171-衆-外務委員会-16号 平成21年06月17日
辻元委員
社民党の辻元清美です。
本日は、日本・ウズベキスタン投資協定、日本・ペルー投資協定、そして日本・スペイン社会保障協定、さらに日本・イタリア社会保障協定、四協定の審議で、社民党は賛成の立場です。
投資協定や社会保障協定を結ぶに当たりまして、それぞれの地域との関係、それから、外国人労働者を日本もたくさん受け入れる時代になっております。それぞれの国、例えば日本人が、または日本国籍を持つ者が諸外国で働く場合もありますし、それから外国人の皆さんが日本に来て働く、グローバルな経済の中で日本も非常に変わってまいりました。そういう外国人労働者の問題なども含めまして、この社会保障協定について質問をしたいと思います。
さて、その中で、まず最初に、日本・ウズベキスタンの投資協定についてなんですけれども、一昨日の十五日にも、中国、ロシアと、それから中央アジア四カ国が入った上海協力機構の首脳会議がロシアのエカテリンブルクで行われています。ロシア大統領や胡錦濤国家主席も出席してということになっています。
この中央アジアを含めて、そこにロシア、中国と、非常に戦略的に連携、または、中国とロシアの中ではちょっとした覇権争いみたいなものも見受けるわけなんですけれども、それにしましても、この地域が固まって会議をこの間ずっと続けております。
さてそこで、日本政府としては、この中央アジア四カ国も含めての上海協力機構とはどういうような連携をしているのか。それから、その中で、中央アジア四カ国、非常に地理的にも、後でちょっとアフガニスタンとの関係も伺いたいんですけれども、軍事上も、そして経済上も非常に重要な位置を占めております。
ですから、まず最初に、おとといも会議がありましたので、どういう関係であるかを御説明いただけますか。
伊藤副大臣
御指摘の上海協力機構、SCOは、ロシア、中国及び中央アジア四カ国による地域協力の枠組みなわけでございます。
我が国は加盟国ではありませんが、同機構が中央アジア及びその周辺地域の安定にどのように寄与していくのか、非常に注視しているわけでございます。
この点に関して、本年三月、SCO議長国ロシアが主催し、SCOが後援するアフガニスタン特別会合が開催され、我が国もここに代表団を派遣し、アフガニスタンの安定に向け関係国と意見交換をしております。
我が国が現時点でSCOに提起している問題は特にはありませんが、今後とも、このSCOが透明性を維持しつつ、地域の安定と発展に寄与していくことを期待しているところでございます。
辻元委員
おとといの会議にはインドとパキスタンもオブザーバーで参加していると聞いております。この中央アジア、中国、ロシア、そしてインド、パキスタンというのは、物すごい大きな、ユーラシアの一つの固まりになるわけですね。ここと日本が、やはり同じアジアの国ですから、どう連携をとっていくかというのはとても大事なことだと思うんです。
今までは日米関係、もちろん日米関係は良好であらねばならないと考えておりますけれども、アジアの中で、この日米韓というのと、そして中国、ロシアを初め、中央アジア、そしてインド、パキスタンと。日本は、日米韓、これはずっと連携してやるんだという話だったんですが、やはり私、将来ここが対立してもだめですし、それから、インド、パキスタンという、先ほどから核の問題が出ていますけれども、核をNPTに入らずに保有している、そして、パキスタンは今政情不安になっておりますので、このおととい開かれた会議などに参加している国々と日本がさらにどう連携をとっていくのか、今、現状は御説明いただいたんですけれども、非常に重要な位置にあると思うんですね。
アメリカは割かし、いきなりそこに入りにくいんじゃないかなと。ですから、日本のポジションはとても大事になると思うんですが、いかがでしょうか、大臣。
中曽根国務大臣
上海協力機構には、先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたけれども、我が国も代表団を派遣いたしまして、アフガニスタンの安定に向けて意見交換を行っているわけであります。
中央アジア地域の各国との関係それから日米韓の関係ということでお話がありましたけれども、日米韓はもう従来から、それぞれ、日米また米韓、安全保障の条約を結びながら、安全保障面のみならず、いろいろな面で緊密な関係を有しているわけですが、特に対中央アジア地域という面で考えますと、中央アジアというのは、ユーラシア大陸のまさに中央に位置する地政学上の要衝でもありまして、またエネルギーとか鉱物資源にも恵まれているわけでございます。
したがいまして、この地域の安定と発展というのは国際社会全体の安定にとっても極めて重要でありますが、我が国は、こういう中央アジア各国との二国間の協力の強化に努めるということがまず一つ。
それから、中央アジアプラス日本、こういう対話の枠組みを通じまして、中央アジア各国との対話、交流に努めるとともに、中央アジアの国々が自立的でまた安定した地域として発展するための地域内協力の促進にも努めておりまして、今後とも、このような方針のもと、この地域の諸国との関係発展にも努めたい、そういうふうに考えているところでございます。
辻元委員
この間、この委員会でも、アフガニスタンの問題、何とか出口戦略を見つけてアフガンを和平の方向に持っていくべきだと、前に安保委員会でも、大臣とも大分私も議論してまいりました。
パキスタンが非常に今不安定な状況になっております。そうすると、特に私が心配なのは、アフガニスタンの軍事的な側面、オバマ大統領がどう戦略を変えてくるのか。しかし、日本としては、やはり民生部門、特に人道支援など、空爆もこの間ふえておりまして、これからますます必要になってくると思うんです。しかし、パキスタンの特にトライバルエリアというアフガニスタンと国境を接しているところが今非常に混迷を深めております。そうなると、中央アジアの諸国と連携しながら、北からの人道支援の物資の運搬とか、それから協力関係、そういうことが特に大事になってくると思うんですね。
アメリカは、一たん米軍基地を引き揚げたり、また、オバマ大統領になって、米軍がそこを通行させてほしいというような交渉も始めているようなんですけれども、日本はアフガニスタンに対して、軍事面ではなく民生部門、特に人道支援で中央アジアと連携をしていくというようなリーダーシップをとるべきじゃないかと私は思っております。陸路でしかアフガニスタンは物を運べないんですよ。私たちも支援を今までいろいろしてきたわけですね。
ですから、ぜひそういう働きかけも、投資協定をして経済的な協力、それから私はもう一つ、この中央アジア諸国も含めて上海協力機構といろいろな話し合いをしていただきたいですけれども、環境面ですね、温暖化対策であったり、日本の技術を利用した環境面での協力、それから、アフガニスタンなどに対する人道面での協力というような、多方面の働きかけをしてほしいと思うんです。
大臣、アフガニスタンの和平交渉のリーダーシップをぜひ中曽根大臣にとっていただきたいと私はずっと言っておるわけですが、人道面でも中央アジア諸国と協力して、本当に子供やそれから貧困層の人たちが今苦しんでいますので、リーダーシップをとる話し合いを持ちかけられたらいかがでしょうか。