貸切バス事業者は97%、タクシーは89%が雇用調整助成金頼り(国交省調査)の現状。
7月以降の特例措置延長は、必死に運行を守ってきた事業者にとって死活問題だが、厚労省見解は頑として「雇用情勢が悪化しない限り縮減」だった。
それって逆だ。雇調金が縮減したら、努力してきた事業者も雇用が守れなくなる!
4/14国交委員会で私と議論した三原厚労副大臣が「失業率などに加え感染状況も踏まえ総合的に判断する」と、感染状況が指標になりうると初めて答弁!
政府全体で情報共有し、公共交通を守ってほしい。
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○辻元委員 立憲民主党の辻元清美です。
今日は、三原厚生労働副大臣にもお越しいただきました。後ほど雇用の問題などをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、赤羽大臣、公共交通をどうやって守っていくのかということ、非常に大きな課題になっております。基本的認識をお伺いしたいと思います。私は、この公共交通で働く人たちというのは、エッセンシャルワーカーを支えるエッセンシャルワーカーだと思っているんですね。どういうことかといいますと、お医者さんや看護師さんも、バスや電車に乗って病院に行っている方は多いと思うんです。学校の先生もそうなんですね。厚生労働省の例えばコロナ担当の本当に若い官僚の皆さん、今、必死で何とかしようと頑張ってくださっている方々も、地下鉄に乗ったり、バスに乗って通勤して来られています。
ですから、交通が止まる、又はなくなってしまうということになれば、社会が崩壊する。エッセンシャルワーカーを支えるエッセンシャルワーカーだ。
ところが、この公共交通の現場で働く人たちは、テレワークしたくてもできません、現場に出ていかなきゃいけないから。
例えば、アメリカなんかでは非常にこの認識が強くて、ワクチン接種の優先順位もカテゴリー2なんですよ。75歳以上の高齢者と同時に、公共交通で働くバスの運転手の方とか駅で働く方、乗務員の方は、接種をする順番になっています。
また、ドイツではカテゴリー3、60歳以上の方と運送、交通部門、同じようにワクチンの接種ということで、相当この公共交通を支える人たちに対して重視されているんですね。
大臣は前回、ちょっとワクチンの優先順位を上げるのは難しいな、パイロットとかはちょっと考えられるというようなお話でした。後でちょっとまとめて聞きますので。
私は、あるバスの若い運転手の方からこういう話を聞きました。高齢者の両親と暮らしている、毎日、自分が感染しないか、やはり物すごく心配で相当なストレスだ、最初の頃はちょっと体調が悪かったらコロナちゃうかと思って、夜眠れなかった。
公共交通は、安心、安全、安全運行してもらわなきゃ困りますから、様々なストレスで夜も眠れなくなってしまったら困るわけです。検査も受けられない。事業者は経営が非常に今困難ですから、PCR検査を受けたくても受けられない。ボーナスもカットされているというような非常に厳しい状況に、もうこれは一年以上たって置かれている。まず、基本的な認識として、感染という危険と隣り合わせで働いている、そしてさらには、ボーナスなどもカットされたり、そういう仕事であるにもかかわらず、看護師さんなんかもそうですけれども、非常にしんどくて、ボーナスカットされていることは社会的にも問題になりました。しかし、バスや電車は走って当たり前と思われているんですよ。
ここの、非常に国交省、発信、弱いんじゃないか。私は、ワクチンだってもうちょっと早く打てるようにした方が、安心して、エッセンシャルワーカーを運ぶエッセンシャルワーカーとして働いてもらえると思うんですね。
この今の、現場で働く人たちの危険と隣り合わせ、どういう御認識でいらっしゃいますか。
○赤羽国務大臣 私は、所管大臣としてということもありますが、個人的な政治家としても、この物流関係、公共交通事業者の皆様に対しましては、私は、エッセンシャルワーカーのためのエッセンシャルワーカーということではなくて、まさしくエッセンシャルワーカーそのものだということを、医療関係の方を乗せているという側面だけではなくて、物流そのものに携わる部分でもまさにエッセンシャルワーカー、この機能なくして国民の生活、経済活動は成り立たないという意味で申し上げておりますし、かつて、ちょっと今、地域は忘れましたけれども、トラック運転手の息子さんが学校に、卒業式かな、来なくていいというような事案があって、それは私、もうはっきり記者会見の場で、看過することはできない、けしからぬというようなことも表明をさせていただいております。
そうした意味で、そうした思いは、発信が弱いということの御批判は甘受しますが、私の思いは、まさに物流関係、公共交通関係は、我々国民の経済生活、社会活動を支えていただいている、日々の暮らしを支えていただいているエッセンシャルワーカーそのものだというふうに思っております。
ワクチンのことにつきましても、そうした、かつて、新型インフルエンザのときの位置づけとして、特定接種としてこうした公共交通事業に関わる方々もグループ分けされておりましたし、今回もそういう業界の皆さんから優先接種ということの御要望もいただいて、政府の中でも議論させていただきました。
ただ、今回は国民全員を基本的には対象とした接種なので、現場の地方自治体の中で、この業種、エッセンシャルワーカーの業種を特定して、そこを抽出してという作業自体、大変時間がかかるという、そうした説明があり、そうしたことではなくて、とにかく一日も早く全員の国民の皆様への接種を完了させるというのが優先すべき今回の試みだというふうに、そうした了解をいただいて、こうした状況になっているわけでございます。
ただ、具体的には、地方自治体単位でやるわけですので、地方自治体で様々な、地方自治体で、なくてはならない公共交通事業者ということで特定をいただければ、優先的にしていただくということはいろいろ表明をしておりますし、国際線のパイロットについても特段のちょっと配慮がやはり必要なのではないかということを政府部内で、こう申し上げているところでございます。
いずれにいたしましても、辻元委員の言われていること、全く私も同感でございますが、公共交通事業を支えるというのはまさに国民の生活、経済活動、暮らし向きの基本中の基本でありますので、ここの人員が足りなくなったりとか、回していけないというような状況というのはあってはならないことだというふうな強い認識を持って対応していきたい、こう考えております。
○辻元委員 今、ワクチンについて、地方自治体ごとに御判断もあり得るかなというような御答弁でした。
それはちょっと、地方自治体に丸投げと今いきなり答弁されましたので、もしもそういうお考えをお持ちなら、ちょっと政府内ででもやはり調整しないと、混乱しても困りますので、調整をしていただけますか。
○赤羽国務大臣 私、それぞれ地方自治体の具体的なオペレーションをする際に、そうした要望があれば、例えば、コロナ会場、接種会場までの運搬をタクシー事業者ですとかバス事業者に依頼するということは、私もそう希望もしておりますし、そう実際やられている地方自治体もあります。そのときにドライバーになる方が優先的に接種をするという配慮もされている地方自治体もありますし、私はそうあってほしいとも思っておりますので、そういうことは、ちょっと政府部内での整理というのはどういうことなのかよく分かりませんが、そうしたことについては、もちろん厚生労働大臣とは、費用の面も含めて、配慮してほしいということは常に申し上げているところです。
○辻元委員 今、タクシー事業者が、後でちょっとそれを聞きたいんですけれども、私はGoToワクチンというタクシーを走らせたらどうかと思っているんですけれども、後で提案したいと思うんですが。
地方自治体でワクチンの優先接種をしているところもあると聞くとおっしゃいましたので、もしもその事例があれば、後で結構ですので、ちょっと知りたいのでお届けいただきたいということをお願いしたいと思います。
それで、大臣は公共交通の重要性は本当に分かっていらっしゃると思います。やはり、走らせ続けてほしいというのが国の方針です。三密にならないように、電車の本数を減らしたりバスを極端に半分にしたりすると混雑するから、今の定時ダイヤでできたら頑張ってほしいというのが国交省の方針だと思います。
ただ一方、大臣も1月に、国土交通省新型コロナウイルス感染症対策本部で、テレワークの推進もおっしゃっているんですよ。そうすると、これは政府としては、公共交通の現場の事業者、また働く皆さんに、走らせ続けてくれと一方で言いながら、乗るな、テレワークしろ、できるだけ乗るなという、この相矛盾する方針を出しているわけですね。
この走らせ続けてくれ、でも乗るなと政府が言う限りにおいては、政府の方針に従って、赤字を出しても頑張っているわけですから、やはり相応の支援が必要になってくると思うんです。ですから、この二律背反の方針を出し、それに対して十分な支援が今行われているかどうか、大臣、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 まず、基本的には路線は維持してほしいというのは申し上げてまいりました。
ただ、その中で、例えば鉄道事業者それぞれが終電の切上げ、これはやはりやらざるを得ないのではないかということの御相談もあり、そうしたことはほぼ全ての鉄道事業者で終電の繰上げをしているというふうに思っております。加えて、やはり、公共交通の路線を維持していただくということと、感染拡大防止のための密を回避するというテレワークの推進というのは相反するというふうに、そういう見方もあるかもしれませんが、それは、形はそうかもしれませんが、両方とも、国民生活を維持しながら感染拡大防止を進めていくという意味では、私は鉄道事業者、公共交通の事業者の皆さんも御理解をいただいての政策だというふうに、そう理解をしております。
加えて、それに対する需要減に対して、また様々なリスクを、現場の感染リスク、不安を乗り越えてオペレーションしていただいているということに対してはしっかりと支援をしていかなければいけないということで、ちょっと具体的なこと、様々ありますが、雇用調整助成金の拡充ですとか、地方創生臨時交付金の中でも公共交通事業を支えるですとか、これは政府全体でやらせていただきましたし、それに加えて資金繰りの支援等々もやらせていただく中で、公共交通事業を所管する国土交通省としてしっかりと公共交通機関に対する予算を確保しなければいけない。令和二年度の二次補正、三次補正、そして当初予算、これまでにない相当大きな額を積ませていただいて、路線バスですとかそういう路線の維持ができるような、直接支給できるような仕組みもつくらせていただいておるところでございます。
ただ、これで十分なのかというと、感染状況の長期化というのは今続いているわけでございますので、全国の各運輸局で交通事業者と綿密な連携を取りながら、必要な支援はしっかりとこれからも講じていかなければいけない、こう認識をしております。
○辻元委員 どれぐらいの損益が出ているのか、これは国交省の方で把握されているんでしょうか。
今、支援のお話がございましたけれども、国交省も予算をつけていますが、しかし、大枠は、雇用調整助成金で雇用を守ってください、そして、あと、融資で何とかしのいでほしいというのが大枠になっていると思うんですね。
JR、それから大手民鉄、中小の私鉄、バス、ハイタク、航空、船舶とありますけれども、昨年度、どれぐらいの営業収益が減少したか、この把握はされているんでしょうか。
○久保田政府参考人 お答え申し上げます。
コロナによります交通事業者への影響、これは、昨年度の公表されているベースで申しますと、例えば鉄道につきましては、昨年度第三・四半期の決算におきまして、純利益ベースで、JR旅客6社の合計で対前年同期比で約1.4兆円の減少、それから関東の大手民鉄9社の合計で対前年同期比約5000億円の減少、また航空につきましては、大手2社のこれは昨年度の通期見通しでありますけれども、会社の方としては、純利益が対前年度比約9000億円の減少。各公共交通の各モードの状況につきましては、法令等に基づきまして、収支含めた令和二年度、昨年度の事業報告を今年6月中におおむね国土交通省に提出をいただくことになってございます。
その内容を精査した後、各モードの経営状況等を公表してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
○辻元委員 これは、どれぐらいの損益が出ているかという実態が分からないと、どれぐらい支援をすればいいのか、また、この支援で本当に持ちこたえられるのかどうか。特に地方の鉄道やバスというのは、この委員の皆さんの御地元もそうですけれども、たった一本のバスがどれだけ命綱になっているかというのは実感されていると思うんですね。
ですから、今、6月というお話がございましたけれども、この実態調査、分かれば、本委員会に提出をお願いしたいと思います。
委員長、お取り計らい、よろしくお願いします。理事会に提出をお願いいたします。
○あかま委員長 理事会で協議させていただきます。
○辻元委員 例えば、幾つか御紹介したいんですけれども、出雲大社と松江を結ぶ「ばたでん」というのがあるんですね。これは一畑電車といいます。これは観光だけではなくて、地元の人の通勤通学の非常に大事な電車になっています。定期で通っている人、それから定期外で通っている人、定期外の人たちで約6割も乗車率が下がっている、貸切り運行は70%以上減になっているとか。この一畑電車は、単に電車を走らせているだけではなくて、ショッピングモールとか百貨店なども併設して、地域のまちづくりにも非常に大きな力を発揮しているわけです。ですから、その中心のこの「ばたでん」が止まる又は困るとなれば、ほかを削減していく、切っていくということになってしまうんですね。冬のボーナス、ここで働いている人たちは大きく減っています。自治体も支援しているんですけれども、それだけではちょっと、もう一年以上たっていますので、一年前の緊急事態のときよりも相当厳しくなっている。私の地元の大阪空港交通なんかは、もうお話を聞いたら泣いています。皆さんも、空港関係の路線、御存じの方はそうだと思いますけれども、74%の減収、乗り合いは92%減少。もうみんな休みを取ってくれということで、雇用調整助成金でやっていますけれども、一時帰休してそれから給料を減らされるんじゃないかということで、非常に厳しい状況になっているんですね。
ですから、是非そういう地域地域の実情をしっかり把握をしていただきたいと思うんです。大臣、お願いします。割合、細かく見ていらっしゃると思うんですけれども、私たちは、私たち立憲始め野党は、どちらかというと労働組合とのおつき合いが深いですよね。そして、民鉄協などは大臣なんかもよく、バス協とか、おつき合いあると思うんですけれども、今、働く者も事業者も一緒になって何とか維持しなきゃということですから、しっかり情報収集してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 それはもう全くおっしゃるとおりでありまして、全国の地方運輸局にはプッシュ型で、特にバス事業者、交通モードの中でも一番大変な状況だというふうに認識をしておりますので、全社に問いかけろということは昨年も指示いたしました。四千数百社あったと思います。全部に連絡をし、ただ、なかなか反応が全てあったというわけではない。そうした中で本当に寄り添いながら適切な支援策を講じることができるように、また、やった支援策が知られていないということもよくあることなので、そうしたことがないように、全国の運輸局長には強い指示を出しておりますし、それが実際なされたかどうか。私、全国各地を今回っていますので、そうしたことをよく分かっていますかというやり取りもさせていただいている中で重ねて指摘をする例もございますので、そうしたことは遺漏なきようにしっかりと対応していきたいと思います。
○辻元委員 今、その中で、雇用調整助成金、それから融資、借金して助成金で何とかしのいでちょうだいと。補正予算も合わせて、直接の支援の予算は約500億ぐらいですよ。でも、これは、日本モビリティ・マネジメント会議の調査によれば、公共交通全体の減収入は6.5兆円。そして、JRと大手民鉄だけで、これは有限責任監査法人トーマツの調べでは5.6兆円。これに対して、直接支援は500億円程度なんです。
私、10倍かけて5000億にしても、なかなかしんどいぐらいの規模に。これはなぜかというと、緊急事態宣言が出たすぐと違うんですよ。一年たって、それで更に変異株なんかが出てきまして、どうなっていくか分からない中で、もう持ちこたえられないというところが出てきている。前よりも厳しいんですね。ちょっと一桁、支援額が違うんじゃないかと思うんですね。
そこで、ちょっとこの話は後でまたしたいんですが、雇用調整助成金、三原大臣、何か聞きますと、6月で打ち切るというようになっているんですか。いかがでしょうか。
○三原副大臣 お答えいたします。
雇用調整助成金につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、前例のない特例措置を講じることにより、事業主の皆さんの雇用の維持の取組を強力に支援してきたところでございます。
一方で、長期間にわたり休業による雇用維持を図り続けることには、働く方々のモチベーションの問題や、新しい産業等への人材の移動を阻害する等の懸念もあるところであります。
このため、日額上限15000円、助成率最大十分の一等の特例措置を4月末まで継続した上で、5月以降は、原則的な措置を段階的に縮減することとしておりますが、感染が拡大している地域の企業や、特に業況が厳しい企業については、2か月間、特例措置を講じることといたしております。
7月以降は、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置と地域や業況に係る特例措置をそれぞれ更に縮減することとしておりますが、いずれにいたしましても、感染状況や雇用情勢等をしっかりと見極めながら、適切に対応してまいりたいと思っております。
○辻元委員 「適切に対応」の中には延長も、今までも2回延長されていますので、延長も含めてやはり考えざるを得ない状況かなという認識でよろしいですか。
○三原副大臣 雇調金の特例措置の7月以降の取扱いにつきましては、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置及び地域や業況に係る特例措置をそれぞれ更に縮減することとしているという今の答弁と同じでございますが、その具体的な取扱いにつきましては、休業者数、完全失業者数、完全失業率、有効求人倍率といった雇用指標に加えて、その時々の感染状況等も踏まえながら、総合的に判断していく必要があるというふうに考えております。
○辻元委員 総合的に判断すれば、今の状況だと厳しいんじゃないか。
国交省にお伺いします。
貸切りバスとか、それからタクシー、雇用調整助成金を今受けている、また、申請して間もなく受ける、検討中、合わせると大体何%ぐらいの事業者が受けているということでいいんでしょうか。
○秡川政府参考人 国土交通省で毎月実施しています影響調査によりますと、本年2月の時点におきまして、雇用調整助成金の活用について、給付済み、申請済み、申請に向けて検討中と回答している前向きな貸切りバス事業者の割合ですけれども、97%、タクシー事業者は89%となっております。
○辻元委員 貸切りバス97%、タクシーは89%が雇用調整助成金に頼っているわけです。鉄道は65%です。地域鉄道64%。乗り合いバス76%。大臣、これは6月に切られちゃったら、ばたっと倒れますよ。
ですから、もう一言で結構ですからね。
特に公共交通というのは、今財務省なんかで議論されているのは、雇用調整助成金の特例によって休業を促すことから再就職を支援することに労働政策の軸足を移していくべきではないかというようなことが、財務省の財政制度分科会で議論されていたりするわけです。
しかし、公共交通というのは、それでなくても、バスの運転手や、それから、給料が安いんですよ、普通の、一般の平均よりも給料が低いということで、タクシーも高齢者が多いわけですね。そんな中で、ほかに移ってくださいって、今なくなってしまったら、労働者がいなくなったら、後で取り返しがつかないんですよ。
ですから、厚労省にしっかりその現状を大臣としてお伝えになって、こんな、6月で急にばさっと切ったらえらいことになりますから、実情を伝えていただけるかどうかだけお答えください。
○赤羽国務大臣 財政審議会の議論は、恐らく、平時に向けてそうあるべきだという議論をされているのではないかなというふうに思っておりますが、私はまさに、まだ平時ではないというふうに認識もしておりますし、公共交通事業者とか、観光事業者もそうなんですが、典型的な集約型労働型の業界でありますので、最後までその対象にし続けていただきたいということは強く申し上げておりますし、是非これは与野党を超えて、政党からの応援もお願いしたいと思います。
○辻元委員 応援をいたしますので、よろしくお願いします。
次ですが、次に頼っているのが融資なんですよね、借金です。
そこでお聞きしたいんですが、例えば地域鉄道、地域の鉄道とか、先ほどタクシーは厳しい状況でしたけれども、どれぐらい融資に頼っているのか、お答えください。
○上原政府参考人 お答えいたします。
全国の地方運輸局を通じまして、直近の本年2月末に実施いたしました調査では、危機対応融資など資金繰り支援の使用状況は、給付済み、申請済み、検討中を合わせまして、95者の地域鉄道のうち約72%の69者となっております。
○秡川政府参考人 同じ数字ですが、タクシー事業者の場合は99%となっております。
○辻元委員 今お聞きになっていただいたように、タクシーは99%、借金で何とかしていると。地域鉄道は72%が融資に頼っております。貸切りバスだと94%、乗り合いバス71%、鉄道は65%を融資に頼って、借金で何とかやっているわけです。これも、もう一年以上たちまして、持ちこたえられなくなってきているんじゃないかという、非常に危機感を持っているわけです。
では、これはどれぐらい借金があるのか、この総額というのがなかなか分からないんですけれども、労働組合の私鉄総連が、自分たちの組合がある事業者にアンケートを取ったんです。全部で249組合あるんですけれども、そのうちの半分弱、101の回答がありまして、借入金総額が3499億円と。しかし、これは半分弱ですから、倍掛けても7000億とか、場合によっては、大手なんかはもっとやっているかもしれませんので、一兆近くの借金で支えているというのが現状なんですね。
そこで大臣にお伺いしたいんですけれども、まず、今の事業者がどういう実態にあるかということをしっかり分かっていただきたいと思うんですね。
地方の例えばバス事業者の中には、返済猶予や新規融資が認められず、元本返済を迫られたり、返済計画を求められるということで、人員整理が始まりかねない、そういう厳しい実態の声も私の方には届いているんですが、大臣の方に届いているでしょうか。
○赤羽国務大臣 バス事業者、鉄道大手をバックにするような事業者から、大変、中小、小規模零細でやられている貸切りバス事業者、様々あるというふうに承知をしております。バス事業者だけでも四千者以上あるというのは、それ自体も驚きでありますが、そうしたところは、余り、一律に言うことはできませんが、傾向としては、やはり財務体質が非常に弱いところが多いというふうに思っております。
そうした中で、バス事業者に対して支援というのは、これは需要喚起をしていくしか本当はないわけでありますが、なかなか、その効果も一番及んでいない業界だということで、ちょっと、様々なことを今検討しているところでございますが、いずれにしても、御質問のバス事業者、大変厳しい状況にあるというのは、そうした認識におるところでございます。
○辻元委員 先ほどから申し上げておりますように、それでなくても平常のときからしんどかったわけですね。それで、運転手不足とかがありますので、お金を借りることができないということで人をリストラしていくということになれば、もう復活できなくなっちゃうと思うんですね。
金融庁にも来ていただいていますので、金融庁に二点、お伺いします。
コロナの長期化に伴いまして、先月の、3月23日に、新型コロナの影響を特に受けている飲食・宿泊等の企業向けの金融支援等についてというのをお出しになりました。
財務省、経産省、金融庁、農水省というクレジットで、国交省は入っていないので、心配なのでお聞きしますが、この「等」に公共交通機関は入るのかということが一点目。
そして、この文書を見ますと、「民間金融機関による支援の強化」というのが二番目に入っておりまして、長期の返済猶予と新規融資の積極実施の徹底等を要請と。
これは、今出た、例えば地域の鉄道とかバス、タクシーなんか、99%、もう既に融資を受けているわけです。今受けているから、もう一回受けさせてほしいと、一年以上たってというて、断ったらあかんよ、新規も受け付けなさいよ、それから返済猶予をしなさいよというような意味と受け取っていいんでしょうか。
この二点、お願いします。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、最初の点でございますけれども、3月23日の、今お話ありました金融支援策につきましては、新型コロナで特に深刻な影響を受けます飲食、宿泊事業者等を中心に、ここに、公共交通機関を含む様々な事業者の事業の継続を支援するために取りまとめたものでございます。
また、二点目でございますけれども、長期の返済猶予と新規融資の積極実施の徹底等を要請とあるが、この点につきまして、旅客運輸業等も対象に含まれるということかという点につきましては、金融庁といたしましては、新型コロナウイルスの影響を受ける様々な事業者に対しまして、返済猶予や新規融資を含む支援を徹底することが重要であると考えてございます。
3月23日の金融支援等や、あるいは、25日にも私どもの方で金融機関に対しまして要請文等を出していますけれども、そこでも、再度の条件変更や新規融資を積極的に実施すること等につきましても、旅客運輸業等を含む幅広い事業者を念頭に、金融機関での支援を徹底するよう要請したものでございます。
○辻元委員 ということは、追加の融資が受けられないとか、元本の返済を迫られたり、これは返済計画を立てろと金融機関が強く言うところもあるらしいんですけれども、今、見通しが立たないわけですよね、コロナがいつ収束するか。返済計画って立てられないわけです。そういうことを理由に貸し渋りをしてはいけないというのが今の御答弁で、金融庁及び政府の方針であるということ。
そして、これは公共交通機関にも、国交省が入っておりませんけれども、適用されるということを確認させていただきました。
そこで、もう一つ、社会保険料なんですね。
これは三原大臣にお聞きしたいんですが、この間までは、一年間、コロナ特例法の下で、社会保険料の猶予というか、無利子無担保でやっていたわけですね、納付猶予。これは、固定資産税とか社会保険料、非常に負担になっているわけです。
ところが、今年の1月から、通常の換価猶予に戻して、1%の金利がつくんですよ。これも通常時と同じ金利をつけているわけです。この特例をもうちょっと延ばした方がいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○三原副大臣 社会保険料につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症を踏まえまして、税制の対応と同様の措置として、無担保かつ延滞金なしで1年間納付を猶予できる特例を設けていたところでございます。
この社会保険料の納付猶予の特例の期限後、なおその納付が困難な事業所につきましては、従来から設けられている猶予の仕組みの活用により、事業所の状況に応じて分割納付も認めるなど、柔軟に対応していくこととしております。
社会保険料の納付が困難な事業主の皆様に、こうした既存の猶予の仕組みをより御活用いただけるよう、関係機関とも連携し、一層の周知広報に努めてまいりたいと思います。
○辻元委員 JRとか大手の、特に民鉄なんかは物すごい数の人を雇っているわけですね。この1%というのが相当きついわけです。
さっきお示ししましたように、融資でやっているわけですよ、借金で。雇用調整助成金もどうなるか分からない。社会保険料も1%、これは通常時と一緒です。去年までは1.6%で今年は1%。これはほかの金利とかと見比べてやっているわけですから。
ですから、これは強い要望としてもう一度、うんうんと赤羽大臣、首を振っていらっしゃいますので、政府内で、これ以上コロナが、前よりしんどいんですよ、1年前より、どれぐらい長引くか、ワクチンもまだまだですよ、もたもたもたもたやっていて、ですから、これは政府内で話し合っていただきたいということを、強く要望をしておきたいと思います。
何点か、支援策についてなんです、提案も含めて、残り時間でと思うんですが、まず、先ほど、高速乗り合いバス、もうほとんど借金でやっています。これは、今まで支援、どんなことをしたのか、そして、これは追加の支援、三次補正なども使って、必要と思いますが、これはいかがでしょうか。
○秡川政府参考人 高速バスですけれども、コロナの影響で輸送需要が大幅に減少しておりまして、厳しい経営状況に置かれているというふうに認識しています。
国交省では、令和二年度の二次補正予算で、バス車内の抗菌施工などの感染防止対策への支援とか、あと、車内の乗車密度を一定に保つ運行の実証という形で、運行費に対する支援を行っています。
また、三次補正では、これらに加えまして、新技術を活用した感染防止対策というのも新しくメニューに加えております。現在、その支援の要望の募集をしているところなんですけれども、できるだけ早くそれを施行して、支援を実際に行ってまいりたいというふうに考えております。
○辻元委員 今、追加支援も行うというように受け止めましたので、大臣、よろしくお願いします。
先ほど大臣の方から、地方創生臨時交付金の活用と、地域地域の実情に応じてバスやタクシーを応援していくということで、この横展開も努力されているんですけれども、更なる努力をお願いしたいと思うんです。
例えば、大阪の堺市でこういう事例があります。おでかけ応援カードというのを65歳以上の方に出していて、通常は、南海バス、近鉄バス、阪堺電車、堺市乗り合いタクシー、100円で乗れるんですね。これを、この交付金を使って、去年の10月から12月まで運賃無料にしたんです、65歳以上の人に。そうすると、前年同月比よりも売上げが上がったと。これは、自治体、自治体議員、事業者、労働組合が知恵を絞って活用して、前よりも売上げを伸ばしていると。
かつ、ですから、こういう事例を、どんどん横展開で、更にキャンペーンをしてほしいことと、もう一つの事例として、先ほどタクシーを使ったワクチンという話がございました。私、特に高齢者、これからワクチンを打ちに行くのに梅雨に入りますね、雨。それで、熱中症もこれから心配になってくる。特に、ワクチンを打った後、高齢者が集団接種の会場から帰るときに、熱中症にかかる又は副反応が出るというようなことも懸念されます。
ですから、GoToワクチンタクシーというか、既に事例は幾つかあるようなんですけれども、そういうところには、この交付金と併せて別の予算でも、これは高齢者の命を守ること、ワクチンを促進することにつながりますので、これは田村大臣か河野大臣か知りませんけれども、ちょっとそういう予算も取ってサポートすることを考えたらいかがかと思うんです。
日本中の大抵の地域、私、大阪府高槻市というところに住んでいますけれども、タクシーは電話で呼ばな来ません、町走っていません。ですから、呼ぶと呼び賃もかかるんですよ。そして、また行くわけですね。相当かかるわけですね。
そういうことを、国交省、頑張っていただきたいんですが、いかがですか。
○赤羽国務大臣 まず、地方創生臨時交付金は、全国で約800の自治体で、1600の事業を通して、公共交通事業の方の支援をしていただいて、これは大変ありがたいことだというふうに思います。
ただ、いろいろ首長の皆さんと話すと、やはり感染状況が悪くなったときに、医療の対応でそこの予算は余り食い込みたくないというのも本音にありますので、公共交通事業を主管している国交省の予算としてちゃんと対応するべきだということで、先ほど御紹介していただいたような予算を計上しているということでございます。
加えて、堺のおでかけ定期券の事例も、今、国交省のホームページにも掲載させていただいて、地方自治体等にもメールマガジンで発信をさせていただいておりますが、これは地方創生臨時交付金が使われていますが、例えば、そうではなくて、そもそも、富山市なんかは、おでかけ定期券という、年間1000円を払っていただければ高齢者の方は100円でどこでも使えるという、これは非常に、中心市街地の活性化ですとか利用者の増加、また高齢の方が外出の機会を創出して、健康にもいいといったようなことを森市長からも説明いただいているところでございます。ですから、こうしたことはしっかりと御推奨して、応援もしていかなければいけない。
加えて、ワクチンの接種につきましては、もうこれは全額国費で対応するということは政府としてはっきりさせていただいておりますので、地方運輸局を通しまして、地方自治体について周知徹底をして、必要であれば御利用していただくということを一生懸命やっていきたい、こう思っております。
○辻元委員 最後に一言申し上げて終わります。
例えば、私、海外の事例も調べたんですけれども、どこの国も公共交通、大変になっているわけですね。イギリスなんかは相当の額を、5000億程度、やはり直接もう支援しようとしています。フランスなんかは、約1兆4950億円入れて、交通再興計画、今すぐ直接お金は入れないんだけれども、全土、全駅バリアフリーにしてしまえとか、それは、事業者もバリアフリーにするためにはこれから費用がかかるわけです。とか、ホーム柵をつけるとか、脱炭素化への鉄道車両の支援とか、将来に向けての設備投資の補助率を上げたりして、今はしんどいんだけれども、将来、コロナをきっかけに交通を再生するという将来投資に予算をつけているんですよ。
ですから、私は、日本でもこの際全部バリアフリーにしてしまおう、ホーム柵もやってしまおう、それは国が将来ちゃんと面倒を見ますから今頑張ってくれと言ったら、事業者も頑張りがいがあると思うんです。ですから、そういうちょっと発想を変えた支援も、是非、大臣、検討していただきたいということを最後に申し上げたいと思います。
また公共交通や観光について質問させていただくので、よろしくお願いします。
三原大臣、ありがとうございました。公共交通の深刻さ、よく分かっていただいたと思いますので、是非、雇用調整助成金や社会保障の方も持ち帰って、よろしくお願いいたします。
終わります。