平成二十九年六月二日受領
答弁第三三五号
内閣衆質一九三第三三五号
平成二十九年六月二日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員辻元清美君提出民泊及び違法民泊に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出民泊及び違法民泊に関する質問に対する答弁書
問一の1について
厚生労働省が平成二十八年に都道府県等を通じて実施した「旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査」(以下「厚生労働省調査」という。)によると、直近三年間において都道府県等に寄せられた民泊サービスに関する近隣住民、宿泊者等からの苦情等の件数は、平成二十五年度は三十四件、平成二十六年度は五十四件、平成二十七年度は四百八十二件である。具体的な苦情の内容については、主に騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等であると都道府県等から聞いている。
問一の2について
お尋ねの「摘発や賠償命令が下された「違法民泊」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省調査によると、直近三年間において、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条第一項の許可(以下「旅館業の許可」という。)を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業を行った事案の件数は、平成二十五年度は六十二件、平成二十六年度は百三十一件、平成二十七年度は千四百十三件である。
問一の3について
近年、安価に日本のライフスタイルを体感できるものとして住宅に宿泊することを希望する訪日外国人旅行者が急増していること、宿泊者と住宅の所有者等をインターネット上でマッチングするビジネスが我が国でも急速に普及していること等から、民泊サービスへの需要が増大しているところである。一方、住宅において人を宿泊させるという民泊サービスの性質に着目したルールの整備が必ずしも十分でないこと等から、騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等のトラブルが増加するとともに、旅館業の許可を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業が増加しているものと考えている。
問一の4について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業の許可を受けないで住宅宿泊事業を営むことができることとされているが、お尋ねの「現在の違法民泊施設のうち」「何件が「合法」になると考えているか」については、具体的にお答えすることは困難である。
問一の5について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案は、宿泊需給のひっ迫状況への対応、多様化する宿泊ニーズへの対応等を図るため、地方を含め民泊サービスの普及を推進しようとするものであり、「地方の観光客を奪うことにつながりかねない」との御指摘は当たらないものと考えている。また、地方の観光促進策については、広域観光周遊ルートの形成や観光圏の整備を推進するとともに、旅館、ホテル等のホームページの多言語化やWi-Fi環境整備等の宿泊者の受入環境整備のための支援を実施しているところである。
問二の1について
お尋ねの「パリ市内のアパート供給量の低下、賃料高騰」については把握しておらず、「住環境悪化」についてはその意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
問二の2について
パリ同時多発テロについては、フランス当局による捜査が継続中であると承知しており、政府としてコメントすることは差し控えたい。
問二の3について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊事業について届出制を導入し、届出に係る住宅の所在等を把握できるようにするとともに、住宅宿泊事業者に対して宿泊者名簿の備付けを義務付け、宿泊者を把握できるようにしている。また、住宅宿泊事業者に対して立入検査、業務停止命令等を行うことができる規定や所要の罰則を設けることにより、住宅宿泊事業の適正な運営を確保することとしている。
問三の1及び2について
お尋ねの「プラットフォーム提供事業者」が具体的にどのような者を指すのか必ずしも明らかではないが、観光庁において把握しているところでは、民泊サービスの提供に係る契約の締結の代理等を行っている事業者の数は十程度であり、直近三年間において行政から摘発又は指導を受けた事業者は存在しない。また、お尋ねの「紹介物件」の数については、集計を行っていないため、お答えすることは困難である。
問三の3について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊仲介業について登録制を導入し、住宅宿泊仲介業者に対して、宿泊者への契約内容の説明等を義務付けるとともに、立入検査、業務停止命令等を行うことができることとするほか、所要の罰則を設けることとしている。なお、同法案においては、住宅宿泊事業者は、宿泊サービスの提供に係る契約の締結の代理等を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者等に委託しなければならないこととしており、無登録で住宅宿泊仲介業を営む者の出現の防止を図ることとしている。
問四の1及び2について
お尋ねの「中小のホテル・旅館の平均稼働率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、観光庁が実施した「宿泊旅行統計調査」によると、直近三年間の全国の客室稼働率は、旅館については、平成二十六年は三十五・二パーセント、平成二十七年は三十七・〇パーセント、平成二十八年は三十七・九パーセントであり、リゾートホテルについては、平成二十六年は五十四・〇パーセント、平成二十七年は五十六・〇パーセント、平成二十八年は五十七・三パーセントであり、ビジネスホテルについては、平成二十六年は七十二・一パーセント、平成二十七年は七十四・二パーセント、平成二十八年は七十四・四パーセントであり、シティホテルについては、平成二十六年は七十七・三パーセント、平成二十七年は七十九・二パーセント、平成二十八年は七十八・七パーセントである。
また、旅館、ホテル等の平均客室稼働率の推移を事前に予測することは困難であるため、推移の予測についてのお尋ねにお答えすることは困難である。
問五について
御指摘の各種事業者団体等の意見については、報道等により承知している。
政府としては、今国会に提出している住宅宿泊事業法案の適切な運用を通じて、住宅宿泊事業の適正な運営が確保されるよう取り組んでまいりたい。
答弁第三三五号
内閣衆質一九三第三三五号
平成二十九年六月二日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員辻元清美君提出民泊及び違法民泊に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出民泊及び違法民泊に関する質問に対する答弁書
問一の1について
厚生労働省が平成二十八年に都道府県等を通じて実施した「旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査」(以下「厚生労働省調査」という。)によると、直近三年間において都道府県等に寄せられた民泊サービスに関する近隣住民、宿泊者等からの苦情等の件数は、平成二十五年度は三十四件、平成二十六年度は五十四件、平成二十七年度は四百八十二件である。具体的な苦情の内容については、主に騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等であると都道府県等から聞いている。
問一の2について
お尋ねの「摘発や賠償命令が下された「違法民泊」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省調査によると、直近三年間において、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条第一項の許可(以下「旅館業の許可」という。)を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業を行った事案の件数は、平成二十五年度は六十二件、平成二十六年度は百三十一件、平成二十七年度は千四百十三件である。
問一の3について
近年、安価に日本のライフスタイルを体感できるものとして住宅に宿泊することを希望する訪日外国人旅行者が急増していること、宿泊者と住宅の所有者等をインターネット上でマッチングするビジネスが我が国でも急速に普及していること等から、民泊サービスへの需要が増大しているところである。一方、住宅において人を宿泊させるという民泊サービスの性質に着目したルールの整備が必ずしも十分でないこと等から、騒音の発生、ごみ出しのルールの不遵守等のトラブルが増加するとともに、旅館業の許可を受けないで、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業が増加しているものと考えている。
問一の4について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業の許可を受けないで住宅宿泊事業を営むことができることとされているが、お尋ねの「現在の違法民泊施設のうち」「何件が「合法」になると考えているか」については、具体的にお答えすることは困難である。
問一の5について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案は、宿泊需給のひっ迫状況への対応、多様化する宿泊ニーズへの対応等を図るため、地方を含め民泊サービスの普及を推進しようとするものであり、「地方の観光客を奪うことにつながりかねない」との御指摘は当たらないものと考えている。また、地方の観光促進策については、広域観光周遊ルートの形成や観光圏の整備を推進するとともに、旅館、ホテル等のホームページの多言語化やWi-Fi環境整備等の宿泊者の受入環境整備のための支援を実施しているところである。
問二の1について
お尋ねの「パリ市内のアパート供給量の低下、賃料高騰」については把握しておらず、「住環境悪化」についてはその意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
問二の2について
パリ同時多発テロについては、フランス当局による捜査が継続中であると承知しており、政府としてコメントすることは差し控えたい。
問二の3について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊事業について届出制を導入し、届出に係る住宅の所在等を把握できるようにするとともに、住宅宿泊事業者に対して宿泊者名簿の備付けを義務付け、宿泊者を把握できるようにしている。また、住宅宿泊事業者に対して立入検査、業務停止命令等を行うことができる規定や所要の罰則を設けることにより、住宅宿泊事業の適正な運営を確保することとしている。
問三の1及び2について
お尋ねの「プラットフォーム提供事業者」が具体的にどのような者を指すのか必ずしも明らかではないが、観光庁において把握しているところでは、民泊サービスの提供に係る契約の締結の代理等を行っている事業者の数は十程度であり、直近三年間において行政から摘発又は指導を受けた事業者は存在しない。また、お尋ねの「紹介物件」の数については、集計を行っていないため、お答えすることは困難である。
問三の3について
今国会に提出している住宅宿泊事業法案においては、住宅宿泊仲介業について登録制を導入し、住宅宿泊仲介業者に対して、宿泊者への契約内容の説明等を義務付けるとともに、立入検査、業務停止命令等を行うことができることとするほか、所要の罰則を設けることとしている。なお、同法案においては、住宅宿泊事業者は、宿泊サービスの提供に係る契約の締結の代理等を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者等に委託しなければならないこととしており、無登録で住宅宿泊仲介業を営む者の出現の防止を図ることとしている。
問四の1及び2について
お尋ねの「中小のホテル・旅館の平均稼働率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、観光庁が実施した「宿泊旅行統計調査」によると、直近三年間の全国の客室稼働率は、旅館については、平成二十六年は三十五・二パーセント、平成二十七年は三十七・〇パーセント、平成二十八年は三十七・九パーセントであり、リゾートホテルについては、平成二十六年は五十四・〇パーセント、平成二十七年は五十六・〇パーセント、平成二十八年は五十七・三パーセントであり、ビジネスホテルについては、平成二十六年は七十二・一パーセント、平成二十七年は七十四・二パーセント、平成二十八年は七十四・四パーセントであり、シティホテルについては、平成二十六年は七十七・三パーセント、平成二十七年は七十九・二パーセント、平成二十八年は七十八・七パーセントである。
また、旅館、ホテル等の平均客室稼働率の推移を事前に予測することは困難であるため、推移の予測についてのお尋ねにお答えすることは困難である。
問五について
御指摘の各種事業者団体等の意見については、報道等により承知している。
政府としては、今国会に提出している住宅宿泊事業法案の適切な運用を通じて、住宅宿泊事業の適正な運営が確保されるよう取り組んでまいりたい。