つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

実務責任者として国民目線で取り組んだJAL再建。

2012.2.17

国会ブログ

「日航スピード再生」という記事が出た。私は、やっとここまできたかと胸をなでおろした。
実は、私、国土交通副大臣の時、「日本航空再建本部(本部長・前原誠司国交大臣)」の事務局長を務めていたのだ。「前原・辻元コンビ」の初仕事がJAL再建だった。私たちが引き受けた二年半前、JALは二兆三千億円もの負債をかかえて、にっちもさっちもいかなくなっていた。
そのJAL建て直しの実務責任者を任された時、正直「これは大変だ」と思った。当時はリーマン・ショックの後で、関連企業が多いJALを破綻させてしまったら、日本経済にどれくらいの影響が出るのか、また国際的な信用がどれくらい落ちるのか、計り知れなかったからだ。
 
しかし、私は覚悟を決めた。大阪の商売人の娘としてのド根性を発揮する、そして、国民目線で解決に当たる、と腹を固めた。
自民・公明政権時代は、JALが作った再建案に国交省内の有識者が「お墨付き」を与えて、何千億円もの公的資金を注いできたのだ。なのに、再生どころか、経営悪化の繰り返しだった。官僚の天下りや族議員との癒着も指摘されていた。
 
私は、まず、この「負の連鎖」を断ち切るところから始めた。私には「しがらみ」がない。よって、国民の代表として「自分が納得しないお金は出さない」と決めた。
JALの関係者やここまでの経営悪化を黙認してきたメガバンクは、倒産を意味する「法的整理」ではなく、いわゆる「私的整理」で今まで通り難を逃れられると考えていたようだった。
しかし、私は厳しく対応した。JALやメガバンク関係者と激しい議論を繰り返した。
そして、最終的に、企業再生支援機構を管財人として裁判所の管理下、「会社更生法」による「法的処理」という厳しい対応を断行することにした。そして稲盛和夫さんにJALに入ってもらい陣頭指揮を取ってもらうことにしたのだ。
 
その後、人員削減などによる問題は一部残した(これはしっかり解決して欲しい)が、新経営陣の努力と企業再生支援機構などの協力により、一千八百億円(今年三月期見込み)の黒字になった。「二年という期間でのスピード再建は日本の産業史でも珍しい」と日経新聞でも報じられた。今秋には再上場を目指し、企業再生支援機構が出した三千五百億円の融資の返済も進みそうだ。
 
当時は「黒子の調整役」に徹していたが、今はもう語ってもいいだろう。私は、今、厳しい対応をして良かったと思っている。
そして、今問題になっている東京電力への対応も厳しくした方が最終的には良い結果が出ると考えている。
日本経済の再生が大きな課題だ。
私は、日本航空再生の経験を生かして、日本経済再生に取り組む決意を新たにしている。