つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

いよいよアベノミクスがアベノリスクに:5月26日・高槻市での街頭演説より

2013.5.28

国会ブログ

激しい株の乱高下が続いています。長期金利が上昇して住宅ローンへの影響が出始め、日用品の価格がじわりじわりと上がり始めたようです。駄菓子メーカーの方が、苦境を訴える報道も。駄菓子は原価10銭20銭の世界。原材料価格が上昇に「子どもたちをがっかりさせたくないので、量を減らしていますが」と暗い表情だった。

輪転機でドンドンお札をすって撒いています。円安、株価上昇になっているけれど、危うさが伴うのでは、と感じてる方も多いのでは。輸出型の大手製造業はいったん回復しても、ほとんどの中小零細企業にとっては苦しいまま。

私たちが政権にいたときに、血の出るような思いでムダな公共事業費を削りました。その公共事業費を安倍政権は被災地支援という名の下にじゃぶじゃぶ投入していますが、被災地から「そんなに予算をつけても使いきれません」と悲鳴があがっています。「復興特需」といわれた建設業の景気は、すでに下降線。国の借金がドンドン増えています。
いよいよアベノミクスがアベノリスクになり始めたのか、という声も。麻生財務相は「株は上がったり下がったりするのが当たり前」と激しい値動きを肯定し、安倍総理は「株式市場についてはコメントしない」とだんまりのまま海外に行きました。
2月に、原発推進の急先鋒・甘利経済再生担当相が「3月期末の日経平均株価13000円を目指す」と発言して「富裕層への優遇策だ」と批判されたことをお忘れか。経済閣僚が目標株価を明言するのは株価の人為操作につながり、あってはいけないこと。その甘利大臣は今回の大暴落に「うろたえる必要ない」と発言。
安倍総理は「投資を促進する」とおっしゃるが、危ない「投機」ではないのかしら? 一部のプロの投資家はこの半年に、大もうけしたかもしれないけど、大多数の人にとっては不安と負担が増しただけでは。

本当にやるべきは、グリーンエネルギーを徹底的にのばすなど、産業構造の転換。そのための発電と送電の分離です。安倍首相はこれも先送り。海外に原発を売りに行くことではないですよ。「原発事故があったから、世界一安全な原発技術を提供できる」と安倍首相が発言したときには怒り爆発。福島第一原発で、汚染水もコントロールできず、ネズミ一匹で冷却システムがダウンする綱渡りの現実は継続中なのに。

私が国交副大臣時代に観光に力を入れ、アジアからの訪日客数を過去最大に押し上げたのは、観光こそ地域経済への波及効果が高く、国内の小さな商売に希望を与える産業だから。これからは、近隣諸国との経済連帯が欠かせない。にも関わらず、安倍総理が歴史認識をめぐる発言で暴言を繰り返し、世界中に日本に対する嫌悪感が広がっている。

慰安婦をめぐる橋下市長の一連の発言も、もとをただせば安倍総理が誘発したもの。だから私は、日本に対する「誤解」を解いてもらうためにも、コツコツと安倍総理の歴史認識をただし、「虚偽答弁」を暴いてきた。慰安婦を巡る予算委員会でのやり取りでも、追及の結果、菅官房長官は虚偽答弁を認めざるをえなくなった。

そして、橋下市長や安倍総理が「慰安婦の強制連行はなかった」とする根拠になっている、私の質問に対する第一次安倍政権での閣議決定をめぐる発言が、虚偽であることもつきとめた。これまでは、頑として首を横にふらなかった河野談話についても、ついに「継承する」と閣議決定させた。橋下発言がロシアにまで飛び火し、さらに国連からも対日勧告がでるという状況。

それにしても維新の会はひどい。橋下市長との面会を「テレビショーで政治利用されたくない」とキャンセルした元慰安婦の方々に対し、維新の国会議員が「化けの皮が剥がれるところだったのに残念」と暴言をはいた。痛みを分からない人たちに、怒りがわく。
このままでは、日本は孤立しかねない。日本の歴史認識での信頼回復は日本経済再生のためにも重要なのです。

(5月26日、高槻市での街頭演説より)