つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

2023年6月15日 環境委員会 速記録:水俣病、原発、再生可能エネルギー

2023.6.16

国会ブログ活動報告速記録・議事録国会質問

○辻元清美君 立憲民主党の辻元清美です。
私は、今日は、環境及び公害ということで、水俣病の問題、それから後半は、再エネや、それから原発、エネルギーの問題について質疑したいと思います。
まず、水俣病の件なんですけれども、私は、議員連盟がありまして、この議員連盟のかつて会長も務めていまして、何とか全ての人たちの健康調査や、それから、御高齢になる方もたくさんいらっしゃいますので、やはりしっかりとした国の支えということを政府とも長きにわたって協議をしてまいりました。
そんな中で、西村環境大臣が先月の5月1日に水俣市を訪れていただきまして、この慰霊式に参列してくださいました。そのとき患者や関係者の皆さんと意見交換をされたと思うんです。改めて、大臣としては初めて水俣に行かれたわけで、この水俣病の特に健康調査、これは政府も様々この間発表していらっしゃいますけれども、環境大臣としての責任と、それからこれの全面解決に向けての御決意をまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(西村明宏君) 今、辻元委員から御指摘ありましたように、先月、水俣で開催されました水俣病犠牲者慰霊式に参列すると同時に、地域の皆様の声をお聞きいたしました。公害によってもたらされた被害の深刻さというのを更に強く認識したところでございます。
その上で、このような悲惨な公害を二度と繰り返してはならないこと、そして、こうした歴史や教訓、これを世代を超えて伝えていくこと、また、地域の方々が安心して必要な医療や福祉サービスを受けていただける環境を整備していくこと、こういったことなどについての思いを強くいたしたところでございます。
引き続き、水俣病対策、しっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

○辻元清美君 そしてさらに、先月、熊本県の知事や水俣病患者会の健康調査の早期実施を求める要望、これ直接大臣お受けになったと思うんですけれども、で、去年の12月には、環境省が公表されました、このMRIや脳磁計を組み合わせた診断手法を公表して、その手法を使った健康調査の在り方を議論する研究班を夏頃までに立ち上げたいということで、公募も始められました。
これ、いつまで、夏頃というのは、もう6月ですので、もう夏でございますので、いつまでに立ち上げて、どんな人が参加して、何を目的とする研究班なのか、お示しいただきたいと思います。

○国務大臣(西村明宏君) 水俣病の健康調査につきましては、専門的な知見の充実や整理を図る必要があることから、できれば夏頃までに研究班を立ち上げたいと考え、その準備を進めているところでございます。
具体的には、研究班の公募を行いました。そして、応募がございましたことから、現在、その審査の手続を進めております。研究班の構成員や研究内容は、まだ公募に応募いただいた皆様のその審査を進めている段階ですので、具体的な構成員、研究内容などは現時点においては確定はいたしておりません。

○辻元清美君 夏頃までにということで、もう夏ですので、6、7、8が大体夏と言われますので、9月は、大臣、秋ですよね。いかがですか。九月は秋ですね。

○国務大臣(西村明宏君) 何月までが春夏秋冬という定義についてはあれですけれども、夏頃までにということで、気持ちといたしましては、その審査の手続を速やかに進めて、できるだけ夏といっても早い時期に決められるように今努力しているところでございます。

○辻元清美君 それで、これからの調査研究の中身はこれから詰めるというようなことでしたけれども、今までも同様の調査研究、環境省を中心にあったわけですね。
今までとの違いは端的に言えば何でしょうか。今まで何が不十分だったから今回またやろうということになったのか。いかがでしょうか。

○国務大臣(西村明宏君) 水俣病の健康調査につきましては、水俣病特措法において、第三十七条第一項で政府が健康調査を行うということが規定されておりまして、同条の第三項においてそのための手法の開発を図ることを規定しております。

こうしたことを踏まえまして、環境省とすれば、まず第三項の手法の開発という、この研究を進めてきたところでございます。この手法の開発によって、脳磁計やMRI、こういったものによってメチル水銀の脳への影響をある程度客観的に評価できるようになったということから、環境省におきましては、健康調査の実施に活用できる可能性のある一定の精度に到達したというふうに整理をいたしました。そのために、健康調査を実施するために、この手法を用いた調査の在り方について、これについての専門的知見の充実、整理を図る必要があることから、今度は第一項の方の研究班の立ち上げという準備を今進めているというところでございます。

○辻元清美君 特措法が成立してからもう13年たっているわけです。百名近くの方が亡くなられています。手法の開発をするための研究とか、手法の開発、手法の開発で13年たっちゃったんですよ。健康調査は、じゃ、いつからやるのかということなんです。
この応募の要領を見ますと、3年をめどにとなっているわけですね。これ3年待たずとも、実はこの熊本県とかそれから近隣の鹿児島県のこの臨床研究を続けている民間のお医者さんとか、それから県は独自にいろんなことをやっています。実際、水俣病の患者さんの診察をしている現地にはたくさんの医者、医師の方もいらっしゃるわけです。その方々からは、手法の研究、手法の研究と今までも言われ、検討されてきたんだけれども、日常的に診察する現場から見れば、水俣病認定患者でさえ陽性所見が得られないというようなこの検査の手法という指摘も今までの過程では言われてきたわけですね。
これ3年をめどにと言いますけど、その間にも亡くなる方もいらっしゃるわけです。ですから、一日も早くこれやっていただかないと、まず夏までにメンバーを決めて、そこから3年をめどに今までの手法の開発について、またそれについてどうかという。
私は、少なくとも、現地のお医者さんとか、それから研究者もいらっしゃいますので、その人たちとの連携をして、一日も早く実際の健康調査を実行するという責任が私は環境省にはあると思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(西村明宏君) まず、研究班の公募に当たりましては、その研究期間においては3年を上限とするというふうにしております。現在、応募のございました研究班の審査をしているところでありまして、その具体的な研究の進め方については、研究班による研究計画、これを尊重してまいりたいと考えておりますが、こうした専門家による議論も十分に踏まえながら、健康調査の実施に向けてできるだけ早く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
そしてまた、今御指摘のありました、民間の医療機関というお話ございましたけれども、今申し上げたように、現在、その応募のあった研究班の審査を進めているところでございますので、その具体的なことは現時点においては確定しておりませんが、研究の進め方については、今後、この研究班による研究計画、こういったものを尊重してまいりたいというふうに考えております。

○辻元清美君 そのときに重要なのは、どういうメンバーでどういう議論をしているかということをしっかり定期的に情報公開をしていただくということが大事だと思うんですね。こういう場合、特に情報公開をすることによって他の知見を外からインプットしていただけることもあるわけです。
ですから、大臣にちょっとお約束していただきたいのは、この研究班、公募で集めているという、まあ非常にオープンにやろうという趣旨はあると思いますので、この議論の過程をしっかり情報公開していただく、これはよろしいですね。

○国務大臣(西村明宏君) 先ほどからの繰り返しにはなりますけれども、現在、その応募のあった研究班の審査を進めているところでございますので具体的なことは確定しておりませんけれども、研究においては、その科学的、そしてまた専門的な議論を深めていただくということが重要だというふうに考えております。
具体的な研究の進め方については、今後、研究班による研究計画、これを尊重してまいりたいと考えておりますが、研究班の研究内容については毎年度末に報告書を公表することといたしております。

○辻元清美君 これはやっぱり政府の方針だと思うんですね。毎年度末の報告だけではなくて、定期的に会合も開かれて、いろんな審議会とか政府のプロジェクトみたいなものも毎回やっぱり議事録の公開であったり、こういうことが非常に重要だと、そのプロセスを国民また当事者に知らせるということ、これは問題解決にプラスになるんですよ、やはりですね。その間に様々な目が入ります。命が懸かった問題だし、そして国際的にも非常に注目されているわけです。同じような、後でまたPFOS、PFOAの質疑も出ますけれども、いろんな公害問題が出てきていますので、しっかり情報公開してほしいと思います。
特に、この環境省の国立水俣総合研究センターの水俣病に関する社会科学的研究会報告書でも、公害が発生した場合に、健康調査や現地調査が問題解決に最も効果的かつ必要であると報告されています。もう13年たって、やっとこの調査の開発というか研究というか、もう遅過ぎると思うんですよ。
ですから、最初に大臣は決意を語っていただきましたので、大臣の任命中にしっかり立ち上げて、夏までですから、そしてその手法についても公表していただきたいと。まあちょっと、あした解散・総選挙がやるのかとか、いろいろ微妙な時期なんですけど、大臣任期中にはやるという決意を最後にちゃんと示していただきたいです。

○国務大臣(西村明宏君) 私の任期がいつまであるかはちょっと私としてもお答えしづらいわけでございますが、ともかく、今、環境大臣という職責を担っているわけでございますので、できるだけ速やかに進めてまいりたいというふうに考えております。

○辻元清美君 今度、関西でやられている裁判の結果も出たりとか、やっぱり物すごく広範に至る人たちに被害が出ているわけですね。やはりこれは環境省が、環境庁が立ち上がった原点でもあるわけで、公害問題というのは。しっかり取り組んでほしいと思います。
さて、次に、エネルギー問題で、再エネへの投資、この間も連合審査で私最後に示したんですけど、相当世界中進んでおります。本委員会でも相当議論がなされています。また、この原発継続への投資、果たしてこれどちらが未来にとって有効なのかということを質問したいと思います。
まず最初に、この使用済核燃料問題、これ、全部でどれぐらい今たまっているんでしょうか。経産省、お願いします。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
2022年の12月末時点におきまして、国内の原子力発電所と六ケ所再処理工場に貯蔵されております使用済燃料は約1.9万トンと承知をしております。

○辻元清美君 これ、2トントラックに積んだら、単純に計算して1万台分なんですよね。この、私はすごく懸念しているんですね。袋小路にはまっていくんじゃないか。この全体のプールの75%が埋まってきています。
実際、昨日の新聞です。関電の福井県でのこの原発、たくさんあるんですけれども、元々、今年、2023年までに県外の中間貯蔵施設の計画地を確定すると約束していたと。約束が果たせなければ原発の停止もやむを得ないと。これぐらいせっぱ詰まって、地元の住民も非常に懸念をしていると。その中で、2000トン分の県外の中間貯蔵施設としてきたが、その1割の200トンをフランスに移送するから、これが県外の中間貯蔵施設への搬送と同じとみなしてほしいというような話が昨日の報道にも出ております。
これ、経産省は今どのような見解持っていますか。

○副大臣(太田房江君) お答えいたします。
国としては、関西電力が使用済燃料を福井県外に搬出する方針を示したということは御指摘のあったとおりでございますが、関西電力が福井県にした約束を実現する上で、先ほど言及のありましたフランスへの搬出というのは重要な意義があるというふうに考えております。最終的には福井県に御理解をいただく必要がございますけれども、今回の対応は、使用済燃料の県外搬出という意味で中間貯蔵と同等の意義があると私どもは解しております。
また、関西電力は、今回の200トンの県外搬出という対応にとどまらず、発電所の将来の安定運転に必要な使用済燃料の搬出容量を確保するため、引き続いてあらゆる可能性を追求して最大限取り組む方針というふうに承知をしております。国としても、関西電力による必要な搬出容量の確保に向けて、引き続いて前面に立って主体的に対応を行い、関係者の理解の確保に事業者とともに最善を尽くしていく所存であります。
福井県は、国の考えも承知をした上で、確認をした上で、県として総合的に判断する方針というふうに承知をしておりますけれども、今後、国の考えもしっかり説明をいたしまして丁寧に対応したいと考えております。

○辻元清美君 これ、200トンということで、当初2000トン分の県外への移送が可能になるように中間貯蔵施設を造るというような話も福井県と関電の間で出ていたと思うんですね。一割なんですよ。これ、あと大半ほかに、どこかにそれを県外に移送するというのは、私は相当困難なことだし、地元の合意が得られないと思うんですよね。
これ、なぜ取り上げるかというと、全国各地の原発が同じような問題を早晩抱えるわけですよ。これ、使用済燃料どんどんたまったらどうするんですか。経産省、経産副大臣、太田さん、どうですかね。

○副大臣(太田房江君) 今回のこの200トンにつきましては、関西電力は……(発言する者あり)200トンの問題は、これはまた福井県としっかりお話をしていきますけれども、使用済燃料を今後どのように処理していくのかということにつきましては、第六次エネルギー基本計画で閣議決定をされておりまして、まずは高レベル放射性廃棄物を減容化する、それから有害度の低減を行う、さらには資源の有効利用を図るというような観点から、核燃料サイクルを推進することが我が国の基本方針というふうに定められております。
具体的には、使用済燃料を再処理して回収したプルトニウム等を原子力発電所において有効利用するということとともに、再処理に伴い発生する高レベルの放射性廃棄物の最終処分を目指しております。
こうした方針を踏まえて、核燃料サイクルの実現に向け、引き続いて、関係自治体や国際社会の理解を得ながら、再処理やプルサーマル等を推進していきたいと考えています。

○辻元清美君 ちょっと福井の問題で申し上げれば、私はこの200トンを、これMOX燃料10トン、それ以外190トン。これは実証実験で、この前も私質問しましたけど、MOX燃料にしたら、それは今の六ケ所村ができても再処理ができないと。フランスでもこれ困っているわけですよ、MOX燃料の再処理の方法が見付からなくって。その実証実験のためにこの200トンを出すということですから、私はこれで、県外に中間貯蔵施設を造ってしっかり県外で管理できるように、福井県の方の御負担を減らすということにはつながらないと思うんです。目先でこういうことはできるわけですけど、根本解決は、まあフランスも含めて世界中ないんですよね、今。
実際に、六ケ所村の再処理工場、いつ着工され、何回延期で、幾ら費用が掛かりましたか。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
御指摘ございました六ケ所再処理工場でございます。日本原燃のこの六ケ所再処理工場でございますが、1993年に、4月に使用済燃料の受入れ、貯蔵建屋の基礎掘削工事に着手をしておりまして、建設を開始したところでございまして、その竣工予定時期については、これまで26回延期をされたものと承知をしております。
また、これまでに原子力事業者が日本原燃に対して支払った再処理関係の事業費につきましては、約5.6兆円であるものと承知をしております。

○辻元清美君 30年前に着工して、26回延期して、まだできてないわけですよ。仮にこれができたとしても、再処理したらプルトニウムが出ます。前回の連合審査で私、日本はプルトニウム今幾ら持ってんのかと言ったら、45.6トンということなんですよ。
これ、六ケ所をがんがん動かしたら、年間、毎年何トンのプルトニウムがまた新たにできるんでしょうか。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
電気事業連合会によりますと、六ケ所再処理工場がフル稼働をして使用済燃料を年間約、年間800トン再処理をしたときに回収されるプルトニウムは約6.6トンと承知をしております。

○辻元清美君 じゃ、六ケ所を動かしてこれからやっていくっていうと、毎年6.6トンのプルトニウムがまたがんがんがんがんできてくるわけですよ。
このプルトニウムの処理は、先ほどおっしゃったように、MOX燃料を作ってプルサーマルで燃やしていくというようなことでいいんですか。どうやって減らすんでしょう。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
プルトニウムにつきましては、これは元々、利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を堅持して、プルトニウムの適切な管理を執り行いながら再処理やプルサーマルを推進するということが重要でございまして、まさにプルサーマルの計画を進めていくということでございます。

○辻元清美君 この今ある45.6トンというのは、長崎型原発の大体、多く見積もれば一万発分なんですよね。で、更に6トン以上が毎年出ると。
プルサーマルでMOX燃料を使うとおっしゃったわけですが、じゃ、仮に次はプルトニウムをこのMOX燃料にしてプルサーマルで燃やしたとして、じゃ、使用済MOX燃料は今再処理できるのかといったら、さっきの福井県の話につながるんですよ。その技術は世界中ないわけですよ。ですから、この間の御答弁でも、六ケ所村の再処理工場ができたとしても、このプルサーマルの後に出てくるMOX燃料の再処理はできませんということです。そうすると、今度またMOX燃料ががんがんたまっていくわけですよ。そうしたら、これは一体どこで再処理するのかと。技術もないんです。フランスも困ってるんです。
今このMOX燃料の再処理の方法を見付けて実用化するために幾ら掛かるか、お金が、分からないと。世界中でこれやっているのはフランスと日本だけですよ。ロシアもやると言っていますけど、商業化はしないと。
私ね、結局、最初、要するに、使用済核燃料ができて、じゃ、六ケ所でやりますと、そしたらプルトニウムが出てきて、プルトニウムは持てないから、減らさなきゃいけないからプルトニウムを混ぜたMOX燃料を作ると。しかし、MOX燃料は、今度また再処理できない、方法もないからどんどんたまっていくわけですよね。
このMOX燃料の毒性については、高レベル放射性廃棄物の毒性が約十万年でなくなると言われていて、MOX燃料はそこに至るまでどれぐらい掛かるんですか。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
現時点で、使用済MOX燃料を直接処分した場合における放射能の減衰期間に関する試算については承知をしておりません。

○辻元清美君 IAEAの核燃料サイクルシミュレーションの、私、今グラフ持っています。このMOX燃料は、普通の10万年掛かるところを100万年掛かるというデータがIAEAでこのグラフ示されているのを御存じないんでしょうか100万年ですよ。毒性が相当強いわけです。これ、直接処分も難しいと。
実は私、オンカロに行ってきたんですよ、フィンランドの。自民党の、当時私は国対委員長やっていたんですけど、衆議院の方ですけど、森山国対委員長とそれから公明党の国対委員長と一緒に。やっぱり、この核のごみというか、方法がないと。で、オンカロに行きましたら、フィンランドは岩盤地形で、地下450メートルのトンネルを掘って、しかし、日本は50数基原子炉がある、フィンランドすごく数が少ないですから。で、地震もないんですね。日本は地下水だらけで、森山裕さんと、これ日本で無理だねと。小泉さんもあそこに行って、やっぱり原発から早く撤退しないとというふうに変わったと言われているわけです。で、袋小路に入っているんじゃないか。
もう一点、安全保障上の問題出ています。これ、原発攻撃の話が各委員会でも出ておりました。PAC3で守るんですか、あのイージス艦とPAC3で。防衛省、いかがでしょうか。

○大臣政務官(小野田紀美君) 原発に対する弾道ミサイル攻撃については、まず我が国全域を防御、防護するためのイージス艦によってしっかりと対処することが基本となります。
その上で、拠点防護のために全国各地に分散して配備されているPAC3を状況に応じて原発近傍に機動的に移動、展開させることにより対応することも一般的に考えられます。

○辻元清美君 ウクライナの原発が占拠されて震撼しました。ウクライナは今、原子炉が何基、日本は何基ですか。

○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
IAEAのデータベースによりますれば、ウクライナには、既に運転を開始しており、まだ廃止決定をしていない状態の原子炉が15基存在していると承知をしております。また、日本につきましては、日本の商用原子力発電所は、本日現在、廃止措置中のものも含めて57基存在しているものと認識しております。

○辻元清美君 あの広いウクライナに15基なんですよ。日本はこの狭い地震が多い国土の中に57基なんですよ。
そして、近隣諸国からのミサイル実験もあります。PAC3の射程は何キロですか。

○政府参考人(坂本大祐君) お答えを申し上げます。
PAC3などミサイルの射程につきましては、これを明らかにすれば自衛隊の能力が明らかになりますので、お答えできないことを御理解いただきたいと思います。

○辻元清美君 30キロから90キロじゃないですか。防衛省のこれ資料にも数十キロメートルと書いてあるわけですよ。
例えば、九州の川内原発、これを守るPAC3はどこから守りに行くんですか。

○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。
PAC3部隊の機動展開はその状況に応じて行うことになります。実際にその展開を行う部隊に関しては、個別具体的に判断することになるため、一概にお答えすることは困難なことを御理解いただければと思います。
また、その上で申し上げれば、一般論として申し上げれば、例えば、昨年の11月に福井県の大飯原子力発電所の近傍で機動展開を行った際には、機動展開訓練を行った際には、滋賀県の饗庭野分屯基地から部隊を展開しています。このように、原発近傍の基地に所在する部隊が機動展開を行うことも一般的には考えられるところであります。

○辻元清美君 実は、それも射程を測ると数十キロよりもっと遠いんですよ。そうすると、危ないなといったらPAC3をトラックに乗せて原発まで走っていくんでしょうか。
この間、実際に北朝鮮の衛星と言われるミサイルが飛んだときに、沖縄はアラーム鳴りまくりだったわけですが、台風が来ちゃったんですね、あのとき大きな、暴風雨の中で。PAC3使えなくて、砲身を畳んで、そしてPAC3は避難させていたというような事態なんですよ。
申し上げましたように、ウクライナは原子炉15基ですよ、こっちは、日本は57基あるわけですね。私は、やっぱりこの再生可能エネルギー、ウクライナでは、原発を始め発電所、大規模な発電所が攻撃の対象になりました、火力発電所も含めて。大規模発電所というのは、一か所攻撃されちゃうと近隣物すごい影響が出るわけですね、病院とかも電力が来なくなる。そうすると、大規模集中発電はリスクが高い。安全保障上も、日本は非常に、この周りにもいろんな国があって、安全保障の問題も非常に大事です。そうなると、やっぱり地域分散型の、例えば太陽光のパネルをみんなおうちに付けるように補助金を出してやろうとかと、攻撃のしようがないわけですよ、この発電所としてですね。地域分散型の個別発電……

○委員長(滝沢求君) 辻元君に申し上げます。申合せの時間が参りましたので、おまとめください。

○辻元清美君 はい、終わります。
再生可能エネルギーを中心にした地域分散型に変えていくことは安全保障上のリスクを無力化することにもつながるし、先ほど申し上げましたように、袋小路になっちゃって、プルトニウムは出る、MOX燃料にしても方法がないということですから、私は日本の国のありようを考えた場合に、これから先の将来の子供たちにどういう国の形を残すのかという、私はエネルギー政策の大転換要ると思うんです。原発で働いている人もいるし、電力会社も大変ですよ。
ですから、公正な移行をする、そして電力会社が移行していくときに国がどうするかというようなことをしっかり考えていかないと、私はむしろこれどんどん重荷になっちゃって、核のごみとかが、日本が成長ができない阻害要因になるんじゃないかということを申し上げて、終わります。