今日は、有明の東京ビッグサイトで2日間に渡って開催されている「高齢者住宅フェア」でセミナー講演をおこないました。
高齢者の住まいと介護・医療を考えるこのイベントは、今年で12回目とのこと。
私は「国会議論から見える、日本の超高齢社会の問題点と解決への処方箋」というテーマでお話をさせていただきました。
高齢化社会の今、介護と子育ては政策の大きな柱であり、両者はセットで予算を手厚く投入すべきだと考えます。
民主党政権だった際、子どもが独立した後に広い家に引き続き住んでいても、掃除がゆきとどかなかったり、バリアフリーに対応していないために暮らしづらくなってきたという悩みの声を多く聞き、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する「サービス付き高齢者向け住宅」という制度を作りました。
これは高齢者が住みやすいまち、住宅を作っていくことから新たな仕事を生み出したいという発想から生まれた制度でした。
単なる福祉政策にとどまらず、事業者の経営がしっかりと成り立ち、経済が活性化する施策として打ち出したのです。
また、国が介護と子育てに十分な予算を確保し、制度を整えるのはもちろん根本的なことですが、同じく重要になってくるのが自治体の取り組みです。
たとえば、私の地元の大阪府高槻市では、70歳以上は市バスは無料で乗ることができます。交通費をかけずに市内を移動できるので、お年寄りが気軽に出歩けます。
外に出かけると健康維持につながり、市内で買い物をすると地域の経済活性化にもつながります。
高槻市は市バスにはお金をかけているけれども、介護にかける予算は大阪府内でいちばん低いのです。
高槻市内に2つデパートがありますが、その1つは近畿地方で4番目の売上を誇っています。
高槻から電車で15分ほどで梅田まで行けるけれども、それよりも無料で行ける市内のデパートで買い物をするわけです。
高槻市はがん検診も無料にしたため、がんの早期発見ができるようになりました。このことで医療費抑制の効果が期待されます。
市ではさまざまな施策にお金を使っていますが、財政は毎年黒字を維持しています。
自治体がビジョンと施策をもって高齢化社会とまちづくりとうまく組み合わせることで、暮らしやすい社会を作ることができるのです。
日本はこれから超高齢化社会へと突入します。
悲観するのではなく、経済を活性化させ、新しい人間のつながりを生み出し、年齢を重ねても尊厳を持って生きられる社会を設計していくようにさまざまな予算や制度の道筋をつけていくのが政治の役割だと考えています。