つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

「居場所と出番と絆」のある社会を

2011.1.1

国会ブログ

●絶望するより行動を
私は昨年一年「批判より実行」を誓ってスタートしました。国会は言論の府ですが、議論だけで終わるのではなく政策実現のための行動が大事。理念→政策立案→議論→行動→実現→社会の変化。 
一つでも二つでも具体的に「政策実現」を果たす。そのために黙々と働いた一年でした。
マスコミでは「菅政権の迷走」こんな見出しが溢れています。政権交代を共に目指した議員の中には「こんなはずではなかった」と暗い顔で呻く人もいます。
支持率はまるでジェットコースターのよう。でも政治家がそのジェットコースターに振り回されてフラフラになっているようでは困ります。それにあんなに頻繁に支持率をとる必要があるのかも疑問です。
私たちは政治の当事者です。「失望し嘆くヒマがあったら、ちょっとでもエエコトせなあかん。そのために選ばれている」と腹を据えて前進あるのみです。
●日本を覆う危険な空気
ではどこに羅針盤を定めて前進していくのか?
私の羅針盤=理念は突き詰めれば「路頭に迷う人を出さない」と「戦争は絶対に起こさない」です。
この二つは相互に関連しています。路頭に迷う人が増えれば社会不安が溜まって「閉塞感を打ち破りたい」とカリスマ待望論が出てきたり、「外国人に仕事を奪われている」と排斥運動が起こったりします。
先日、ある講演で「菅さんにはガッカリした」という声が飛んできました。私が「では、総理大臣は誰がいい?」と問うと「誰もいない!」という声がこだまし、「そうだ!」という掛け声と共に大きな拍手が起こりました。私はこの時、ゾッとするような危機感に襲われました。政治への絶望の先に出てくるのは、「強いリーダー(カリスマ)」待望論ではないだろうか、と感じたからです。
尖閣事件、北方領土問題、北朝鮮による韓国砲撃、普天間基地問題……。年末のテレビ出演依頼はナショナリズムを煽りたてるようなテーマが目立ちました。
先日閉会した臨時国会の終わりごろには「菅左翼政権打倒!」と手に手に大きな日の丸を持ったデモ隊が国会前に集結しました。外国人参政権反対などのスローガンを掲げた団体が連日国会前で抗議行動をしていたのです。この光景が国会前の日常になっているのです。
円高、デフレからの脱出も容易ではなく、経済状況も厳しい。歴史を振り返れば、そんな時にナショナリズムがファシズムに変容していったのではなかったのか、と考える私は心配性すぎるのでしょうか。
歴史の過ちを繰り返さないためには手をこまねいている訳にはいかない、行動しなければ!
●「居場所と出番と絆」のある社会を
さてそれでは処方箋は?
一つは偏狭なナショナリズムに警鐘を鳴らすことと、東アジア情勢を安定させること。先に行われた日米軍事演習は、過去最大規模。沖縄はまさに「戦時下」を思わせる状況で住民の不安は高まり、韓国・北朝鮮の両国の緊張を高めたことも間違いありません。しかし本土メディアはベタ記事扱いで、永田町でも話題にならない、極めて異常な状況でした。
今後は特に中国との関係修復が要になるはず。年明けに超党派議員で行く訪中団に参加し、中国のリーダーたちと腹を割った意見交換をしたいと思います。
そしてもう一つが「居場所と出番と絆」のある社会を回復するために「社会的包摂政策」を実行すること。
昨年の春、私がまだ国交副大臣だった時、当時の菅副総理とともに「セーフティネット実現チーム」を立ち上げました。現在は小宮山洋子厚労副大臣に引き継がれ活動継続中です。内閣参与の湯浅誠さんと一緒に政府と与党と運動をつなぐ行動を開始しました。
「新しい公共」も必須です。NPO法を作ったネットワークをフル稼働させて市民公益税制の改善に取り組んでいます。加藤紘一自民党元幹事長、江田五月前参議院議長を共同代表に超党派の「NPO議員連盟」も再開させました。幹事長は私で事務局長は中谷元・元防衛庁長官です。「ピースボートから自衛隊出身者まで」社会の絆回復のための大同団結です。
具体的な政策をひとつひとつ実現していくことが「いつかきた危ない道」に至らない方法と信じて今年も邁進していく決意です。
●菅総理、原点を見失わないで!
菅さんが言い続けてきた「最小不幸社会」とは不幸になる原因を取り除くのが政治の役割であり、最大の不幸は戦争だという理念だったはずです。最近菅さんはこの言葉を封印しているのかしら? この原点を見失わないように菅総理にはクギを刺さなければ。
みなさんとともに「政治をあきらめない」を合言葉に今年もがんばります。
辻元清美