つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年3月16日 日本国憲法調査特別委員会

2006.3.16

議事録

164-衆-日本国憲法に関する調査…-4号 2006年03月16日

辻元委員

社会民主党・市民連合の辻元清美です。

きょうは、お二人、斉藤さんに特にいろいろお聞きしたいことがあります。

特に憲法を議論するということは、私たち、非常に重い議論を、憲法にまつわる重い議論をしているんだなということを実感したことが先週ございました。それは、ある沖縄の方とお話をしておりまして、沖縄のある方が、無憲法状態に自分たちは生きてきた時代があったと。憲法がない状況でどれだけ人々の権利や人権が侵害されてきたかということを体験した中で、権力を憲法というのはきちっとチェックし縛るという性質がありますので、日本国憲法ができたときに沖縄の人たちは本当に心からうれしかったし、それから、どの範囲で権力が行使できるのかという、範囲をきちっと決めた憲法の役割というのを自分の人生と重ね合わせて実感を込めて語られたんですね。私は、そういう憲法を変える場合の手続法というのは、やはりそういう歴史を踏まえたきちんとした議論と、多くの人たちの声が反映されるべきものであると考えています。

そこで、まずお伺いしたいんですけれども、先ほど笠井委員の方からNHKの世論調査の結果が発言の中にございました。私もこれに着目していまして、どの程度国民投票法案を知っているかという調査で、「よく知っている」が三%しかなかった、そして、「あまり知らない」と「まったく知らない」が六六%だった、「ある程度知っている」というのが二四%。「ある程度知っている」、「よく知っている」人のこの二七%の人に聞きまして、どういう形での成立を望むかという質問では、じっくり時間をかけて議論すべきが六〇%。それから、今の憲法を改正する必要はないので法案は必要ないが一六%、多分、社民や共産の立場はここだと思うんですけれども。これは今の実態をあらわしている数字だなというふうに、私もちょっと実感を持ってお聞きしていたんですね。

こういう状況を踏まえて、この数字についてどのように率直にお考えになるかということ。それから、なぜ国民的な関心が低いんでしょうね。どのような理由があるとお考えでしょうか。

斉藤(鉄)委員

ありがとうございます。

辻元さん、最初に沖縄の方のお話をされて、私も広島でございます、超党派で御一緒に在外被爆者の問題も取り組まさせていただいております。そういう意味で、私もこの憲法に対して強い思いを抱いておりますので、その憲法を改正する手続ということの意味の大きさについては私も十分認識をして、一緒に議論をさせていただいているということを最初に申し述べさせていただきます。

それから、先ほど世論調査の数字を引かれました。非常に関心が、知っているという人の数が少ないということでございまして、だからこそ大いに、この憲法調査会、また、具体的な論点についての真剣な議論は理事会でやりましょうということになっているわけですけれども、この議論を盛り上げていって、国民の皆さんに知っていただきたいし、また議論も深めていきたい、このように思っております。

先日、大阪で公開討論会をやって、笠井委員も辻元委員も一緒に行きましたが、その後の、皆さんどう思ったかというアンケートがこちらに寄せられまして、非常によくわかった、理解できた、今後こういう議論を本当に幅広くしていけば憲法改正についての国民の理解も深まるのではないかというふうな御意見もございました。

一緒に努力をしていきたいと思います。

辻元委員

今、ここでの議論も盛り上げてという御発言もありました。ここでの議論はある意味盛り上がっているというか、盛り上がれば盛り上がるほど国民はクールに見ているという側面もあるんじゃないかなというのが、やはり慎重に時間をかけて、大事なことだからじっくり議論してほしいというのが数字にあらわれているのではないかと思うんです。

その意味を考えますと、私は、一つは時代状況に対する一般の方々の認識というものが挙げられるんじゃないかと思うんですね。特に日本の憲法の成り立ちというのは、歴史的に戦争の歴史を背負っておりますので、無視できない中で、一つはアジアとの関係がぎくしゃくしている時期である。それから、米軍再編をめぐっても、岩国の住民投票などもありましたけれども、日米の軍事的一体化が進んでいくんじゃないかという懸念を持っていらっしゃる方もいらっしゃると思います。

ですから、単に関心が薄いというよりも、非常に賢明に今の時代状況を見て、日本の子供や孫の時代まで考えたときに、ここは一つの時代の曲がり角ではないかという危機感とともに慎重な議論をという意見が多いのではないかと思うんですが、斉藤さん、いかがでしょうか。

斉藤(鉄)委員

この憲法改正の議論を慎重にという御意見については、拙速にやっていいという方は一人もいない、このように思います。

しかし、議論というのは、ただだらだらやっていればいい議論ができるかということも真実ではなく、ある程度詰めて、集中して真剣に議論するということも、結果としていいものを得るときには必要なのではないか、このように考えております。

辻元委員

そういう中で、「憲法のひろば」というのがございまして、先日、この委員会の理事とオブザーバーの皆さんに、憲法調査会以来七年間さまざまな意見が寄せられている、その直近一年間にどういう意見が寄せられているかというものが配られました。これは国会への意見ということになるかと思うんですが、八カ月で百五十四件。一カ月十九件しかないんですね、残念ながら。百五十四件のうち、国民投票についての意見は十七件だったんです、制度について。十七件とも慎重審議という意見だった。

だらだらと議論というわけではありませんけれども、この乖離ですよね。私たちが考えなければいけないのは、ここで、私たちは官僚じゃありません、官僚ですとさっさと議論して、一括か個別かとか、技術的にはどうだとか、公選法との関係でとやっていればいいわけですけれども、政治の場で、いつ、どういうタイミングで、どういうプロセスを経て法案を成立させるのかとか、議論をどういう形でやっていくのかというのは、非常に政治にとっては重要なことだと思う。その中で、この憲法にまつわる議論というのは、余りにも外との乖離があるんじゃないかという懸念を持っているわけです。

ですから、そういう意味で、私は、もっと外の声を聞く、そのための工夫をどうすればいいかとか、多くの方々の声をどうやって吸い上げればいいかというようなことに特化した集中審議をするとか、各党から提案を出すとか、そういう議論も広く、テクニカルな話にちょっと偏っているように思いますので、時間をとってしっかりやっていったらいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。