連日、野党会派は新型コロナウィルス合同対策本部を開き、議論を交わしています。
4月9日も、補正予算案と緊急経済対策について政府よりヒアリングを行いました。
そのなかで補正予算の具体的な内容がわかってきました。
ひとつは、全世帯に二つずつ配ると安倍総理が発表した「布製マスク」ですが、財務省主計局が野党に配った資料にはこうありました。
・全世帯への布製マスクの配布 233億円
しかし、すでに報道にもある通り、これは令和2年度補正予算の分だけであって、今年度本予算の予備費からも同額となる233億円が出されることがわかりました。
つまり布製マスクの配布は、総額466億円をかけて行われるということ。批判を恐れて補正予算では小さく見せようとしたのでしょうか。
一方で、今回の補正予算における感染拡大防止策や医療提供体制の整備、治療薬の開発には、次のような項目が並びます。
・人工呼吸器・マスク等の生産支援 117億円
・産学官連携による治療薬等の研究開発 200億円
・国内におけるワクチン開発の支援 100億円
この3つの合計はわずか417億円。
「布製マスク2枚の配布」の方が大きいなんて、ピントが外れた予算としかいいようがありません。
この局面、国に期待するのは、布製マスク2枚の配布より、治療薬の研究やワクチン開発に予算をつけて、1分でも早く新型コロナ感染症が治療できるようにしてほしい、というのが多くのみなさんの願いではないでしょうか。
限られた予算、人工呼吸器の生産支援や治療薬の開発などに振り分けたほうがよいと考えます。
そして、事務所にも連日、小さな事業者や働く人からの問い合わせが続いています。安倍総理が「過去最大の経済対策」と胸をはる今回の経済対策ですが、中小・小規模事業者や生活に困っている人たちに直接配られるお金はどのくらいになるのか。
・中小・小規模事業者等に対する新たな給付金(売上が半減した中小に200万円、個人事業者に100万円を上限に支給) 2兆3176億円
・生活に困っている世帯に対する新たな給付金(住民税非課税となる世帯等へ30万円の現金給付) 4兆206億円
・子育て世帯への臨時特別給付金(児童手当受給世帯へ子ども1人につき1万円支給) 1654億円
合計で6兆5036億円です。
これ以外にも雇用調整助成金の拡大や日本政策金融金庫などの資金繰り対策がありますが、直接困っている人に届くのはこれだけ。
事業規模108兆円といっていますが、実は直接支援は6兆5036億円――規模を大きく見せることだけを考えたスカスカの経済対策では、明日を乗り切るために必死になっている人たちの不安を解消することにはならないのでは。
補正予算案が閣議決定されるのは4/21(火)と言われています。あまりに遅い。私たちは、実効性のある予算が迅速に組まれるよう、困っている人たちの声を政府に届けていきます。