過去に検討されたことはあったか。
右質問する。