つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2007年5月17日 安全保障委員会

2007.5.17

議事録

166-衆-安全保障委員会-10号 平成19年05月17日

辻元委員

社民党の辻元清美です。

本日は、三市長、ありがとうございます。

私は、三つの都市を訪問したこともあります。そして、今地方自治体はいろいろな困難を抱えておりますけれども、さらにこの基地問題を抱えているという御苦労は並々ならぬものではないかというふうに思いながら拝聴をいたしました。

そこで、まず岩国の井原市長にお伺いしたいと思います。

私、住民投票の折に岩国に参りました。それは、一体どういうことを岩国の皆さんは考え、行動されるのかなということに非常に関心を持ちました。びっくりしましたのは、若い人から年配の方まで、本当に今までと違う印象を受けました。何かどこかの党派に属しているとかそんなのじゃなくて、本当に普通の市民が、自分たちの問題としてこの基地問題を考えよう。

私は、駅前をうろうろしておりましたら、おばあちゃんがミカンをくれて、遠いところからよう来てくれた、ありがとう、自分たちのこの岩国の問題をみんな、何か見放されているというか、余り関心を持ってくれていないんじゃないかなと思っていたけれども、こうやって他府県からも話を聞きに多くの人たちが来てくれてとてもうれしいという言葉もいただきまして、本当に今までとちょっと違うなという印象を受けたんですね。

さて、そこで、きょうお話をいただきました中で、住民投票や各種選挙を通じて町の将来を真剣に考える気持ちが高まっており、自立の心も確実に芽生えてきている、この後なんですけれども、もはや古い手法は通用しないということに国も早く気づいてほしいというお話がございました。

このもはや古い手法は通用しないという率直な現場からの御意見をもう少し詳しくお伺いしたいと思います。

井原参考人

住民投票のときには、一カ月間の期間でありましたから、正直どこまで市民の意識が高まるのだろうかという心配の中でも、どうしてもやらざるを得ないという判断だったんですけれども、議論をしていくうちにムードがどんどん盛り上がっていって、ある若い方が、これは我々政治をやっている者に対するちょっと皮肉にもなるんですが、これまでは、議員など人を選ぶ選挙であると、何かフィルターをかけたように、選んでも、思った自分たちの意思が伝わらないで行動にあらわれないというようなことがあったけれども、今回は、そういうフィルターなしで、自分が岩国の未来を選択することができる、こんな貴重な機会はないんだ、そういう発言をされて、友達でも何でも首に縄をひっかけてでも引っ張っていくということを言われたり。

それから、びっくりしたのは、高齢者、車いすの方とか障害者の方とか、今までは余り行かなかったけれども今回だけは行きたいとか、あるいは、これは余り言えないことなんですが、遠くへ出ている息子も呼び返すとか、あるいは、遠くに出ている人から家のおばあちゃん、おじいちゃんに電話がかかってきて絶対行ってくれとか。

我々は反省しなきゃいけないんですが、選挙では本当に味わえない、そういう政治に対する参画意識というか、そういうものが物すごく芽生えたというふうに思います。投票が終わって町を歩いていて言われたのは、結果はもちろんですが、本当に投票をやってくれてよかった、ありがとうという言葉をかけられたのに私はびっくりしたというのを今でもよく覚えております。

そういう状況で、多分、その前から私は、とにかく市民の声を大切にして市民の参画できる政治をやっていこうということで意識が高まってきたとは思っていたんですが、やはり住民投票を経験して、さらにそういう、自分たちで町を考えていこうという意識が確実に高まったというふうに思います。

そういう状況の中で、今いろいろなことが起こっているわけですけれども、もちろんそれによっていろいろな議論も出て不安も起こっているんですけれども、いろいろ話をしてみる限りにおいては、お金だとか振興策ということは別問題だ、やはり子供たちの将来を決める大切な課題なんだ、問題なんだ、だから、子供たちの将来に安心、安全が確保できるかどうかということからきちんと議論すべきであって、お金で判断すべき問題じゃないんだという声が依然として根強いというふうに思いますから、その辺をちょっと頭に置きながら、そういう表現を使わせていただいたということであります。

辻元委員

私は、現場で何人かの方とお話ししました折に、非常に深く考えていらっしゃるなということを思いました。

先ほどから日本の安全保障という言葉も出ておりまして、近隣諸国から受ける不安ももちろん考えていらっしゃるし、しかし一方、米軍再編というのは一体何なんだろうと。これは直接岩国で、沖縄でも聞いたことがありますが、結局、基地があったりすると、そこがねらわれるんちゃうか、自分たちを守ってくれると思っているけれども標的になるじゃないか。そして、米軍再編と言われているけれども、イラク戦争が同時進行しておりましたので、やはりイラク戦争に対する不安感とか不信感というものもあって、ただ単に自分のところに騒音とかいろいろな、基地が来てほしくないというだけじゃなくて、もうちょっと広い視野で、今の世界とか、それからアメリカのあり方というようなところまでも割合議論したり考える、勉強してみようというような動きもあったと思うんですね。

さて、そこで、しかし実際に住民の皆さんは、きょうも非常に負担があるということも伺いました。今、皆さんの共通した中に騒音ということがございまして、先ほど宜野湾の報告は受けたんですけれども、千歳、岩国で、先ほど市長も、騒音、だれもが快く受け入れられない、不安を払拭するのは難しいというお話がございました。そして、岩国の市長からも、騒音に悩まされ、身近な家族や友人が犯罪や事故に苦しみと、騒音がやはり一番なんですね。

先ほど宜野湾の実態はちょっと伺いましたので、あとお二人の市長に騒音の実態ということを伺いたいと思います。

山口参考人

お答えいたします。

現在におきます騒音は、国の方の対策も進んでおりまして、例えば、学校で勉強して先生の声が聞こえないというようなことはありません。私が子供のころは全然聞こえませんで、テレビも見られませんでしたが、今はそういう状況にはありません。

しかし、私の町は今人口九万二千ですが、年間で人口がふえている数少ない北海道の町であります。したがいまして、十年ぐらいで人口が入れかわるぐらいに人口がふえておりますので、新しい市民が多い。新しい市民の方は、現在の騒音、昔の私たちは大した騒音でないと思っていますが、新しい市民はびっくりされるぐらいの騒音になっております。でありますから、その騒音から受ける煩わしさと、それから、それが生活の将来に対する不安につながってくるという現実があります。ですから、騒音問題というのはかなり大きな問題であります。

数字で申し上げますと、今二万一千回の訓練飛行が行われていますが、今回、タイプ1、タイプ2で約千九百回の加重がされることになっています。民間も受けておりますから、民間では大体十四万四千回の飛行がされておりますから、全体でいくとそれほどの量ではありませんが、訓練回数でいくと約一割の騒音の加重がある、このように市民には説明しております。

井原参考人

具体的なデータまでは今用意していませんので具体的なお話はできないわけでありますが、やはり基地から生ずる負担の中では、騒音というのは日常的なものでありますから、やはり一番気になるというか問題が大きいものだろうというふうに思います。岩国は一方は海に面しているということでありますが、住宅地、工場地帯とも近接をしているわけでありまして、私のいる市役所もそれほど遠くないところにありますから、我々、日常的にその騒音には悩まされている。

ただ、私もずっと育っていますから、岩国の人は今の騒音にだんだんならされているというか、余り気にしなくなっているところはあるんですけれども、例えば、よそから来た方がその場に居合わせると本当にびっくりしてしまって、子供たちはおびえてしまうというような状況も何度も聞かされているところであります。

現在は、特に工場地帯がありますから急旋回をするということで、さらにその騒音が広がっているということがあるだろうと思います。今度、沖合移設を一キロするので、その部分は若干緩和されるだろうというふうに思いますが、沖合移設することによって真っすぐ離着陸が延びていくことになりますから、騒音の区域がまた周辺にも広がっていくということもあるだろうと思います。

それから、我々はよく気がつかなかったことなんですが、通常は海の上を飛ぶと言われているんですが、道路があるわけではないので、コースを外れて住宅の真上を飛ぶということがどうもよくあるようであります。私も何度か体験をさせていただいている状況であります。