本日は、電気事業法改正、いわゆる電力システム改革について、さまざまな参考人の皆様の御意見も参考にしながら御質問させていただきたいと思います。
電力システムを改革する際の最も重要な目的、これは、公平な競争環境が担保され、ひいては新しい経済システムの構築につながり、さらに、消費者にとって選択肢の拡大と合理的な電気料金の提供による環境や生活面での向上が見込まれる電力市場環境になることである、参考人の皆さんの御意見を集約いたしまして、私はこのように考えております。
さて、そこで、一番最初の公平な競争環境の担保。本日の参考人の皆様の御意見の中にも、この中で特にポイントとなりましたのが、非対称規制についてどうするべきかという点と、独立した規制機関というものの必要性について、きょうの参考人からもたくさん意見が出ました。
まず最初に、非対称規制について、基本的な認識を大臣にお聞きしたいと思います。
公正な競争環境の担保のためには、適切なとあえて申し上げますが、適切な非対称規制が必要であるという認識でよろしいでしょうか。
茂木国務大臣
言葉の定義は別といたしまして、競争環境が整うということは、競争条件が同じになっていく、そのために必要な施策はとっていくつもりでおります。
辻元委員
そうしましたら、政府にお伺いしますが、いわゆる非対称規制として今どのようなメニューをお考えになっているか、また、一部自由化されておりますが実施されているか、お答えください。
高橋政府参考人
お答え申し上げます。
非対称規制と呼ぶかどうかということは別にいたしまして、今回御提案申し上げている電気事業法の改正案につきまして申し上げますと、適正な競争環境が整うまでは、既存の電力会社に対する規制料金を継続するということをまず講じてございます。
また、既存の電力会社が余剰電力を卸電力市場に供出するということにつきましては、これは国として促しているという措置を講じてございます。
こういった取り組みが着実に実施されるよう、今回の法案では卸電力取引所を法定化し、経済産業大臣が取引所に対して報告徴収等を行うように手当てをしたところでございます。
辻元委員
今、二点おっしゃいました。一つは卸電力市場、それから料金の規制。そうしましたら、この二つについて現状の確認をさせていただきたいと思います。
まず最初に、卸電力市場活性化の現状について。
これは、本委員会の四月二十五日の答弁で、一般電気事業者が余剰電力を卸電力市場へ売電する取り組みを開始しておりまして、その状況をモニタリングしております、その結果、売りの入札量は前年と比較して約五倍程度、それから約定量は一・五倍程度にそれぞれ拡大をしてございますという答弁です。
ここでお聞きしたいんですが、売りの入札は約五倍なんですけれども、約定量がわずか一・五倍ということ。これはなかなかうまくいっているとは言いがたい状況ではないかと思うんですが、この理由はどういうところにあると認識しておられますか。
高橋政府参考人
お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、卸電力市場への取引でございますけれども、スポット市場への売り入札量は前年と比較して五倍程度、それから約定量は一・五倍程度と拡大してございます。
売りの入札量が五倍にふえている一方で、約定量が一・五倍にとどまっているという理由でございます。これはさまざまな要因があるところでございますけれども、一番大きい理由といたしましては、やはり、一般電気事業者が自社の小売供給に用いる電源として安価な電源を使っていく、逆にその余剰の部分は比較的高い電源というものになるということでございますので、その結果、買い手の求める価格水準に合致しないことがあり、取引が成立しないということが一番大きいのではないかと考えてございます。