辻元委員
社民党の辻元清美です。
本日は、先週行われました二つの国際会議、六月二十五日木曜日にはイタリアでのG8外相会議、それから同日には同じくヨーロッパ、ドイツで、ドイツ外務省主催のクラスター爆弾の破棄に関する国際会議が開かれましたが、この両会議について質問をしたいと思っております。
それに先立ちまして、先ほどから日米の核密約の問題が本委員会でも取り上げられておりますので、中曽根外務大臣にお聞きしたいことがございます。
私は、時代は変わったと思うんです。戦後の混乱期に、日本が敗戦の後、各国とどのような関係を取り結ぶか、日米の関係のかじ取りも非常に難しかったことは、先輩たちのさまざまな御苦難の中で想像がつくところなんですね。
しかし、外交も含めまして、社会も変わりました。その後、我が国では情報公開法もできました。それから、まだアメリカなどが持っておりますさまざまな公文書の解除といいますか公開の原則はできておりませんけれども、情報公開、それから外交の透明性ということも重要になってきております。
それと、もう一つ政治状況が変わったのは、やはり政権交代があり得る政治形態に変わってきているということだと思うんですね。今までのように、ずっと同じ人たちが同じような発想でではなく、いろいろな発想で、政権がかわることにもたえ得る外交や政策を実行していかなきゃいけないという時代に入ってきております。ですから、私は、今回のこの日米核密約問題がその一つの転換点になるのではないか、していかなきゃいけないなというように思うんです。
ですから、何も恥ずかしいこととか、それから歴史上こういうことはあるでしょう。そういうことをきちんと一つの歴史のターニングポイントで前に進めていく。国民の立場に立って、外交だけではありません、いろいろな問題を前に進めていくことが大事で、今、日本はそういう時点に立っているのではないかという観点から総理大臣にお伺いします。(発言する者あり)総理大臣じゃない、中曽根外務大臣に、お父さんのことを、お父さんに聞きましたかとちょっと聞きたいと思っておりましたので。
昔の事務次官の方の御証言なんですが、この件に関して現事務次官に外務大臣は問いただされたのか。
それから、御自身はそんな話は聞いていないとおっしゃっているわけなんですが、普通、私がもしも外務大臣で、自分が知らされていなかったら、自分だけ知らされていないんじゃないかと思って、ずっと歴代の外務大臣に電話でもかけて、こんなこと聞いたか、聞いたかとやると思うんですね。しませんか。(発言する者あり)するよね。それが私は大事なことだと思うんですよ。やはり外交をつかさどっていらっしゃる、特に日米関係というのは重要ですね。ですから、今の事務次官にお聞きになったのか、そして、歴代の外務大臣の方に確認されて、そんなものはないとおっしゃっているのか。
それから、中曽根外務大臣のお父様は、総理大臣をなさっていまして、非常に日米関係にも、当時いろいろな活動をされてまいりました。そういう意味で、中曽根元総理大臣にもお聞きになったのか、お伺いしたいと思います。
中曽根国務大臣
たくさん御質問がありましたので、どういう順番でお答えしたらいいかわからないんですけれども、状況が変わったとまずおっしゃいました。確かに、我が国を取り巻く安全保障環境なりそういうものは大きく変わっていますし、御案内のとおり、北朝鮮の状況はもう申し上げるまでもありません。
外交は透明性が大事というお話もありました。確かに、国民の皆さんの御理解をいただかなければこういう外交もできませんので、そういう意味では一定の透明性も必要ですが、一方で、外交交渉あるいは情報収集の能力とか、相手のこともありますので、これもまた公開できない面があるという点も御理解いただきたいと思います。
本件につきましては、もう再三申し上げておりますように、これは御指摘のような密約は存在しない、そして、このことにつきましては、歴代の総理大臣、外務大臣が、そういうような密約は存在しないということも明確に述べているわけでありまして、次官に聞いたかというお尋ねでありましたけれども、そもそも存在しない密約について次官が私に説明するということはあり得ないわけであります。また、次官自身もそういう文書を見たことがないということでございますので、私も、このような密約はない、そういうふうに思っているところでございます。
また、歴代次官にお聞きしたか、また、私の父である元総理に聞いたかということでありますが、そのようなことは行っておりません。
辻元委員
今、現次官もそういう紙はないと言っているという御発言がありました。現次官に問いただされて、そういうお答えだったんでしょうか。
中曽根国務大臣
これは問いただしたということではなくて、この問題は大変重要な問題でありますから、大臣と次官の間ですから、このことに限らず、日ごろからいろいろな意見交換とか話し合いをしている、そういう中で今申し上げたようなことがあったということでございます。
辻元委員
そうしましたら、この新聞報道は虚偽報道であるということですね。