戦史/紛争史研究家の山崎雅弘氏が記事の中で辻元清美の国会答弁を取り上げてくれていました。
http://politas.jp/features/13/article/597
当時の様子を辻元は以下のように語っています。
安倍総理は、『あなたのお父さん、お母さん、子供さん、お孫さんかも知れないですよ』と、パネルを使い情に訴え、集団的自衛権の必要性を訴えました。
これに対し、辻元は6月11日の国会で、そういう形で米国は、そもそも邦人を助けない、ということを説明。
出典:首相官邸 平成26年5月15日 安倍総理記者会見 総理会見時におけるパネル資料
(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/__icsFiles/afieldfile/2014/05/15/20140515_kaiken_panel.pdf)2017年10月21日取得
情に訴えたあの事例は、現場の実情と全然違います。私はピースボート出身です。湾岸戦争勃発直後に、偶然ピースボートの客船は、紅海からスエズ運河へ向かって航行していました。
軍艦の間を航行するような緊迫した中、付近の米艦から『サウジアラビアのジッタに取り残された米国人を拾っていってくれ』と連絡がきました。それはかなり強硬な要求で、命令口調のような感じでした。
紛争時には、米国や米軍が付近の客船・タンカーに助けを求めるのが実態です。船で仕事をする人たち、船長などにとっては、これは常識です。
なぜかというと、一つには、米艦というのは攻撃の対象だからです。万一攻撃されたら民間人が巻き添えになります。
もう一つは、テロリストの問題です。また、避難民に紛れてテロリストやスパイが乗り込んでくる危険性があります。たとえば、避難民を装ったテロリストが米軍の輸送艦に乗り込み、人質を取りでもしたら、大変なことではないですか?だから、軍の艦船には、避難民といえども乗せない、というのが常識なのです。
その後、辻元は11日の国会で、「戦争時に米輸送艦によって邦人が輸送された事例」が過去に存在しないこと、米国は基本的に他国民を救出しない方針であることについて質問しました。
回答として、政府は上記辻元の話を全面的に認めました。
(スタッフより)