2023/12/7(木)、「離婚後共同親権制の導入に係る課題等に関する質問主意書」を提出しました。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/212/meisai/m212084.htm
→12/19(火)答弁書が閣議決定されました。上記URLからご覧いただけます。
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離婚後共同親権制の導入に係る課題等に関する質問主意書
法務省法制審議会家族法制部会において離婚後の親権のあり方等について審議が進んでいる。現在、法務省が提示した「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台」に基づき議論がなされているところであるが、同「たたき台」の前提及び背景にある政府の認識は必ずしも明らかではない。
よって、以下質問する。
一 現行の単独親権制でどのような問題が生じていると把握しているのか、また、共同親権制を導入することでそれがどのように解決されると想定しているのか、それぞれ具体的に示されたい。
二 「たたき台」では、共同親権を原則とし例外的に単独親権とする運用も可能な制度が提案されているが、共同親権にしてはいけないケースが共同親権とされてしまう危険がある。この危険をどのように排除できるのか、家庭裁判所及び関係行政機関に係る制度、施策等具体的な方策案を示されたい。
三 現行法制下ではいわゆる子連れ別居は違法とはならないが、家族法制の見直しに伴い違法とみなされることはあり得ないのか、政府の認識を示されたい。
四 離婚後共同親権制が導入された場合には、医療機関や学校などにおける子に係る手続き等において、トラブル回避の為に親権者全員の同意の証明や署名が求められることが考えられる。これらの現場ではどのように親権者を特定又は確認をすることとなるのか、親権者の一方との連絡が困難等の事情がある場合にはどう対応するのか、具体的な想定を示されたい。
五 共同親権者の一方が離婚後に再婚をし、その相手が子と養子縁組した場合などにおいて、共同親権者の他方は引き続き親権者となるのか等、混乱が生じ得るという指摘がある。どのような制度設計を考えているのか。
六 同部会資料32―1の第2の1(1)イでは「子の利益のため急迫の事情があるとき」親権は父母の一方が行うとあるが、この「急迫の事情」とは具体的にどのような事情を指すのか。
また、例えば親権者の一方が他方を無視したり連絡を受けることを拒否したりする場合、恐怖等のために意思の確認が困難である場合、子が虐待のために加害親の意思を確認することを拒む場合は「急迫の事情があるとき」又は同ア「他の一方が親権を行うことができないとき」に該当するのか。
七 別居親が共同監護者となる場合、監護者とならない場合及び監護者の定めをしない場合のそれぞれにおいて、別居親が単独で行うことができる監護及び教育に関する日常の行為、並びに同居親に対する介入が認められる日常の行為はどのようなものになると想定しているか、具体的に示されたい。
右質問する。