つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

暴走する安倍総理と橋下市長

2014.2.16

国会ブログ

■歴代内閣の議論を覆す安倍総理 
 「私は最高責任者だから何をやってもいいんだ」、と言わんばかりの答弁を安倍総理が2月12日の衆議院予算委員会で行い、大問題になっている。
 自民党の総務会でもこの発言について異論が続出したのだ。最近、安倍さん、調子に乗りすぎで傲慢になっている、と感じている方も増えているのでは。
 集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を、歴代内閣による議論の積み重ねを覆して自ら進めることができると言ったに等しく、国際的に見ても「笑いもの」になりかねない姿勢を示したのだ。
■安倍総理に自民党からも異論
 憲法とは総理大臣などが、たとえ多数や大きな権力をもってしても、やってはいけないことが書いてある。これが世界共通の立憲主義のルールだ。
 仮に、選挙で多数をとった政治勢力が「海外の戦争に自衛隊を参加させたい」と思ってもできない。それは憲法9条で、どんなに選挙で多数をとっても、海外での武力行使は禁止されているからだ。
 だから、歴代の日本政府は、もちろん自民党も、ずーっと、「海外での武力行使につながる集団的自衛権は行使できない」と答弁してきたのだ。
 これを、安倍総理は、自分と同じ考えの「おともだち」だけを集めた私的な懇談会で議論させて、自分の都合の良い解釈で歴代内閣の憲法解釈を変えてしまえる、と答弁したのだ。「ときどきの政権が解釈を変更できることになるのは大問題」と自民党議員からも批判続出。野田聖子総務会長が官邸に懸念を伝えるまでに発展しているらしい。私も14日、民主党の代議士会で「この問題をもっと糾すべき」と指摘した。
 さらに、こんな安倍さんが選んだNHKの経営委員の百田尚樹氏が、東京都知事選挙で田母神氏の応援に入った際に他の候補者を「人間のクズ」と発言したことも問題になっている。この百田氏も実は安倍さんの「おともだち」だったのだ。そしてこの百田氏たちが選んだNHKの籾井会長の発言と資質はついに国際的な問題にまで発展。アジアだけでなく欧米メディアでも批判続出。「慰安婦はどこの国にもあった」などの一連の発言だ。これは橋下大阪市長と同じ発想の発言だ。
■橋下さんはなぜ市長を辞めるのか
 その橋下さんは市長を辞めると言い出している。何のために?
 現在、大阪都構想について大阪市会議員と府会議員で構成される法定協議会で内容の議論がされている。 大阪市をいくつに分割するかを巡って議論が紛糾。「5つに分割する案をすぐに決めろ」と橋下さん。
 しかし大阪都構想の内容を大阪市民・府民がどれだけご存じなのか?もっと議論をするべきではないのか、と維新以外の党が議論継続を主張。すると橋下さんは「これ以上議論しても無意味だ」と一方的に議論を打ち切って、「市長を辞めてやる」とテーブルをひっくり返したのだ。
 大阪都構想は二重行政を解消して4000億円の効果があるというふれこみだったが、検証していくと80億円から320億円程度しか効果額がなく、むしろ再編コストが280億円から360億円かかると判明。それぞれに議会を作るので、議員の数を減らすどころか、ぐんと議員の数も増えるということも問題になってきた。
 だから、私たちはもっと、もっと議論・検証をするべきと言っているのだ。形勢が不利になってきたら「選挙だ」なんて認めるわけにはいかない。
 それに、2月から3月は一年間の予算を決める重要な時期だ。国政選挙でも予算編成の時期だけは避ける。それは市民生活に大きな悪影響が出るから。そんな大事な時期に市長を辞めて、仕事を放りだして、出直し選挙をするというだけで、政治家失格なのでは。それに選挙をするだけで6億円も市民の税金が使われる。これだけのお金があればしんどい思いをしているシングルマザーや子ども、生活困窮者を救えるのに。
■こんな「決められる政治」でいいのか
 安倍総理と橋下市長に共通する政治姿勢、それは「選挙で多数を取ったのだから、何をしてもいいのだ」「支持率や人気が高いオレに従え」という姿勢ではないかしら?これが皆さんが望んだ「決められる政治」ですか?
 少数者の声にも耳を傾け、意見が違う人たちとも粘り強く議論しコンセンサスを作っていくのが「真のリーダー」ではないですか。
 これは、政策議論以前の民主主義の問題です。私はこの点を見過ごさず、しっかり追及していきます。