本日、高槻の私の事務所に窓ガラスを壊して侵入し、名簿を盗んで私や私の支持者に危害を加えようとした犯行について、大阪地裁で有罪判決が出ました。被告はまた、コリア国際学園に放火するなど犯行を重ねていました。
判決は懲役3年／執行猶予５年。ただ、犯行に及んだ動機は民族的な差別や嫌悪によるものでしたが、判決には「差別」「偏見」「嫌悪」「ヘイト」といった言葉がありませんでした。典型的なヘイトクライムであることは明白なのに、そこが言及されなかった点は不十分な判決です。
言論に対する暴力や、民族差別に対する暴力は絶対に許したらいけません。そして、私はひるまずたたかいます。ひるんだら、それが効果があると思われるからです。
今回の事件は、私だけの上に起きた犯行ではありません。社会全体で向き合っていくべき課題です。だからこそ萎縮せず、今まで以上に政治活動を続けていきます。
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2022年12月8日大阪地裁判決を受けて・辻元清美コメント
今回の犯行では、私が恐れていたことが現実のものとなりました。ネット上のデマやヘイト情報を信じた者が現実社会の中で暴力行為などを引き起こす。それが今回の裁判で明らかになったのです。
2022年３月１日、被告人は大阪府高槻市の私の事務所の窓ガラスをハンマーで割って侵入し、キャビネットを物色しました。しかし警備会社の警報が鳴ったため、侵入しただけで逃走しました。
裁判の中で被告人は、2021年９～10月頃から私に対してのデマやヘイトのTwitterを中心にネット情報を集め、それを通じて私に嫌悪感を抱くようになったと主張しています。そして名簿などの個人情報を盗み、関係者に嫌がらせをして日本から追い出したかったというのです。また裁判では否定していますが、取り調べ段階で被告人は「辻元議員に危害を加えようと思ったがうまくいかなかった」ことから事務所襲撃に切り替えた、と述べたと聞いています。
このように、今回の事件では、私や私の事務所のスタッフ、支持者に暴力が向けられようとしていました。被告人のものとされるTwitterアカウントには、私を貶めようとするツイートが並んでいますが、それらはネット上のデマや、民族差別的な内容を含んだものです。私やスタッフ、支持者は恐怖を覚え、なるだけ事務所に一人でいないようにするなど、警戒せざるを得なくなりました。
今回の犯行で傷つけられたのは、私だけではありません。犯行を知った何人もの議員から、「街頭で演説をするのが恐い」という声を聞きました。
ネット上の誹謗中傷がリアルな暴力を生み、言論活動や政治活動を萎縮させる。これは、民主主義そのものの危機です。そしてコリア国際学園の中高生らが、自分たちの学校に侵入され、私と同じように狙われた事実に、悔しさと怒りが溢れます。子どもたちの居場所を守れない社会に未来があるとは思えません。
今回の判決は、被告の犯行が、考え方の違う他者の政治活動の自由を奪う政治テロであることは認めたものと考えます。しかし、ヘイト犯罪は許さない、という司法の意思が十分に示されたとはいえません。
国会議員のヘイト発言がいま国会でも問題になるなど、あらためて、この問題の根深さが浮き彫りになっています。私は政治活動の中で、長い間、ネット上のデマ、悪質なヘイトと戦ってきました。今後もあらゆるヘイト犯罪を許さず、これからの政治活動を通じて言論で戦い続けます。
そして、誰もが二度とこのような思いをしなくてよい社会をつくるために、思いを同じくする人たちと連帯し、声を上げ続けようと思います。（了）
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