政権交代から3年。私が国土交通副大臣のときにとりくんだ政策が、実を結び始めています。
まず、日本航空(JAL)が再上場を果たしました。
3年前の9月18日に国交副大臣に就任したとき、倒産秒読みと言われたJAL問題は、国交省のみならず政権の最重要課題でした。
もしもあれだけの大企業が倒れれば、日本の経済や国際的信用に与える影響がはかりしれなかったからです。
自民党政権での政官業の癒着の象徴といわれていたのを、「先送りはしない」「納得できないお金は入れない」「国民目線で解決する」という方針でメスを入れ、再建を実質的にリードしました。大阪商人のしたたかさ、粘り腰で政権内の調整を行い、メガバンクなどとも調整し、飛行機を飛ばし続けながら法的整理へとソフトランディングさせました。
そして今季JALは黒字転換を果たし、再上場へとつながったのです。
市場の公正な競争はゆがめないように、本当の再生ができるかどうか、これから真価が問われています。
また副大臣時代には、約1兆円の有利子負債を抱え、旅客数が伸び悩んでいた関西空港を国際拠点空港として再生するため、関空・伊丹の経営統合に向けた法案をつくり、関空を拠点とするLCC(ローコストキャリア)の早期立ち上げを支援しました。
関空の経常利益は黒字転換し、支援のための政府補給金も、当初の90億円から75億円、来年度は40億円程度と、徐々に減らしていけるように。そして、グローバル貨物航空会社のアジア地域における貨物ハブを実現するため、官民が協力してアジア諸国との激烈な競争のなかでFeDexの関空誘致に成功。関西経済にとってこれは大きなチャンスです。
JAL問題も関空問題も、前政権時代は思い切った改革ができないうちに、破綻寸前まで負債が膨らんでしまいました。しがらみのない私たちだからこそできたことです。
お年寄りの住宅問題にも取り組みました。
これまでは入居時に高額の一時金が必要という高額所得者向けの住宅か、低所得者向け公営住宅が多く、中間がほとんどありませんでした。
政権交代直後から議論して、ターゲットを絞り込み、「高齢者住まい法」を改正して、中所得者向けの「サービス付高齢者向け住宅」制度を設計したのです。
現在非常に評判の高い制度です。
政策の新しい方向性を出して、しがらみや負の遺産を整理して、政策を転換させ、法改正などをして、目の見える形で成果を出す……そこまでには、種をまいてから3年は必要。他の政策も同じです。
それでも、安易な「ばらまき」ではなく、根本的な体質改善をめざした経済政策は、いったん軌道に乗れば安定的な成長へと結びつく。そんな政策を積み上げ、自ら「営業」もしていくことが、今の政治家に求められています。
「維新の会」がいうように、憲法を変え、道州制など「しくみ」を変えれば全部がうまくいく――そんな甘いものではない、と国政の最前線で格闘してきた私は実感しています。
現場を大事にして、地に足の着いた政治を続けていきます。