「特定秘密保護法」という「怪しげな」法案の審議が11月7日から始まりました。連日、新聞やテレビのニュースで取り上げられています。
■「特定秘密保護法」って?
政府の限られた人たちが防衛、外交、テロ情報などについて「特定秘密」なるものを指定し、意図的でなくても「漏えい」してしまえば最高10年の懲役刑に問われるという中身なのです。それも、何が「特定秘密」に当たるのか、それも「秘密」だというのです。
テロ対策の名目で原発情報が隠されるかもしれません。沖縄だけでなく、近畿でも滋賀県で米軍戦闘機オスプレイの訓練が始まりました。世界各地で事故を起こしていますが、飛行ルートなどを住民に全く知らされなくなることも考えられます。それでなくても官僚が必要以上に情報を隠すことが問題になってきたのに、これでは、ますます官僚が情報を出さなくなります。
■三権分立の崩壊!
私は今国会では、経済産業委員会で福島第一原発の汚染水漏れ問題について東電の広瀬社長、原子力規制委員会の田中委員長、茂木経産大臣、小泉進次郎復興政務官にガンガン質問をしています。
11月6日には、最も危険度が高い4号機の使用済み核燃料のプールからの取り出しについて質問しました。
核燃料をクレーンで釣り上げて移動させるのですが、もしも落下して容器が壊れたら計り知れない放射能を放出するのです。使用済み核燃料が盗まれたらテロに使われてしまうという指摘も出ています。だから、福島第一原発の情報もテロ対策ということで出さなくなる可能性もあるのです。
そして、マスコミや国民の代表である国会議員が情報を取ろうとした場合も、やり方によっては懲役刑の対象になるというのです。
さらに、裁判に訴えても、裁判官すらその「秘密」の中身を知ることができません。懲役刑にされた人が漏らした情報が懲役刑に当たるのか、中身の点検ができなくては、公正な裁判はできません。
これでは、三権分立が崩壊してしまいます。
■あなたの情報も狙われる?!
そして、この「特定情報」を取り扱う担当官は、本人の身元調査だけではなく親や子どもや妻、そして妻の家族、さらには交友関係、病歴や飲酒癖、借金の有無などまで調査するというのです。あきらかにプライバシーの侵害です。
あなたの親戚や親しい人が「特定秘密」を扱う者に該当した場合、あなたの知らない間に、「お上」によってあなたのプライバシーが調査されてしまう可能性があるのです。「原発の再稼働反対」とか「沖縄の米軍基地の問題はヒドイ」なんて口走っていたらアウトです。ますます監視社会になってしまいます。
■情報公開が先だ!
アメリカなどでも同じような法律があると安倍総理は強弁していますが、アメリカや欧米諸国とは全然違います。
アメリカなどでは、どんな情報も25年で公開されるのが原則です。国の情報はすべて国民のもので、いつかは必ず公開しなければならないという考え方です。戦争など、国策を誤った場合、後に検証できるようになっているのです。
日本ではこのようなルールが確立されていません。確かにすぐに公開できない情報はあります。しかし、徹底した情報公開のルールもなく、秘密だけ先にというのでは、 時の権力者にとって都合の悪い情報が闇に葬りさられることになりかねません。
安倍総理は何が何でもこのアブナイ法案を成立させようとしています。「まるで戦前の治安維持法みたいでコワイ」との声も出ています。日本弁護士連合会や報道機関など、幅広く反対の声が広がっています。
「特定秘密保護法案」は廃案にするしかありません。問題点を徹底的に国会で明らかにしていきます。
秘密保護法案に関するインタビュー記事が、2013年10月11日の朝日新聞と、2013年11月8日の東京新聞に掲載されています。
併せてお読みください。