164-衆-予算委員会-7号 2006年02月08日
辻元委員
社会民主党・市民連合の辻元清美です。
四年ぶりに小泉総理大臣と議論をさせていただきます。ですから、きょうはヒートアップせずに冷静にやっていけたらいいなと思います。テーマは、小泉総理大臣の靖国参拝問題です。
まず最初に、ちょっと事実関係を確認させていただきたいと思います。
総理は、一九七二年、今から三十四年前に衆議院議員に当選されてから、厚生大臣に二回なっていらっしゃいます。そのとき、総理大臣になるまでには、八九年の四月と九七年の八月の二回、厚生大臣のときに靖国神社を参拝されております。
そこでお聞きしたいんですけれども、二〇〇一年、要するに総理大臣になられるまで、厚生大臣のとき参拝された以外はどうされていたんでしょう。
小泉内閣総理大臣
よく地元の皆さんと靖国神社に参拝しておりましたし、何回か回数は覚えておりませんね。地元の皆さんが東京に来られる、靖国神社に行くということで、日にちも決まったわけではありませんし、毎年、いつ行くかも今は記憶は定かではありませんが、何回か行っております。
辻元委員
私は、総理が総裁選に出られたとき、はっきり覚えているんですけれども、八月十五日に靖国神社を参拝するということを公言されました。ですから、てっきり、それまでも毎年八月十五日に参拝されているのかなというように思っていたわけですけれども、そうではなかったわけですね。
小泉内閣総理大臣
八月十五日に毎年行っていたかどうかは覚えておりません。行かないときもあったでしょうし、行ったときもあったと思います。
辻元委員
はい、わかりました。
さて、それを前提にしまして、次に、先日総理は、一月二十五日の参議院の本会議でこうおっしゃっています。アジア諸国において中国、韓国以外に私の靖国参拝を批判する国はどこにもない、どこの首相も参拝を批判したことはないと発言されているんですけれども、私はちょっと認識違いじゃないかなというふうに思います。
例えば、昨年の五月の十八日、シンガポールのリー・シェンロン首相が訪日前記者会見されまして、こういうことをおっしゃっているんですね。「シンガポール人を含む多くの人にとって、靖国参拝は日本が戦時中に悪い事をしたという責任を受け入れていないことの表明、と受け取れる」と。これは日本でも報道されました。私は、これは批判と受けとめます。
きょうの新聞でも、これも同じシンガポールの前首相、総理も御存じだと思いますけれども、ゴー・チョクトン、今は上級大臣が、アジア太平洋円卓会議で、小泉首相の参拝を中止するよう強く求めた、そして、この件に関しては日本は外交的に孤立しているという指摘がされたという報道もきょう出ておりました。
私は、もしも総理が中国、韓国以外は批判していないじゃないかという御認識をお持ちであるんだったら、ちょっと国際情勢を読み誤っていらっしゃると思うんですが、いかがですか。