本日、「安保法制に関する特別委員会」で、安倍総理と議論しました。
以前の質疑でも取り上げましたが、安倍総理は百田直樹氏と共著を出版しており、その中でこう発言されています。
———
安倍 私はASEANの国々において、憲法改正や集団的自衛権の行使など、安保法制懇の検討事項について説明しました。たとえば、自衛隊のイラク派遣を例に挙げ、次のように説明しました。
「サマワで日本はオランダ軍とともに活動していましたが、もし仮にオランダ軍が攻撃を受けて日本に助けを求めてきた際、日本は『ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します。お先に失礼しますが、オランダ軍の皆さん、どうか頑張って下さい』と言い残して帰国することになるんです」と。
このように個別案件の説明をすると、ASEANのどの国のリーダーも大変驚かれます。百田 国際社会では全く通用しないことですね。
安部 通用しません。そんな国とはともに活動したくないと思われて当然です。一プラス一が二にはならないわけです。インドネシアのユドヨノ大統領にも、このような話をしました。
(本文ママ、出典:「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」2013年12月27日発行、ワッ
ク株式会社)
———-
しかし、現在審議されている安保法制が成立すれば、自衛隊はもっと危険な区域に弾薬などを運ぶことになります。
政府はこれまで、「後方地域支援」が「後方支援」、いわゆる兵たんになっても「リスクは変わらない」といってきました。
・安倍総理「新たな考え方への変更そのものが活動に参加する自衛隊員のリスクの変更そのものが活動に参加する自衛隊員のリスクを高めるとは考えていない」(平和安全特、2015年5月27日、岡田)
・中谷大臣「安全性においての相違はない」(平和安全特、2015年5月28日、後藤)
少なくともイラク同様のリスクが想定されるのであれば、自衛隊の活動の中断や自粛はありうるのです。
「そんな国とはともに活動したくないと思われて当然」な法案で、自衛隊員は命をかけることになるのでしょうか。
また、私は陸上自衛隊が、イラク派遣の成果と教訓をまとめた内部文書「イラク復興支援活動行動史 第2編」(陸上幕僚監部、2008年5月)を防衛省に請求して入手しました(この文書については、発売中の『世界』2015年8月号(岩波書店)で、ジャーナリストの布施祐仁さんが分析を書いています)。
私が入手したこの文書は多くが黒塗りされていますが、以下のような内容が記述されています。
(入手した文書の一部は、こちらのPDFで見ることができます→(イラク復興支援活動行動史)
・「イラク人道復興支援活動は、純然たる軍事作戦であった」「我々がいかに幸運に恵まれ(略)たか」
・ムサンナ県サマーワで行われた復興支援活動において、何度もロケット弾が撃ち込まれ、2005年1月には「敵対勢力が存在した」と報告されている。
・同年6月23日にはサマーワ市内で陸自車両に対する爆発事案が発生し、陸自部隊は復興支援活動を一時自粛している。
戦闘が激しく行われていたバグダッドから遠く離れたサマワでの人道復興支援ときでさえ、自衛隊員は危険にさらされました。
自衛隊が海外に行くということは、まさにこういうなかで活動するということです。
私は、今回の法案を審議するにあたって必要な文書であることから、黒塗りを外したものを本委員会に提出するよう要求しました。
まだまだ議論はつきません。引き続き、追及していきます。
<本日の質問で使用した資料は以下からご覧ください(PDFファイル)>