20140613集団的自衛権の解釈第三回質問・答弁書.pdf
本日、6月3日に辻元清美が提出した「集団的自衛権の解釈に関する第三回質問主意書」に対する答弁書が返ってきました。
→質問主意書
<質問>
安倍総理大臣が五月十五日の記者会見で用いた「邦人輸送中の米輸送艦の防護」と題するパネルで示された事態について問う。
1 A国(攻撃国)からB国(被攻撃国)が攻撃を受けるという「有事」が発生したとき、B国の在留邦人が、B国から脱出する際に、米輸送艦で輸送された事実は過去に存在するか。あれば、すべて明らかにされたい。
2 その際、米国政府から日本政府に対し、当該輸送艦について自衛隊による防護の要請が来た事実はあるか。あれば、すべて明らかにされたい。
3 その際、輸送された在留邦人のうち、大使館職員等政府関係者の人数・割合はどれくらいか。
4 その際、輸送された在留邦人のうち、乳幼児及びその母親は含まれていたか。含まれていた場合、なぜ当該乳幼児及びその母親は、危険度のカテゴリーが低い段階での脱出が不可能だったのか。外務省はどのような対処を行ったか、または怠ったのか。すべての事実について明らかにされたい。
<答弁>
政府としては、お尋ねのような事例があったとは承知していない。
つまり、これまでに米輸送艦で邦人が運ばれたケースは存在しないし、そもそも戦争中に軍艦が「赤ちゃんやお母さん」を運ぶわけがないのです。
そして5月28日の予算委員会、傍聴席にいる私に対して、激昂した安倍総理が「艦船は民間人を運んだ例がある」として、リビア紛争の例をあげました。この事例は、先般の外務委員会などでも、政府がことあるごとに持ち出してきます。
しかし、何度も確認していますがリビアは内乱。大規模デモと政府との衝突で、紛争の当事者でない米国船にリビアのどの勢力が攻撃を加えるというのか。ちなみにこの点について、政府は「米国政府により手配されたものであることから、安全性の確保に係る検討については、政府としてお答えする立場にない」と答えています。アメリカに任せた以上、日本人が乗っていようが、その安全性について関与しないということか? それとも、攻撃を加える勢力があるはずはない、と当時の政府も判断したということか?
さらに本日の答弁書で、政府はなんリビアの例について「集団的自衛権の問題と関連してお答えしたものではない」と答えました。え? 私が出した質問主意書ではきちっと「二〇一四年五月十五日の記者会見」の安倍総理の発言について、と前置きしたうえで事例をただしている。では、あの記者会見で安倍総理が話していたことは、「集団的自衛権」と関係なかったわけ? その後も私たちは、国会で「集団的自衛権」の議論をしてきたんじゃなかったの?
明らかに、「邦人輸送中の米護衛艦の防護」という事例には無理がある。しかし、報道によればこの事例のみが与党協議で容認されそうだという。
引き続き追及します。