霞ヶ関の国交省の本省にいるだけでは、地方の現状についてわからないことがどうしても多くなる。なので私は、できるだけ機会をいかして「現場」を見るようにしている。北海道、北陸、そして今回は九州の現場へ。
5月16日、熊本市で行われた「水防訓練」に参加。
いま国交省は、ダムに頼らない治水のあり方を検討している。その意味で、全国で行われている水防訓練はとても重要だ。水防に関わる伝統的工法とIT技術を融合させて、地域をまもるノウハウが込められている。そして、地域に置かれている「水防団」。非常勤の公務員として、本業を持つ地域の人々に水防団員となっていただいており、河川の増水や決壊があると土嚢を積んだり、被災者を救出するなどの任務にあたっていただいている。希薄になりつつある地域のつながりを取り戻す上でも、水防団をもう一度組織し直し、住民の力で地域をまもっていくことは重要ではないかと考える。
その後、人吉市でSLに試乗。
この町では、SLを復活させて町おこしをしようと試みている。大盛況で、何ヶ月も予約がとれないほどだという。私はJR九州の社長といっしょに試乗。車内で感じたのは、周囲の人たちからこの取組みが愛されているということ。SLを見た周辺の方々が、みな手を振ってくれる。本当に懐かしく、いやされる思いがした。日本各地で、もっとSLが復活すれば町の光景は変わると実感。
その後、撤去が決まった荒瀬ダムを視察。
古いダムを撤去するルールがないなかで、自治体と国が協力して進める、自然を回復させるためのモデルケース的なとりくみになる。今週から熊本県と国交省で、検討委員会を設置していく。