つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2013年4月24日 法務委員会

2013.4.24

議事録

民主党の辻元清美です。おはようございます。

本日は、ハーグ条約の実施に関する法律案に関する質問、特に運用面につきまして質問をさせていただきたいと思います。

先日から、そして先ほどの泉議員もそうですが、DVの問題、これは国際的に、日本人の女性に対する他の外国での被害だけではなくて、例えば、私の手元に、これはアメリカ人の女性がアメリカ以外の国外で国際結婚をし、そしてDVに遭った被害を訴える、要するにアメリカでのレポートも手元にあるんですけれども、このレポート、ハーグ条約とドメスティック・バイオレンスということで、アメリカの国内でも、同じようにアメリカ人の主には女性が被害に遭う場合が多いわけですけれども、レポートなどが提出されておりまして、国際的にやはりハーグ条約を締結する、そして国内で運用するという国々は、このドメスティック・バイオレンスの問題、かなり議論がされている、それを各国、世界じゅうで、どう、しっかりと対応していくかということが大事であるということ、さまざまな他の国のレポートからも明らかになっているところです。

そこで、まず最初に、本来であれば連れ去りが起こる前に解決ができればよろしいわけですけれども、なかなかそうもいかないという事情で連れ去りが起こってしまうということですので、先ほどもちょっと、在外公館でのドメスティック・バイオレンス等での相談にどのように対応しているかという質問がございましたが、それをもう少し具体的にお伺いしたいと思います。

日本の在外公館にドメスティック・バイオレンスなどの被害の訴えがあったとき、現状、今どういうふうになっているのか、それから、これからどういうようにさらに充実させていこうかという点をまずお伺いしたいと思います。

この前の本会議でも、先ほどの御答弁でも、その国の支援システムを説明するとか、弁護士やシェルターの紹介を行うとか、領事業務を迅速化してサポートするとか、いろいろ御答弁があったんですけれども、それぞれの国、例えばアメリカでしたら、アメリカの民間のシェルターを運営していたり支援をしているNGOなどとの連携や、それから、民間というか、アメリカであればアメリカの弁護士さんたちとの協力関係とか、そういう踏み込んだ協力体制をどういう形でそれぞれの在外公館がとっていくことができるかという点が非常に重要だと思うんです。相談窓口を紹介するというだけで果たしていいのか。相談窓口を紹介されてもなかなかうまくいかないので在外公館に駆け込んできている場合も多いと思うんです。

先ほど泉議員の質問の中でも、ちょっと自殺対策の国内での例の紹介がございましたけれども、今、国内でも、自殺に追い込まれる人たちの対策や、それからもう一つ、仕事につけない人たちの対策、ただ窓口を紹介するだけではなくて、パーソナルサポート、一人一人に寄り添って最後まで見届けるというか、紹介するだけではなくてその人が最後どうなったかというところまできっちりと見届けていく、そういう対応をすることによって国内でも自殺に追い込まれる人たちの数が減っていったり、それから、仕事について自立していく若者への支援の実績が上がっております。

ですから、在外公館に相談が来たとき、単に相談窓口を紹介するとか弁護士さんを依頼するだけではなくて、どれだけ寄り添えるかというところが私は一つキーになるのではないかと思っております。

そこで、先日の法務委員会でも、具体的に、在外公館における邦人保護については現地の支援機関との日常的な関係構築だけではなく、具体的な業務委託と財政支援が必要であるというように考えているという御答弁がございました。その一例として日本語での相談窓口をアジア人女性センター等に総領事から業務委託を開始したとかあるわけですけれども、こういうことが紹介されましたが、一時保護や同行支援についても同様に、それぞれの国のNGOなどとの連携や業務委託などまで踏み込む必要があるのではないかと私は考えるんですが、いかがでしょうか。

あべ大臣政務官

辻元委員にお答えいたします。

本当に、DVの被害に遭われた方、その後のアフターケアというのは非常に重要だということは認識をしているところでございます。

今外務省として現地でどうしているかということでございますが、家庭内暴力の被害者支援、さらには緊急シェルターの運営、カウンセリング、法律相談、裁判支援等を行っている関係団体、専門家の方々と今連携をいたしまして、日本人向けの活動を強化するなどの方策をとっているところでございます。

ニューヨークの総領事におきましては、平成二十三年の十月より、ニューヨークアジア人女性センター、ここと業務委託契約を結びまして、援助及び支援を行っているところでございます。

また、在ロサンゼルス総におきましても、平成二十四年十月よりリトル東京サービスセンター、ここと業務委託契約を結びまして、同様に援助及び支援を行っているところでございます。

またさらに、本年度中には、ほかの在外公館とDV被害者支援団体との契約を締結いたしまして、委託先を拡大することを検討しているところでございまして、その選考の際には、日本人DV被害者の一時保護、また裁判所などの付き添い支援の支援を行うことができる団体を優先することも検討していきたいというふうに思っているところでございます。

辻元委員

もう一つ、今専門家というお話があったんですけれども、いろいろ各国の事情などを調べてみますと、在外公館がその国のDVなどに詳しい弁護士と委託契約をするとか、かなりきめ細かに踏み込んでいるところもあるようなんですが、そういうことは政府としてはお考えになっているんでしょうか。

あべ大臣政務官

辻元委員にお答えいたします。

在外公館における相談対応、また支援体制の強化は非常に重要だというふうに認識をしております。

外務省平成二十五年度予算においては、在外公館による家族法の専門の法律家、弁護士への諮問経費を計上しているところでございまして、特に、在外公館におきましては個別の案件について在留邦人から相談を受ける場合、領事がアドバイスをすることが難しい事案におきまして、領事が家族法の専門の法律家、弁護士などに迅速に相談できる体制を整えているところでございます。

辻元委員

そういうその国の専門家なり外部との協力ということと、それから、在外公館のスタッフの専門性を高める教育。これは、私、先ほど申し上げました、ハーグ条約プロジェクトというのを米国の専門家たちが立ち上げて、そして、米国立司法研究所に、アメリカ人の女性の被害についての対応などのわけですけれども、レポートを読みまして、それぞれの在外公館の果たす役割がいかに大きいか。

いろいろなアメリカのケースも、アメリカの世界じゅうの在外公館に駆け込んでいるわけなんですね。そうすると、外の協力、弁護士さんとかその国の専門家だけではなく、在外公館のスタッフが、例えば一例なんですけれども、ここで紹介されております。

米国大使館が決定的な役割を果たして、彼女、そのアメリカ人の女性が子供を連れて、米国に、DVが認定されて、帰国する手助けをした。その際に、夫からパスポートを隠されたりいろいろなことがあるわけですが、大使館員が中心になって、コーディネーターになって、いろいろな、弁護士さんであったり、それからDVの専門家であったりというところ、それから病院にも付き添って診断書をとったりするところまでコーディネーターのような形で在外公館の担当官が面倒を見ていくというか、寄り添ってサポートしていく。こういう役割を強化していくことが、連れ去る前にというか、このハーグ条約で国内に戻ってきて、そして、探してというか対応する前にこういう手厚い支援をしていくことが、私は一つ大きな、重要なポイントになると思います。

在外公館に出されるスタッフの研修や専門性を高めるということについては、今後どのように対応をさらに強化していこうとされているんでしょうか。

あべ大臣政務官

辻元委員にお答えいたします。

やはりドメスティック・バイオレンスに関しましては、非常に、アセスメント部分、さらには支援体制に関しては、これは日本全体が実はまだまだこの教育部分は足りない部分でもございます。そうすると、チームで一体どのような支援が行えるのかということが私は重要だというふうに思っております。

今、在外公館における相談対応、また支援体制の強化は非常に重要だというふうに認識しておりまして、また、海外の現地事情に詳しくて、DV被害、児童虐待に対応している支援団体と在外公館の間では既に連携を図っているところもありまして、ワーキングチームとして、どのように連携していくかのところは有効に機能しているのではないかと思っているところでもございますが、さらなる強化も必要であるとは思っております。

また、DV、児童虐待の専門家を含むワーキングチームをつくるよりも、むしろ現地のこういう団体と在外公館との間の連携を強化していくということも重要ではないかというふうに思っておりまして、相談者に迅速に団体を紹介できるようにするなどの取り組みを積極的に進めていく。今後とも、さらなる支援体制の強化にも努めてまいりたいというふうに思っております。