つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

北海道視察にいってきました

2010.2.9

国会ブログ

2月7日、8日。1泊2日の強行軍で、北海道を視察。目的は私の担当である北海道開発と観光の現状を見ることで、道東の主な観光地と国交省地方出先機関を訪問した。
副大臣に就任してから最初の視察先に北海道を選んだのは、北海道が日本を変える起爆剤のひとつと考えているから。
私の考えるキーワードの一つはエコ。これからはすべての事柄についてエコロジーのコンセプトを組み込む必要がある。北海道は自然と共生し、どう活用していくかという点でさまざまな取り組みを行っている先進地域だ。
そしてアグリ。いま日本国内の食糧自給率は40%と、いわゆる先進国のなかではもっとも低い。しかし北海道に限れば200%。今後日本全体の食糧自給率アップをめざしたときには重要な役割をもつことになる。
そしてツーリズム。観光こそ内需拡大のエンジンであり、日本を元気にする起爆剤だ。環境との共存、食糧自給率の向上、そして内需拡大という大きな課題解決のヒントが北海道にあると私は考える。
7日、羽田空港を7:45に出て釧路空港に降り立ったのが9:35。釧路湿原を視察し、シルバーボランティアガイドの方から話しを聞いた。その後釧路港へ。
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昼食後、釧路から阿寒へ向かう。雪吹雪の中を進んだ。阿寒国際ツルセンターを視察し、阿寒湖氷上フェスティバルへ。夕方には溝畑観光庁長官も合流。
実は北海道は高校一年生の夏休みに、1カ月間旅行したことがある。札幌から道東へ向かい、阿寒・摩周・屈斜路・川湯・斜里・野付岬・知床・稚内・礼文島・利尻島と回った。とくに阿寒湖の近くにある「川湯ユースホステル」に長期滞在して、阿寒湖や摩周湖をうろうろしていた。今回の宿泊先は阿寒湖だが、湖の様子は30数年前とちっとも変わらない。しかし温暖化の影響が出ているという。まさか副大臣になってここにくるとは・・・。
この日の夜、蝦名釧路市長をはじめ地元の観光関係者の方々などと意見交換。北海道の自然を紹介するカリスマ的な若い男性や、知床半島の羅臼に自ら飛び込んで漁業と国際交流を結びつけた観光プログラムを作ろうと悪戦苦闘している30代の女性などから、現場に即した話しが聞けた。阿寒観光協会まちづくり推進機構の取り組みも興味深かった。
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そしてアイヌの民族芸能を鑑賞。私も踊りのなかに入る。踊り手の女性の一人が「私はピースボートに二回、アイヌ文化を紹介するために乗ったんです」と教えてくれた。さらに驚いたのは、劇場にいた若い女性が私に近づいて「今度ピースボートに乗ります」と声をかけてくれたこと。長くひとつのことをやっていると、日本中にネットワークが増えるなあ、と実感。
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翌8日、3億人が見たと言われる中国史上最大のヒット映画『非誠勿擾(フェイ・チェン・ウー・ラオ)』(邦題:『狙った恋の落とし方』)のロケ地、主人公が日本で最初に降り立つ場所として撮影された北浜駅を訪問。ここで大場網走市長が出迎えてくださった。
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いま北浜駅は中国からの観光客の最大人気スポットになっている。映画上映後、北海道を訪れる中国人観光客の数は11倍になった。駅のなかにはたくさん名刺が貼ってあるのだが、中国人や韓国人の名前も多い。私も貼らせてもらった。
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その後流氷観光砕氷船「おーろら」に乗船。偶然にもこの冬初めて流氷が来た日だったこともあり、船は満員。台湾や中国のお客さんが多かった。やはりアジアに呼びかけなくては。中国人観光客に向けた観光ビザ発給要件緩和などを進めたい。網走監獄博物館なども視察。
そして女満別空港から新千歳へ移動。札幌では上田札幌市長に案内していただき、札幌雪まつりを見る。これまで行ったことがなかったので、盛大な様子に驚く。まさに世界に誇るビッグイベントだ。その後道内の経済団体や副知事と意見交換を行う。
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いま政府は、成長戦略の柱として観光を位置づけている。国交省では観光立国推進本部を設置しており、各省の副大臣が集まってニューツーリズム、アグリツーリズムなど多様な観光メニューについて、関係省庁の連携による総合的な振興策の検討を行っている。私は事務局長としてとりまとめを行っており、今回北海道で体感したことをしっかり血肉にしていきたい。
また私はこの日、札幌第一庁舎を訪れて国土交通省地方機関(北海道運輸局・北海道開発局・札幌航空交通管制部・札幌管区気象台・第一管区海上保安部・国土地理院北海道地方測量部など)で働く約400名に訓辞を行った。実は政権交代以降、北海道における政務三役による訓辞は初めてとのこと。みんな凍り付いたような面持ちで、かなり不安げ。何を言われるのだろう、という緊張が伝わってくる。私は笑いをとらなくては、と「総理総理の姉ちゃんがどんなことをいうかと思っているんじゃないの」と切り出すと大爆笑。ようやく緊張がとける。
私は「北海道はもちろん、日本のグランドデザインを変える時期にあり、今あるインフラをどう活かすかに知恵を絞ってほしい」と述べた。この厳しい財政状況のなかでは、政策決定の優先順位を決めていくことがきわめて重要。「子どもや孫の世代のために、この地域で毛細血管のように情報を集めて、政策決定の優先順位付けに協力してほしい」と訴えた。
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21:15に千歳発の飛行機が雪で遅れ、羽田についたのは23:30を過ぎていた。疲れたが、実のある2日間だった。