2023/10/20(金)に提出した「ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問主意書」に対し、10/31(火)答弁書が閣議決定されました。
自家用車ライドシェアは先進国ではほとんど行われていないことを政府が認めたのは、大きな成果でした。さらに、例え特区であってもライドシェアは認めない、という政府の方針があらためて確認されたことも重要です。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/212/meisai/m212018.htm
①OECD加盟国の中でライドシェアが禁止されていないのは米国の一部の地域だけ、と政府答弁。政府が調べても、米国の一部しか事例がないということであり、自家用車ライドシェアは先進国ではほとんど行われていないことを認めた答弁といえる。
②外務省は、ライドシェア利用に関連する犯罪が、邦人に及ぶ可能性を認めた。
③森屋隆議員が引き出したこれまでの政府答弁に変わりはなく、特区という形でもライドシェアは認めないことを政府は答弁した。
④驚くことに世界各国のライドシェア関連の犯罪について、政府は「把握していない」と答弁。まだライドシェアが国内でさほど話題になっていなかった2016年に出した主意書では、政府はちゃんと「情報を収集」して米豪印3カ国11都市の事案を示している。その後、各国でライドシェア関連の犯罪は多発する。それなのに政府はまったく調査をしないで、ライドシェアの議論を進めていることになる。しかも性的暴行について「米国の主要ライドシェア企業においては998件」という政府答弁を紹介しているが、これはUber社1社のみの数字にすぎない。政府は、同業他社のLyftは1件も事故を起こしていないという認識か?
また同時に、森屋隆参議院議員が出した「ライドシェアが地域公共交通等にもたらす影響に関する質問主意書」への答弁書も閣議決定されました。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/212/meisai/m212008.htm
①全国のタクシー運転者は、運賃改定で確実に増加していることを政府は認め、具体的な数字を明らかにした。
②政府は、改正「地域公共交通の活性化・再生法」に明記された地域公共交通ネットワークの再構築が重要、と答弁した。従来の交通機関とは異質のライドシェアよりも、上記改正法の取り組みを重視する姿勢だと受け止める。