本日、安倍政権は集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行いました。
そして、再びありもしない例え(例の「お母さんと赤ちゃん」パネル)を出して「情」に訴え、行使容認によって広がるリスクにはふれないという、卑怯な、国民を愚ろうした記者会見を行いました。
これは、まさに「ナチスの手法」に学んだクーデターです。
2020140701閣議決定.pdf
安倍総理は、1960年の日米安保改定の際には「戦争に巻き込まれる」というのが批判の中心だったとし、けれども日米安保改定により抑止力が高まった、と述べました。
これは、事実を歪めた発言です。
かつて岸元総理は、まさに日米安保をめぐる議論のなかで、「日米安保は集団的自衛権なのか」と迫る野党に対し、米軍への基地提供は集団的自衛権ではない、とする事実上の答弁修正をしました(1960年3月31日、参議院予算委員会)。
「戦争にまきこまれてこなかった」のは、「日米安保」を改訂したからではなく、「集団的自衛権」の行使を認めてこなかったからです。
あそこで岸元総理がふみとどまらず、「集団的自衛権の行使容認」に突き進んでいれば、その後のベトナム戦争などに参加を余儀なくされていた可能性が高いのです。韓国がそうだったように、殺し殺され、多くの帰還兵が生涯心身の後遺症に苦しんだはずです。
いったん集団的自衛権の行使を容認すれば、安倍総理のいう「ふつうの国」だと宣言すれば、「限定参加」などという都合のいい理屈を、国際社会が認めてくれるはずはありません。
そして、もしも米艦を護るために他国の潜水艦を撃沈すれば、他国からは「先制攻撃」とみなされ、日本本土への攻撃が開始されます。弾道ミサイルが原発に命中したらどうなるか。
繰り返しますが、全面戦争は「何度もアリ」なのです。そうしたリスクを、今日も安倍総理はひとことも国民に説明しませんでした。
私は、絶対にこの日を忘れません。
そして、安倍政権とたたかい続けます。
20140701民主党集団的自衛権代表談話.pdf
(以下、立憲フォーラム声明文)
集団的自衛権の行使容認の閣議決定は許されない
本日、安倍内閣は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。「海外で戦闘に参加する」というこの決定は、「自国の防衛以外の武力行使はできない」という最も基礎となるが我が国の考えを根底からくつがえすもので、私たち超党派の衆参議員でつくる立憲フォーラムはこの歴史的な暴挙とも言える決定に強く抗議します。またこれは、憲法は権力を拘束するという立憲主義を否定するものであり、立法府にあるものとして断じて容認することはできません。
今回の閣議決定は、戦後一貫して堅持してきた「専守防衛」の基本政策を、国民の声をきくこともなく、現場の自衛隊員の現状を思いやらず、国会で論議もせず、密室での与党協議で変更を強行しました。これまでの非軍事に徹した国際協力のあり方を変えるもので、近隣諸国の警戒感、アジアにおける緊張を高めるでしょう。さらに、安倍政権の言う集団的自衛権の「限定」は、時の内閣によっていくらでも変えられるため「歯止め」にはなりません。しかも、「邦人輸送中の米艦の防護」など武力行使の具体的事例は、国会審議の中でその根拠がないことなどが明らかになり、事例は「机上の空論」でしかないことは明白です。そもそも、日米安保条約は第三条では、我が国は米国のために集団的自衛権を行使しないことを「各国の憲法上の規定に従うこと」と明記しており、日本の軍事力行使は憲法の制約及び条約の明文規定に反するものです。
私たちの憲法は、先の大戦における310万人の日本人、2000万人を越えるアジア地域での尊い命の犠牲の上につくられました。戦争への反省にたって「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」という前文と、「戦争の放棄」を謳ったのが第九条です。その具体的な反映が、「集団的自衛権は持つが行使はしない」という政府の判断であり、その結果、朝鮮戦争やベトナム戦争に加わることなく、私たちは戦場において、他国の人を殺傷せず、一人の犠牲者も生まず、作らないという誇るべき歴史を歩んできたのです。
時の政権が歴代内閣によって確立された憲法解釈を変更することは、政府を憲法による制約の下に置くとする立憲主義に違反し、法の安定という点からも許されません。私たちは、こうした憲法及び法令に違反する閣議決定は無効の行政行為であり、憲法9条の法規範性は不変のものであることを国民に宣言します。私たち立憲フォーラムはこのような政府・与党の暴走を許さないために、国会での論議を積極的に担うとともに、今回の暴挙に反対して立ち上がる広範な人びとと手を携え、「他国とともに戦争をする集団的自衛権行使容認を許さない」、「軍事力を行使する国にさせない」、「民主主義、立憲主義を破壊する安部内閣の暴走ストップ」の声を地域から上げていきます。
2014年7月1日
立憲フォーラム