集団的自衛権の行使容認の閣議決定について安倍総理に一言、「この立法府で一度でも、その中身について説明しましたか?」:衆議院本会議、石原環境大臣の不信任決議案の提案理由説明をしました。
2014.6.20
本日の衆議院本会議、野党7党を代表して、石原環境大臣に対する不信任決議案の提案理由説明をしました。
そして最後に、「集団的自衛権の行使容認の閣議決定」について、安倍総理に一言申し上げました。
「歴代の自民党内閣が積み重ねた憲法の解釈を、国会で説明もなく、国民の声を聞くこともなく、与党だけの密室での協議で変更してもよいと、安倍総理は、本当にお考えなのですか。
安倍総理は、この立法府で、本会議場で、一度でも、その中身について、説明をしましたか?
そのような状況で、国会を閉じ、その後、与党だけの協議で、閣議決定することなど、許されるわけがありません。
これは、与党、野党、憲法改正に反対、賛成、関係ありません。
政治に携わる者の最低限の「矜持」の問題です。歴史に恥じます。おやめになった方がよい。
安倍総理、あなたの今なすべきことは、国会無視、国民不在で集団的自衛権の閣議決定に突っ込むのではなく、福島第一原発の事故処理と福島のみなさんに寄り添った福島の復興です。」
以下、全文掲載します。
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私は、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、みんなの党、結いの党、日本共産党、生活の党、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました環境大臣石原伸晃君不信任決議案について、提案の理由を説明いたします。
まず、案文を朗読いたします。
本院は、環境大臣石原伸晃君を信任せず。
右決議する。
以下、その理由を説明いたします。
私は、安倍内閣が誕生し、環境大臣に石原伸晃議員が就任すると聞いたとき、大きな不安をいだきました。
なぜなら、石原大臣は、自民党幹事長だった2012年、報道番組で福島第一原発を「第一サティアン」と呼び、地元の反発を招いていたからです。
当時、震災からまだ1年半でした。
命がけで復旧に向けて作業員が懸命の努力を続けていた福島第一原発を、オウム真理教の施設と同一視する感覚に「事故の深刻さを理解していない。この人にとっては、他人事なんだ」そして、「安全だ。安全だ。安全だ」と言って原発を作り続けたのは自民党政権であり、あげくのはて、世界一過酷な事故を起こした、その「責任」を自覚していない、と憤りを覚えました。
ところが、安倍総理は、この石原さんを、だれよりも福島のみなさんに寄り添って除染など大きな役割を果たさなければならない、環境大臣に任命されたのです。
また、今年に入り福島県第1原発周辺の手抜き除染が発覚した1月4日に環境省に登庁せず、所在を未だに明らかにしておりません。
「都内及び神奈川」などと、情けない言い訳に終始しました。
ここでも、やっぱり、他人事だったのです。
そして、本年3月の国賓行事欠席。
さらに、本年3月17日の参議院環境委員会に遅刻。
「大渋滞で、遅れてしまった」ということでした。ところが、渋滞は発生していなかったということが明らかになり、当初の説明を撤回したのであります。大臣の責任を自覚していない、と批判されました。
さらに、原子力規制委員会委員選定ルール撤廃問題であります。
原子力規制委員会は民主党・自民党・公明党で協議を重ね、法案を成立させたものであります。
当時、自民党は推進側と規制側の遮断を強く主張され、ノーリターンルールの強化、規制委員会の委員の人選ルールなどを決めました。
その中には、「就任前、直近3年間に、原子力事業者の役員についていたものや、同一の原子力事業者等から、一定額以上の報酬等を受けとっていた者は、欠格要件とされていました。
ところが、石原大臣は、このルールを一方的に撤廃する考えを示したのです。
政権に復帰したとたん、推進側と規制側の厳格な線引きをやめる、と言い始めたのです。石原大臣は、原子力ムラを復活に手をかすおつもりですか。
そして、「金目」発言です。
石原大臣は6月16日に、中間貯蔵施設建設をめぐり難航している福島県との交渉について「最後は金目でしょ」と発言しました。
これが政府の本音なのですね。
佐藤福島県知事からも「住民の皆さんの、ふるさとを思う気持ちを踏みにじる発言だ」と批判され、双葉町長からも「金が目当てだと誤解を招く」など各方面から批判されています。
当初は、「正確に覚えていない」と述べ、撤回を否定。批判が高まるや、昨日、撤回しないとしていた発言を撤回。
今だ、迷走しています。
福島に出向いての謝罪については、「国会開会中でございますので、なかなか自由になる時間はございません」として、すぐに福島に謝罪に行かない。
実は、石原大臣は、中間貯蔵施設の住民説明会に一度も出席していないのです。住民の気持ちを、全く理解しようとすら、していないのでは、ないですか。
これら多くの問題発言や、原発事故を反省しない政策の遂行などにより、福島の方々、原発事故被災者の方々の心を傷つけたばかりか、世界に対しても恥ずかしいです。
これは、福島第1原発が「コントロール下にある。健康問題には将来も全く問題ない」とした安倍総理の発言と相通じるものがあります。
風評被害で未だ苦しみ、帰還できない住民の焦り、健康不安を持つ方々の苦しみを本当に理解しているのでしょうか。
以上、それぞれが不信任に十分に値するものであり、これだけの失態を重ねた以上、大臣の罷免を強く求めるものであります。
それとも、安倍総理は、集団的自衛権の問題で頭がいっぱいで、福島のことは後回しでもよい、とお考えなのでしょうか。
今国会の会期はあさって、22日までです。
最後にここで、一言申し上げます。
安倍首相が突き進もうとしている「集団的自衛権の行使容認の閣議決定」のことです。
それは、歴史に汚点を残したくないからです。
歴代の自民党内閣が積み重ねた憲法の解釈を、国会で説明もなく、国民の声を聞くこともなく、与党だけの密室での協議で変更してもよいと、安倍総理は、本当にお考えなのですか。
安倍総理は、この立法府で、本会議場で、一度でも、その中身について、説明をしましたか?
そのような状況で、国会を閉じ、その後、与党だけの協議で、閣議決定することなど、許されるわけがありません。
これは、与党、野党、憲法改正に反対、賛成、関係ありません。
政治に携わる者の最低限の「矜持」の問題です。歴史に恥じます。
おやめになった方がよい。
安倍総理、あなたの今なすべきことは、国会無視、国民不在で集団的自衛権の閣議決定に突っ込むのではなく、福島第一原発の事故処理と福島のみなさんに寄り添った福島の復興です。
今回の金目発言で、中間貯蔵施設の稼働は間違いなく遅れ、福島の復興は間違いなく遅れることになります。
「福島の復興なくして日本の復興なし」と言うのであれば、「石原環境大臣の罷免なくして福島の復興なし」、と最後に申し上げ、終わります。
おわります。