つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

「脱原発基本法案」の要綱案を発表しました。

2012.7.20

国会ブログ

7月20日、脱原発ロードマップを考える会の総会で、「脱原発基本法案」の要綱案を示した。さきに作って政府に提案した「脱原発ロードマップ」を法案化したものだ。
脱原発基本法案要綱案<未定稿>
この日の総会では、エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論について、政府を呼んで議論した。
エネルギー・環境に関する選択肢[概要]国家戦略室
エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論について
私が9日の予算委員会で懸念を示し、見直しを求めたように、やはり「意見聴取会」については問題が続出している。電力会社の関係者が発言したり、地元以外の人が発言したり。
本日出された資料を見ると、例えば14日のさいたま会場では、意見表明申込者が309名、うち「3つの選択肢」の「2030年にゼロシナリオ」が239名(77%)、「15%」が30名(10%)、「20-25%」が40名(13%)だった。しかし、発言者はそれぞれ3名ずつ。これには菅前総理をはじめ議員から異論が続出した。
また、11会場では少なすぎる、8月に結論というのは拙速すぎる、という意見もあいついだ。
私は「11会場でよい、とした経緯はどうなっているのか」とただした。
あまり深い議論はしていない、という政府答弁。
また、電力会社の関係者が発言したのが非難をあびたから、次からは発言しないようにした、としているが、「そもそも本質的にやり方に問題があるという議論はないのか」とただした。
会場で配られている「3つの選択肢」についての資料についても、異論が続出した。
「国民的議論」のベースとなる資料だけに、中立的な内容でなければならないはず。
しかし、随所に誘導的な内容が含まれている。
福山前官房副長官は「全面的改訂を!」と怒りをあらわにした。
例えば3つのシナリオの「共通事項」には、「使用済み核燃料や放射性廃棄物の発生を抑制することにより、将来世代への負担を減少させる。」と記述されている。
しかし、明らかに「ゼロシナリオ」は使用済み核燃料も放射性廃棄物も「ゼロ」にするシナリオ。
他の二つとは明確に違う。
また「ゼロシナリオ」には随所に「経済的負担が高くなっても」という注釈がついている。
それを判断するのは国民であり、誘導的に書くのはおかしい。平岡議員からも「これまでの終身雇用・正社員モデルと非正規モデルでは経済的負担は異なる。
非正規モデルでは、自然エネルギー部門の増加により雇用が創出される」と指摘。
「15シナリオ」には「40年運転制限制度を現存する原発に自然体で運用した場合の数字にほぼ相当する」「CO2削減の要請を円滑に削減する」「さまざまな環境の変化に対し柔軟に対応」などという文言が並ぶ。
「25シナリオ」には「他のシナリオよりも経済への影響は小さい傾向」とあるが、再び原発事故が起きたときのコストはどうなるのか。
そして、多数よせられているパブリック・コメントについても多くの意見が出た。
一日1000件、すでに16000件が寄せられているという。
8月中旬までパブリックコメントを募集し、8月中にエネルギー政策を決めるというが、そんな短時間で十分な分析ができるのか。誰に、いくらで発注したのか。などなど、疑問の声があいついだ。
政府答弁は、すべて「検討中」。これでは、「ガス抜き」といわれても仕方がないだろう。
総会終了後、13時10分から、私と近藤議員、平岡議員の3人で古川国家戦略担当大臣のもとへ。ここで出た意見や疑問を届けた。
私は、
「これだけ多くの人が関心をもっているのは、かつてない。それだけの重要案件だ。意見聴取会では声を聞くだけではなくて、ワークショップをするなどして声を引き出す工夫をするべきだ。そして、少なくとも47都道府県で開催すべき」
と提案。
官邸前抗議行動を含めた一連の動きを、ただの「抗議」ととるか、民衆のエネルギーととるかで政権の未来がかかっている局面だ、と強調。プロセスを含めて全部オープンにすべき、と重ねて提案した。
「政府も試行錯誤中。やり方についても固定的に考えているわけではない」と古川大臣。
NGO出身の私としたら、合意形成のプロセスに私たちがどれだけコストをかけ、手法を編み出してきたか、と歯がゆくてならない。
広告代理店が持っているのは「意見誘導」のノウハウだが、NGOには参加を通して意見を引き出し、合意を作る「ファシリテーション」の技術がある。
これらは対極の技術で、ファシリテーションは先進的な企業では社内会議で採用している技術だ。
それを外注した司会者に、場を仕切らせているようでは話にならない。
こういう発想がまかり通っている永田町や霞ヶ関が20年遅れなのだ、と痛感。
これからも引き続き具体的に提案していく。