辻元委員
民主党の辻元清美です。
私は、きょうは、東電による国会事故調査委員会の調査妨害があったのではないかと言われている問題について質問をしたいと思います。
まず、総理にお伺いします。
総理は、午前中の御答弁の中で、原発の事故のことを問われまして、自民党自身、安全神話に陥っていた、そして、この過ちはずっと背負っていかなければならないというように御答弁されました。その観点から見ましても、この福島第一原発事故の原因について新しい疑念やそしてさらに証言など出てきた場合は、引き続き、しっかりと政府としても事故の原因究明をしていくべき立場であると理解しますが、いかがでしょうか。
安倍内閣総理大臣
事故の原因究明等については、当然、厳正になされなければならないと考えております。
辻元委員
それでは、きょうは東京電力の廣瀬社長に参考人でお越しいただいておりますので、廣瀬社長に質問をいたしたいと思います。
今回、この問題、単に東電の担当者が説明を間違えたという問題だけではなく、それだけでしたらこんな大きな問題にならないと思います。各社、社説にも書きましたし、その背後、どういうところに大きな問題があるから、今このように東電に、虚偽の説明をしたのではないかということを強く言われているのか、その背後にある問題意識をお聞きしたいと思います。いかがですか。
廣瀬参考人
東京電力の廣瀬でございます。
まず、昨日で私どもの事故からちょうど一年十一カ月、間もなく二年を迎えることになります。この間、引き続き皆様に大変御迷惑をおかけしておりますことを、改めまして、この場をおかりしておわび申し上げます。本当に申しわけございませんでした。
今御質問がありました今回の間違った説明に対する背後の要因ということ、これは、今私ども、まずしっかり調査をしていかなければいけないというふうに思っておりまして、できれば社外の専門の方も入れて、しっかりとした検証を得たいということでさせていただいております。
一方、私ども、新生東電として、この間、原子力の事故があって以来、いろいろな改革をこれからしていかなければいけないということで、そうした取り組みも今させていただいているところでございます。
そうしたものをあわせて、そうした悪かった点についてはしっかり直していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
辻元委員
ちょっと私の質問と趣旨の違う御答弁だったと私は思います。
この背後の問題には、二つの大きな問題があると思います。
一つは、国会の事故調査委員会という非常に重い調査の妨害があったのではないかという点が一点目です。
国会の事故調査委員会は、このように言われております。日本及びその政府が国民からの信頼、世界からの信頼を取り戻すために、東京電力あるいは政府という事故の当事者や関係者から独立した調査を、国家の三権の一つである国会のもとで行うために設置されたということなんです。この調査を妨害した可能性があるということで、これが一つ目の問題点です。
そしてもう一つは、地震か津波かということが、皆さん、当時も大きく関心を呼んでおりました。今回の事故は地震の影響か津波の影響かという点にかかわる調査だったわけです。といいますのも、東電は、みずから調査いたしましたが、地震の影響はないという報告書を出しました。そして、政府は、中に入っての調査はせずに、東電のヒアリングで、これも地震の影響はないという報告になっております。
そこで、国会事故調は、現場の労働者のヒアリングの中で、地震直後に水漏れがあった、これが非常用復水器の水漏れではないかということで、国会事故調としては、当事者の政府や東電ではなく、みずから、これはおっしゃっていましたけれども、被曝も覚悟して自分たちも中に入らなければいけないということで、東電に調査の要請をしたということなんです。
ですから、これは国会事故調への妨害ということだけではなくて、今後の安全基準、これは地震の影響があったら安全基準が変わってきます、そして、さらには再稼働の問題にもつながる大きな問題を含んでいるという認識を社長はお持ちですか、どうですか。