本日、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しについて質問しました。その一部をご紹介します。
辻元:
首相補佐官として官邸にいたときも、この1533本の燃料プールから水が抜けたらどうなるのかが最大の懸念のひとつでした。国際的にも関心を持たれている案件です。
そして、福島では今も地震が頻発しています。そんな中のオペレーションになるため、徹底的にリスクに向き合わなくてはなりません。
4号機の核燃料取り出し作業は、いつから、どのような段取りで作業を行うのでしょうか? 実証実験はどうなる?
東京電力 広瀬社長:
「11月中旬から取り出しを始めます。訓練については、今も続けている段階です」
辻元:
「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」の変更認可申請について、規制庁は認可を出しています。
http://www.nsr.go.jp/activity/earthquake/25/08/0830-1.html
東電が出した447ページの分厚い資料には、いくつか疑問点があります。
東電が出した資料には、落下防止策として、「二重のワイヤや種々のインターロックを設け、また、クレーンの主要要素は、二重化を施すことなどにより、燃料移送捜査中の燃料集合体等の落下を防止できる設計とする」とあります。
ところが、「二重」にしているのは「ワイヤ」しか書かれていません。
例えば電源が切れたときバネによりブレーキがかかるという「電磁ディスクブレーキ」、これはきわめて大事なシステムですが、これはダブルになっているのか?
広瀬社長:
「ドラムの両側でダブルになっています」
辻元:
一番恐れているのは、使用済み核燃料を落下させることです。
今回の事故の教訓は、もしも事故が起こったら、という時の対応が欠けていたということです。事故は起きない、という神話のもとで思考停止していた。
キャスクの荷重条件の比較を見ると、「9メートルから落ちると約100G」とあります。しかし、実際の作業環境は地上32メートル。
32メートルから落下したら、キャスクの耐久性はあるのでしょうか? そういう実証実験をしているのでしょうか?
広瀬社長:
「32メートルからの実証検査はしておりません」
辻元:
落下したときは想定しないということでしょうか? 実験していただきたい。
広瀬社長:
「32メートルから落とした実際の実験はしておりませんが、評価して解析をして、その場合にどうしたことが起こるかということは十分評価したうえで検討をすすめております」
辻元:
実際やってみるのは大事ではないか。
原子力規制委員会 田中委員長:
「32メートル直接落下している試験をしているとは聞いていないが、実際には落下も想定して下に相当のクッションをおいて、衝撃を吸収することで、一般に使用済み燃料の取り出しというのは日常的に行われてきているので、だいたいそういう方向でやられるということで、確認していただいた」
辻元:
一般の作業とは違います。
線量が高いところで、ローテーションしながらの作業になります。熟練した労働者が被ばくの制限値に達して働けない人が出てきているのです。
1533本を毎日、早く、取り出さなくてはならないという特殊の状況です。被ばく線量とのたたかいなのです。
落下しても大丈夫なようにするなら、一度実証実験をやってみるべきではないか。
田中委員長:
「特殊な状況で行われるため、十分に熟練した人材をあてるように、と広瀬社長に強く申し上げています。落下試験については、落下の状況にもよるので、いままでと同じ評価でいいと考えます」
辻元:
一発の失敗で、かなり壊滅的な常用になりかねないオペレーションです。念には念を入れてということで、実証実験が大事です。
キャスクの強度についても、不具合が出たら対応しなければなりません。
引き続き質問もするし、追及をさせていただく。
初当選から18年、科学技術委員会で質問してきました。東海村のJCO事故では現場にも行き、質問にも立ちました。自分が質問してきたことが実際に起こっているのです。4号機には念には念を。二度と同じ質問をしたくありません。
(以上質問抜粋)