165-衆-日本国憲法に関する調査…-5号 平成18年12月12日
辻元小委員
きょうは、皆さん、お越しいただきまして、貴重な御意見をありがとうございました。
その中で、広報協議会の構成につきまして、日本放送協会の石村参考人、それから毎日新聞の近藤参考人、そして日弁連の吉岡参考人の方から、外部の有識者などから成る専門部会の設置を検討したらどうか、それから外部委員も入れた方がいいのではないかというような御提案をいただいております。
きょうも外部から皆さんの御意見を伺いまして非常に参考になっているわけなんですけれども、何か具体的なイメージをお持ちでしたら補足をしていただきたい、御意見を伺いたいというのが一点目。
それから二点目は、毎日新聞の近藤参考人の方から、CMに関しまして、広告を出す側も自主的ルールを考えてみたらどうかという御発言が先ほどありました。
これは、新しい視点ではないかと私の方は受け取りました。といいますのも、この間、皆さん御指摘の資金量の多寡による問題ということが多くの方から指摘されているわけなんですけれども、テレビでのCMの場合、広告を制作する段階からお金が大分かかるんですね。この前も指摘したんですけれども、例えば有名タレントとかスポーツ選手とか、何千万とか一億円とかのギャラを払って広告なんかに出る場合があるわけなんですけれども、そういう制作にも資金量の多寡というのが影響してくるという点もあると思うんです。
ですから、メディアの側が賛否平等、偏らないようにという規制と同時に、では、つくる側もどうなんだというところは本委員会でも指摘が出ておりましたので、その点も踏まえて、もう少し追加で御意見をいただきたいと思います。
それから、もう一つ。日弁連の吉岡参考人の方から、これはメディア関係ではないんですけれども、国民投票運動の規制ということで、公務員や教育者への規制の御発言がありました。これは、意見表明や活動を萎縮させる現実的危険性を持つということで反対であるという表明だったんですが、そこで、追加でお伺いしたいのは、国家公務員法及びそれに基づく人事院規則などがございますけれども、これについてはどうお考えか。
今、本委員会では、民主党の提案者の皆さんはこのようにおっしゃっています。国民投票運動においては、現在、国家公務員法及びそれに基づく人事院規則において国家公務員に禁止されている政治的行為とはなされないという御発言もあったわけです。与党の方はここはまだ原案、規制が残っているという状態なんですけれども、国家公務員法及びそれに基づく人事院規則の適用についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。私は適用すべきではないと思っておりますが、御意見を伺いたいと思います。
以上です。
石村参考人
広報協議会にいろいろな分野の方々を入れてやった方がいいというのは、私、基本的にはそう思っています。
ただ、具体的なイメージとしてどういうことが考えられるかなというところになると、ちょっと私も知恵が余りないんですが、例えば憲法のいろいろな説明資料等についても、国会の中で設置されるということなら、かなり斬新な発想をお持ちの民間の方のいろいろな知恵なんかも入れてつくれるような体制をつくった方がいいのじゃないかなという気がいたします。
余りイメージはわきませんけれども、例えば、漫画の入った文書とかそういうことだっていいだろうし、動画で何かつくるならアニメで簡単につくるとかそういう方法もあるでしょうし、そういうのを知恵を出せる分野の人たちをどんどん入れてやっていったらどうかな。そういう意味では、皆さん方の知恵にさらに新しい知恵を加えた方がもっとわかりやすく国民に説明できるんじゃないか、そのように考えております。
近藤参考人
私は辻元委員から二つ御質問をいただいているわけですが、まず一つは、広報協議会の構成で外部の有識者を入れた方がいいという意見を述べたら、その具体的なイメージはどういうものかということです。
私個人としては、やはり第三者機関、つまり国会の外に置いた方がいいという意見を持っていますが、そうしますと例えば広報の権威というものがなくなるのでしたら国会内に置くのもやむを得ないという考え方でして、国会内に置くのでしたら、当然、衆参の国会議員は入るんでしょうけれども、最低限の条件として外部の有識者委員を入れるべきだ、こういう二段階の考え方ですね。具体的にどういう方を入れるかというのは、ちょっと今はイメージしておりません。
それから、二番目の御質問ですが、広告を受ける側だけの自主ルールではなくて広告を出す側も自主ルールをつくるべきだということを申し述べましたけれども、私がイメージしているのは、例えば日本経団連だとか、その他お金をいっぱい持っている団体が、投票日直前というか集中的に有料CMをいっぱい流すということを避けるためには、例えば出す側の団体も、一日に一本であるというような総量規制の枠をはめた方がより平等が保てるのではないか、そういうイメージで申し上げているわけです。
もちろん、広告を受ける側も自主的ルールは、多分日本新聞協会でこれから議論が煮詰まっていったら検討することになるんだというふうに僕は予測しておりますけれども、受ける側だけではなく出す側も何か総量規制のようなものが必要ではないかというふうに考えております。
吉岡参考人
まず、広報協議会の外部委員の点です。
具体的にどなたという、もちろんあるわけではないんですけれども、この役割が、要するに国民にわかりやすく広報するという面がまずあります。ですから、先ほども出ましたように、そのために、そういうようなことにたけた方ということもあるかもしれない。
それからもう一つは、やはり公平公正に、客観的に報道する、国民に知らせるという面でも、もちろん国会議員の方も良識を持ってきちんとできるとは思うんですけれども、やはり、それぞれが賛成か反対かを担って委員になっている部分もあるわけでしょうから、そこに客観的、中立的にできる立場の委員というのも必要ではないかな、こういうイメージで考えております。
それから、もう一つの公務員の方の関係につきましては、菅沼参考人の方からお答えいたします。
菅沼参考人
この問題は日弁連として公式にお答えはちょっとできないので、若干私見が入ると思いますけれども、国家公務員法や人事院規則の解釈についてもかなり広い狭い、いろいろ解釈の幅があるかと思うので、こういう憲法改正についての意見表明がそもそも当たるのかどうかというところの議論もあろうかと思うんですね。それから、国家公務員法だけではなくて地方公務員法でも類似の規定があるわけですので、その辺をどう考えるか。
それで、ちょっと私見になっちゃいますが、これは入らないだろうという、入らないというのは政治的行為とは別物であると考えられますけれども、これを仮に立法するときにはその辺の議論もきちんとされた上で規定を置いていただいた方がというのは、要するに、国家公務員法に抵触するけれども今回の法律で入れないというふうにやるのか、そもそもこういうものは国家公務員法の政治的行為にはならないけれども注意的に規定をするのかというその辺の議論もされた上で規定を置いていただいた方がよろしいかなと思います。
結論的には、政治的行為とは別だというふうに考えています。