164-衆-日本国憲法に関する調査…-12号 2006年06月01日
辻元委員
社会民主党・市民連合の辻元清美です。
きょうは、天野参考人、山田参考人、どうもありがとうございます。
幾つかお伺いしたいんですが、先ほど例に出していただきました社民党のCMは、このような中身だったんです。あれはちょうど小泉総理が総理大臣に就任した直後の参議院選挙で、熱狂的な純ちゃんブームが起こっていたときに、キャッチコピーはたしかこうでした、「本当に怖いことは、最初、人気者の顔をしてやってくる」というキャッチコピーが引っかかりました。別にどなたかの人物の顔が映っているわけでもなく、ただ白い手袋をはめた手がたくさんの人と握手しているという光景を映しながら、このキャッチコピーが静かに流れたわけです。これが引っかかって、ほとんどの主要なキー局といいますか、放送していただけなかったんですね。
もう一つ、社民党でヒットした広告もございました。それは、その前の選挙のときに、これで躍進したんです。躍進といってもうちの場合は議席でいったらちょっとなんですけれども、躍進しました。それは、土井たか子さんが駄菓子屋のおばさんの格好をしていて、そして、若い女の子が、おばさん、かえてよかえてよ、あめをかえてよと言うんですよ、土井さんがばっと後ろを向いて、変えられないわよと言って、変えません憲法九条、社民党というものだったんですね。これはかなり取り上げられたCMでした。こちらは放送されたんです。
山田参考人にお伺いしたいんですが、別にうちが放送されなかったから文句を言うわけではないんですけれども、基準が明確ではないように私は思ったんですね。ですから、特にそういう政治や意見についての基準のポイントというのをもう一度聞かせていただきたいなというように思います。
山田参考人
明確な基準、それぞれが一つ一つの作品ですから、ここからここへ線を引くということはできないというふうに思うんです。
例えばこれがイエスなのかノーなのかということは、その時代、そのときの社会の雰囲気とか、いろいろなものにジャッジする我々自身も影響されているところはあるというふうに思います。ですから、CMについて、政治についてという項目がきちっとあって、いろいろな言い方がしております。ですから、それはいろいろなとらえ方ができるというふうに思います。その条文の放送基準のとらえ方でも、全く意見が違う場合もあるというふうに思います。これを、これはだめということをもっと明確にしていくと、もっと窮屈な表現になっていくと思いますので、なるべくそれは、表現というものは自由にできる中で、その時々にみんなが判断していくべきものだというふうに思っております。
そのCMが、私は見ていないので、今、ああ、それはいいじゃないですかとか、それはだめですよというのはよくわからないんですけれども。
〔委員長退席、愛知委員長代理着席〕
辻元委員
具体的に、今どのような基準であるのかとか現状をもう少し山田参考人にお伺いしたいんですが、現状で、テレビでCMとして取り扱いされている意見広告と言われる事例というのはあるんでしょうか。この数年で結構です。いかがでしょうか。
山田参考人
意見広告というものは、政党の日常の活動を伝えるということで選挙のときなどにやられますものは意見広告の中に入っております。それから、例えば公共広告機構というのがありまして、それがいろいろと環境をどうしようとかそういうことをCMにして流している。これは意見広告だというふうに思いますけれども、いわゆる政治的な意見広告というのは、私の知る限りは、選挙時の政党の広告が現実にかかっているだけではないかというふうに思っています。ですから、今後、国民投票の意見広告というのは、全く新しいジャンルというか新しいカテゴリーに入ってくるんではないかなというふうに思っております。
辻元委員
ということは、今の現状では、一般の団体、グループとか企業などが何か商品を販売するなどの広告以外で自分たちの主張を、例えば今の段階はまだ議論の、実際的な実質的な国民投票をするとも何とも決まっていなくて、法案すら通っていませんし、私たちは法案制定に反対しておりますけれども、通るかどうかもわかりません。例えば今私たちは憲法を守りたいというような意見広告または私たちは憲法は変えるべきだというような御主張の意見広告が各種団体からテレビ局の方に作成して放送をということになると、今の現状の基準からいえば、先ほどおっしゃった政党とか政府の広告、まあ、公共広告みたいなものは受け入れているけれども、それ以外は現状ではないということですので、それは基準として受けないことにしているのか、それとも持ってこられたら意見広告も基準の対象にして現状でも取り扱うのか、門戸を開いていらっしゃるのか、どちらでしょうか。