本日の毎日新聞に下記の記事が掲載されました。
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菅官房長官:慰安婦巡る首相答弁、精査へ
毎日新聞 2013年05月22日 東京朝刊
菅義偉官房長官は21日の記者会見で、安倍晋三首相が第1次内閣時代の07年4月にブッシュ米大統領と会談した際、従軍慰安婦問題で「申し訳ない」と発言したかどうかを巡り政府答弁書と首相の国会答弁が食い違っている問題について「精査させてほしい」と述べ、事実関係を確認する考えを示した。
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その「食い違い」が、慰安婦問題についての辻元に対する予算委員会での答弁と、辻元の提出した質問主意書への答弁書です。
アメリカに対しては「説明した」、国内では「まったく出ていない」などと、安倍首相が都合よく言葉を使い分けていることが、外交問題に発展する可能性もあります。
<以下、5月17日のブログを再掲載>
3月8日の衆議院予算委員会で、辻元清美の質疑に対し安倍首相は「(辻元は)事実関係において間違いを述べられた」「(第一次安倍政権で)ブッシュ大統領との間の日米首脳会談においては、この問題(慰安婦問題)は全く出ていません」と答弁しました。
しかし、首相官邸のウェブサイトには、「このような話(元慰安婦の方々に対する、申し訳ないという気持ちでいっぱいであるという話)を本日(首脳会談)、ブッシュ大統領にも話した」と掲載されています。これでは、安倍首相の答弁と政府発表が食い違うことになります。
以上の点について、5月8日提出の質問主意書を出したところ、本日それに対する答弁が出されました。
今回の答弁一、二の1、二の2及び3についてで、政府は、2007年4月27日の首脳会談で、安倍総理からブッシュ大統領に慰安婦問題に関する説明があったことを認めました。したがって、安倍首相は辻元に対して間違った答弁をしたことになります。
衆議院議員辻元清美君提出慰安婦問題についての安倍首相とブッシュ前大統領との会談に関する質問に対する答弁書・一問一答
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内閣衆質一八三第六八号
平成二十五年五月十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三
衆議院議長 伊吹 文明 殿
衆議院議員辻元清美君提出慰安婦問題についての安倍首相とブッシュ前大統領との会談に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出慰安婦問題についての安倍首相とブッシュ前大統領との会談に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の外務省ホームページの記述及び当該記述中のジョージ・W・ブッシュ米国大統領(当時。以下「ブッシュ大統領」という。)の発言に関する記述は、いずれも平成十九年四月二十七日(現地時間)に行われた日米首脳会談及びその後の昼食会における安倍晋三内閣総理大臣(当時)の説明及びブッシュ大統領の発言を踏まえたものである。
二の1について
御指摘の首相官邸ホームページの記述に関する理解は、御指摘のとおりである。
二の2及び3について
御指摘の首相官邸ホームページの記述は、平成十九年四月二十七日(現地時間)に行われた日米首脳会談における安倍晋三内閣総理大臣(当時)の説明を踏まえたものである。
二の4について
ブッシュ大統領は、「安倍内閣総理大臣は安倍内閣総理大臣の思うところを率直に語ってくれた。その率直さを私は評価する」旨の発言を行った。
三について
平成二十五年三月八日の衆議院予算委員会における御指摘の安倍晋三内閣総理大臣の答弁は、当該委員会における御指摘の辻元清美衆議院議員の発言の趣旨に対し、平成十九年四月二十七日(現地時間)にブッシュ大統領と行った記者会見において、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が、慰安婦についての考え方として、「辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、人間として、また総理として心から同情するとともに、そうした極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ないという気持ちでいっぱいである、二十世紀は人権侵害の多かった世紀であり、二十一世紀が人権侵害のない素晴らしい世紀になるよう、日本としても貢献したいと考えている、と述べた。また、このような話を本日、ブッシュ大統領にも話した」旨の発言を行ったこと、また、このような安倍晋三内閣総理大臣(当時)の考え方について、ブッシュ大統領が評価を述べた事実関係を説明したものである。