つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

「吉田証言」や「韓国側との事前のやり取り」で河野談話はゆがんだか? 質問主意書を提出しました

2014.10.20

国会ブログ

10月3日の衆議院予算委員会で、私は河野談話について以下の点を確認しました。→議事録は下記参照
1)いわゆる「吉田証言」が河野談話の内容に影響を与えたか?
2)「十六人の元慰安婦の聞き取り」が河野談話の内容に影響を与えたか?
3)「事前の韓国側とのやりとり」が河野談話の内容に影響を与えたか?
4)河野談話は、教科書検定基準における「政府の統一的見解」に該当するか?
菅官房長官の答弁は、すべて「与えていない」というものでした。
また、下村文科大臣は「談話の内容は、検定基準上の閣議決定等により示された政府の統一的見解に該当する」と答弁。すなわち、教科書に載せられるということをあらためて確認しました。
以上の質疑の結果をあらためて確認するために、本日、以下の通り質問主意書を提出しました。
答弁書は10月28日の閣議で決定されます。
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河野官房長官談話の作成過程に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
平成二十六年十月二十日
提出者  辻元清美
衆議院議長  伊吹文明殿
一九九三年八月四日に出された慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話(以下、河野談話)の作成過程については、二〇一四年六月二十日に、河野談話作成過程等に関する検討チームが「慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯 ~河野談話作成からアジア女性基金まで~」とした報告書(以下、報告書)に詳しい。
この作成過程の検証について、辻元清美が十月三日の衆議院予算委員会で政府に対して質問を行っているが、あらためて安倍政権としての認識を確認したい。
以下のとおり、質問する。
一 政府は、強制連行についての吉田清治氏の証言(いわゆる「吉田証言」)が、河野談話の内容に影響を及ぼした事実はないという認識か。
二 政府は、河野談話は「関係省庁における関連文書の調査,米国国立公文書館等での文献調査,さらには軍関係者や慰安所経営者等各方面への聞き取り調査や挺対協の証言集の分析等の一連の調査」(報告書十二ページ)等に基づき出された談話であって、十六人の元慰安婦の聞き取りが根拠になったものではないという認識か。
三 政府は、河野談話の作成過程において、事前の韓国側とのやりとりがあったことにより、河野談話の内容がゆがめられた事実はないという認識か。
右質問する。
<以下予算委員会における質疑(抜粋)>
○辻元 この報告書で、吉田清治氏の証言が河野談話の内容に影響を及ぼしたことはないという理解でいいですか。
○菅国務大臣 河野談話の作成過程の中で、政府は吉田清治氏から聞き取り調査は行っております。その結果、同氏の証言は、客観的事実と照らしてつじつまが合わなかった、他の証言者の証言と比較して信用性が低かったところから河野談話に反映されなかった、こういうことであります。
○辻元 この河野談話は、今問題に、いろいろ言われております十六人の元慰安婦の聞き取り調査が根拠になったのではなく、官房長官、よく聞いてくださいね、関係省庁における関連文書、米国国立公文書館の文書や、それから軍関係者や慰安所経営者等各方面への聞き取り調査、それから証言集の分析などで出た結果であって、十六人の元慰安婦の聞き取りが根拠になったものではないということでよろしいですか。
○菅国務大臣 この十六人の元慰安婦からの聞き取り調査でありますけれども、六月二十日に公表した政府の河野談話作成過程等に関する検討チーム、その報告書のとおり、河野談話の原案は、元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連文書の調査結果等に基づいて既に作成をされていた、そのように確認をされております。
○辻元 この作成過程で事前の韓国側とのやりとりがあったことで河野談話の内容がゆがめられたことはないという理解で、官房長官、いいですか。
○菅国務大臣 六月二十日に公表した政府の河野談話作成過程等に関する検討チームの報告書に明らかにされているとおり、当時の日韓両国政府は、河野談話を発表することによってこの問題に一つの区切りをつけて未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調整、意見交換を行ってきたということ、そして、政府は、一連の調査を通じて得られたと言われるいわゆる強制連行は確認できないという認識に立って、それまでに行った調査を踏まえた事実関係をゆがめることのない範囲で、韓国政府の意向、要望について、受けられるものは受け入れ、受けられないものは拒否する姿勢で、河野談話の文言をめぐる韓国側との調整に臨んできたということです。
○辻元 官房長官、ということは、やりとりは、直接、河野談話の内容を、日本政府の意向をゆがめたわけではないということですね。
○菅国務大臣 この検討チームの報告から推測しますと、日韓両国において、まさにこの問題に一区切りをつけて未来志向の関係を築こうという中のぎりぎりのすり合わせの結果の文書であったというふうに考えられると思います。
○辻元 河野談話は、検定基準上の、教科書の問題ですね、閣議決定等により示された政府の統一見解に該当するんでしょうか。
○下村国務大臣 これは、元委員の質問主意書、答弁、河野官房長官談話を受け継いでいる旨を閣議決定しているということでございまして、この談話の内容は、検定基準上の閣議決定等により示された政府の統一的見解に該当するということであります。
○辻元 総理はかつて、この問題、何回も国会で発言をされ、また、決算委員会でこういう発言をされているんですね。この河野談話について、ほとんどの根拠は、この吉田清治なる人物の本あるいは証言によっているということであります、その根拠が既に崩れているにもかかわらず、官房長官談話は生き、そしてさらに教科書に載ってしまった、これは大きな問題である。要するに、河野談話は吉田清治なる人の証言が根拠で、既に崩れているけれども官房長官談話は生きているというのは問題だというように御指摘をなさっているんです。今回、総理みずからが調査された結果、この吉田清治なる人物の証言と、河野談話に何か影響を及ぼしているわけではないということですから、この当時の総理の御認識は間違いというか、違っていたということになりますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まず、そのときの発言は、私、まだ、質問通告がございませんから、わからないのでお答えをしようがございませんが、しかし、河野談話について、そこでは、強制性については、こちら側は事実上認めていない。韓国側とのやりとりの中でそうなのでありますが、河野洋平官房長官が、いわば記者会見の中で、それを事実上お認めになったということであります。そして、それとの、河野官房長官談話と河野官房長官のお答えが合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります。それに吉田証言がどのようにかかわっていたかはわかりませんが……(辻元「わかりませんというのは何で」と呼ぶ)いや、吉田証言が河野官房長官のお答えにどのようにかかわっていたかはわかりませんが、吉田証言自体が強制連行の大きな根拠になっていたのは事実ではないか、このように思うわけであります。
○辻元 もう一回申し上げますけれども、正式の国会の場で総理は、この吉田証言を根拠にしている河野談話、これは問題だという趣旨の発言をされているので、総理みずからが、吉田証言と河野談話は関係ないと、かなり活発に総理はあちこちで発言されているわけですよ。ですから、関係がなかったということは、これをお取り消しになる、この認識は違っていたということかと聞いているんですよ。これは、韓国も含めて、世界じゅう見ていますよ。はっきりおっしゃった方がいいですよ、今まで間違っていたということを。河野談話は吉田証言が根拠で、崩れていると既に国会でおっしゃっているわけですよ。いかがでしょうか。
私は、朝日新聞の間違いは認めろとおっしゃった、それは正しいと思います。そうすると、御自分の認識違い、今回の検証で明らかになったじゃないですか、認められたらどうですか。
○安倍内閣総理大臣 私、まだその発言自体を精査はしておりません。いずれにせよ、今申し上げましたように、河野談話、プラス、いわばそのときの長官の記者会見における発言により、強制連行というイメージが世界に流布されたわけであります。つまり、その中において、河野談話自体が、事実上、いわば強制連行を認めたものとして認識されているのは事実でありますが、文書自体はそうではない。いわば、河野談話それ自体について今回検証したわけでありますし、我々は、河野談話については継承するというふうに申し上げているところでございます。
○辻元 先ほど高市さんにもお聞きしましたけれども、今まで総理がおっしゃってきたことと、今回検証したことで、みずから総理がおっしゃってきたことを否定されたんです、あの検証というのは。よく認識された方がいいと思います。ですから、私は、お認めになっているからこれ
以上言いませんけれども、その点ははっきりと国際的に示された方がいいですよ。いろいろなことをおっしゃる、それが日中、日韓のとげになっていますから。