昨日来の報道にある通り、政府は私の提出した質問主意書に対する答弁に沿って、「ブッシュ大統領との間の日米首脳会談においては、この問題(慰安婦問題)は全く出ておりません」とする安倍総理の発言が間違いであったことを認めました。国内と国外で、慰安婦問題についてダブルスタンダードを使っていたことがわかったのです。
もともとは、二〇一三年三月八日の衆議院予算員会において「ブッシュ大統領に慰安婦問題について釈明したのではないか」という私の質問に対して、安倍首相が「今、事実関係において間違いを述べられたので、ちょうどいい機会ですから、ここではっきり述べさせていただきたいと思いますが、ブッシュ大統領との間の日米首脳会談においては、この問題は全く出ておりません(略)その事実関係が違うということだけははっきりと申し上げておきたい」と声高に発言したのがきっかけ。
2013年2月7日の衆議院予算委員会で、安倍首相が辻元清美に対してわざわざ「辻元清美が事実関係において間違いを述べた」と答弁。
→その答弁と官邸や外務省のホームページに書いてあることが違うので、どちらが正しいのかと5月8日に辻元が質問主意書で指摘。
→5月17日に閣議決定された答弁書で、安倍首相の答弁が間違っておりホームページの記述が事実であると政府が認める。
→5月20日の参議院決算委員会で民主党・神本議員の質問に対しても、安倍首相は「申し上げていない」と再び否定。
→5月21日に菅官房長官が、「精査する」と引き取り、翌日に答弁を修正。
誰でもわかるような「嘘」をついてまで、安倍首相が強弁したのは、安倍首相の歴史認識をめぐってアメリカが強い懸念を示しているため、国内外でダブルスタンダードを使わざるをえなくなっているからです。しかし、そうした安倍首相の態度が、まさに日本の信用をなくしていることに、いい加減気づくべきです。
—————————
官房長官:首相の慰安婦発言「あった」 07年米大統領に
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、安倍晋三首相が第1次内閣の2007年4月にブッシュ米大統領と会談した際、従軍慰安婦問題で「申し訳ない」と発言したかどうかについて「(首相が当時、米)議会の場で言ったことを大統領にも説明した」と述べ、事実上認めた。首相は20日の参院決算委員会で「大統領との会談で言ったわけではない」と否定していたが、菅氏は、17日の政府答弁書に沿う形で軌道修正した。
(5月22日、毎日新聞デジタル)※紙面は23日朝刊掲載
首相の「元慰安婦に申し訳ない」発言、官房長官認める
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、安倍晋三首相が2007年の日米首脳会談で「元慰安婦に申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」との考えを当時のブッシュ大統領に伝えていたことを認めた。「首脳会談前日の議会関係者との会談でこうした話をした、ということをブッシュ大統領にも説明した」と明かした。
この発言をめぐり、17日には「首脳会談における首相の説明」との答弁書を閣議決定したが、首相はその後、「共同記者会見で述べたことだ」として首脳会談での発言を否定していた。(5月22日、朝日新聞デジタル))※紙面は23日朝刊掲載