「提言型政策仕分け」の仕分け人として、初めての「仕分け」に参加。
私が参加したワーキンググループAでは、初日に「原子力・エネルギー」の議論を行い、焦点となった高速増殖炉「もんじゅ」は「抜本的な見直し」という結論を下した。私は当然の結論だと思う。もっと踏み込んで、「もんじゅは廃炉」、高速増殖炉計画そのものも「廃止を含む見直し」といってもよかったのでは、とも思うが。
福島第一原発事故が起こり、政府ではコスト計算の議論が行われている。事故が起きた際の損害賠償額の上限の見直しや「無限責任」の議論も出ているなか、電力事業者が保険会社にかける保険料があがれば、当然電力コストにはねかえることになる。事実、海外ではここがネックとなって新規原発建設のための資金調達が難航するという。
大臣参加のセッションでは、枝野経済産業大臣が「原発事故を想定したとき、引き受けようという損害保険会社があるだろうか。多分ないと思う」と問題提起。「100%安全という、使用済み核燃料を扱う技術が今後生まれるかといえば難しく、受け入れ自治体も出てこないのでは。今日も次世代へのツケを残し続けているのだ」という認識をあらわした。緊張感のあるいい議論になったと思う。
そして、2日目となる11月21日(月)。10時から「教育:大学改革の方向性のあり方」、14時から「科学技術:研究開発のあり方・実施方法」の議論が行われる。私はこの二つと、23日(水・祝)の「中小企業:経営支援、商店街活性化支援策」に参加する。
すべての議論を通して私が「基本のき」として考えていたのは、政策が適切かどうかを判断する際に、「失敗」をきちっと認める勇気をもつということ。そこからしか、発展は生まれないと思うからだ。
とくに重視したのは、これまでの「補助金ありき」の政策のあり方が、既得権をもった「機構や組織の存続」のためのものでなかったかという視点。このことがかえって研究開発を妨げたり、若い人のビジネスチャンスを阻害したり、学ぼうという意欲のある人たちの就学機会を奪っていたのでは、ということだ。
お上から補助金がでるからやろう、ということではなく、やる気のある人が「もう少し、誰かの手助けがあれば・・・」というときに少しだけ後押しする、資源を自ら集めやすくするための政策へと転換していこう。そう考えて、今回の「仕分け」に望んだ。