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刑事訴訟法第二百三十九条第二項「公務員の告発義務」に関する質問主意書

2020.6.12

質問主意書

本日6/12、下記の質問主意書を提出しました。

 

刑事訴訟法第二百三十九条第二項「公務員の告発義務」に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

令和二年六月十二日

提出者  辻 元 清 美

衆議院議長 大 島 理 森 殿

 

刑事訴訟法第二百三十九条第二項「公務員の告発義務」に関する質問主意書

二〇二〇年六月九日の予算委員会質疑で森法務大臣は、賭けマージャンについて「刑法の賭博罪が成立し得る」と答弁している。
令和二年五月二十一日法務省作成の「黒川弘務東京高等検察庁検事長に関する記事についての調査結果」には、黒川弘務前検事長が「金銭を賭けて麻雀を行っていた事実が認められた。」「いわゆる点ピン(千点を百円換算とするもの)と呼ばれるレートで行われていたものであり、参加した者の間で、一万円から二万円程度の現金のやり取りがなされていた。」とする調査結果が記載されている。また令和二年五月二十一日法務省作成の「黒川弘務東京高等検察庁検事長の職責についての検討結果」には、「東京都内において、それぞれ、記者A、記者B及び記者Cと金銭を賭けた麻雀を行ったものである。」「黒川検事長による前記行為は、誠に不適切であったと認められる。」とも記されている。上記二枚の文書については、政務三役に加え、事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長の決裁印が押されている。
刑事訴訟法第二百三十九条第二項によれば「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」となっている。
黒川氏について調査した法務省の職員は、犯罪があることを認識したのだから、刑事訴訟法第二百三十九条第二項により、告発をしなければならない職務上の義務を負う。
以下質問する。

 

一 刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定について

1 過去の政府見解では「これは一般的な規定になりますが、委員御案内のとおり、刑訴法の二百三十九条というものがございます。刑訴法二百三十九条には、個々の隊員についてでございますけれども、これは『官吏又は公吏』という書き方をしてございますが、これは自衛官にも当てはめて考えることができるわけでございますが、個々の隊員については、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発を行う義務というものが課されておるわけでございます。これは義務規定でございます。」(石破大臣、衆議院武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会、平成十六年五月十二日)となっている。刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定は義務規定であるという政府見解に変わりはないか。

2 過去の政府見解では「一般論として申し上げさせていただきますと、正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るものと考えております。」(河村政府参考人、衆議院内閣委員会、平成十七年二月二十三日)となっている。この政府見解に変わりはないか。

3 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長は刑事訴訟法第二百三十九条第二項「官吏又は公吏」に該当するか。該当しないのであれば、その根拠を示されたい。

4 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長、および検事総長は刑事訴訟法第二百三十九条第二項「その職務を行うことにより犯罪があると思料するとき」は、告発義務を負うか。

5 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長が正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るか。

 

二 黒川前検事長が賭けマージャンにより訓告処分を受けた案件(以下「本件」とする)について

1 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長は刑事訴訟法第二百三十九条第二項にのっとり黒川前検事長を告発した事実はあるか。

2 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長は本件について告発義務を負うか。負わないのであれば、その根拠を示されたい。

3 法務省事務次官、官房長、秘書課長、人事課長、刑事局長、総務課長は本件について告発を行わない場合に懲戒処分の対象となり得るか。なり得ない場合は「正当な理由」を示されたい。

 

右質問する。