本日、内閣委員会にて、1)内閣総理大臣夫人の公人・私人問題について、2)森友学園問題について、3)教育勅語について 質問しました。
20分というごく限られた時間で引き出されたポイントを、以下に整理します。
①今月、安倍昭恵夫人が名誉会長を務めるスキーイベントが開催されましたが、内閣府に問いただしたところ、過去3回のイベントに政府職員が同行し、しかも過去にはスキーをしていたことが明らかになりました。
②森友学園問題については、昨日、松井大阪府知事が「財務省が大阪府の私学課に何度も来て、小学校の認可の見込みを発表するように言われた」といった趣旨の発言をしたことが報道されました。財務省は松井知事の発言内容について確認をしたかどうか尋ねると、大阪府に確認をとっていないとのこと。
松井府知事と財務省の言い分は真っ向から食い違っています。松井知事の発言が虚偽ならば、財務省は真っ先に大阪府に発言内容を確認するはず。なにか確認するとマズイことでもあるのでしょうか。
以下、本日の質疑を文字起こししたものを掲載します。(辻元清美事務所まとめによる)
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民進党の辻元清美です。私は泉健太議員が取り上げた、総理夫人の問題、ちょっと1、2点確認をさせていただきたいと思います。
総理夫人が名誉会長を務める「私をスキーに連れていかなくても行くわよ」という、この企画の顧問は安倍総理の大学の同級生ということですけれども、これまで過去3回、今年は森友学園の問題が起こったあとに夫人がスキーに行っているということで、ちょっと一部報道でも批判めいたことも出ていましたが、去年一昨年と開かれております。このイベントへの職員の同行はされたのか、そして日当や超過勤務手当は支払われたのか。これは総理夫人の私的な行為か。いかがでしょうか。
○羽生内閣審議官
まず、事実関係でございますけれども、ご指摘のスキーイベントでございますが、総理夫人の参加は政府が依頼したものではございませんので、私的な活動ということで承知をしているわけでございます。平成27年2月、平成28年3月、さらに平成29年3月と同様の私的な活動としてイベントがおこなわれたということでございますけれども、内閣官房の職員につきましては、先ほど来ご答弁申し上げておりますとおり、総理の公務遂行の補助に関する当面の活動に関する必要な連絡調整をおこなう、そうした公務の立場で同行をしたということでございます。
それから、ご指摘の旅費につきましては、これは旅費法?の対象になるものではございますけれども、こうした場合につきまして一般的な職務命令ということは出ていたわけでございますけれども、個別の旅行命令の手続きは取られていなかったということでございますけれども、いずれにいたしましても、この3件にかかる旅費につきましては、総理夫人の私的経費により負担をされたということでございます。
それから、委員ご指摘の超過勤務手当についてでございます。これは土日の出張につきましては、一般論として申し上げますと対象となるわけでございますが、当然これは用務に要した時間がどの程度であったのかということを十分に証明できる部分について支払うということになるわけでございます。この3月分につきましては、次の機会にそうした精査を経て支払う予定となっております。それから過去につきましては、議員のご指摘によりあらためて確認をしましたところ、事務的な手違いによりまして支給されていないということが確認されたところでございます。同様に用務に要した時間を十分に確認いたしまして至急手続きを進めてまいりたいと考えております。
○辻元委員
至急手続きを進めると。次に、同行した職員はスキーをしましたか?
○羽生内閣審議官
基本的にはその執務に要した時間以外につきましては別室において待機をしていたということでございます。他方で、まったくしていないかということになりますと、そういうこともあったというふうに聞いてございますけれども、用務に要した時間以外の時間でですね、土日でございますので、一定のそうした活動をおこなうということは必ずしも服務上の問題はないわけでございますが、他方で超過勤務手当の支給という観点から見ますと、本当に用務に要した時間についてのみ支払うという考え方でございますので、その点につきましては精査して対応してまいりたいと存じます。
○辻元委員
一緒に行ってね、菅官房長官、スキーもしているわけですよ。このイベントは安倍総理の友人の方が企画されています。安倍昭恵さんと行こう、ということで、数万円かかる高い企画なんですね。私は、さきほどから公私混同という問題出てますね。で、職員も行って、この時間は安倍総理夫人の用務、この時間はスキー。そんなこと通用しないと思いますよ。ですからさきほど、研究するとおっしゃいましたけれども、私はここで、しっかりけじめをつけて見直すということ、今日官房長官は言われたほうがいいですよ。もっと出てきますよ。いかがですか?
○菅官房長官
まず、実態でありますけれども、今、辻元委員が言われた以外にも、東北の観光を応援しよう、と、そういう思いもあったというふうに私は承知しております。そして同行した職員の旅費、宿泊費、これについては昭恵夫人の指示で支払われているということも承知をいたしております。ただ、さまざまな問題がこれ、指摘されています。そして、この総理夫人の取り扱いについて、これについては公務の発令をしていしませんので、私人というかたちになっていますので、そこについてさまざまな問題がありますので、私に研究をさせていただきたいということを、さきほど実は申し上げたところであります。
○辻元委員
次に事実関係だけ。文科省お願いします。総理大臣夫人から、特定の団体の企画への、特定の団体と申しますのは、全国高校未来会議への後援や大臣賞の付与のようなはたらきかけが総理大臣夫人からあったかどうか。これはどうでしょう。
○義家文部科学副大臣
その事実はないと報告を受けています。
○辻元委員
次に、この企画は初めての企画ですけれども、総理大臣公邸を会場に使ったことはありますか? 通告してあると思いますけども、内閣官房ですかね。総理大臣公邸を使ってこのイベントをしたという事実は。
○羽生内閣審議官
恐縮ですが、通告を受けておりません。私の認識としては受けておりません。その事実は確認しておりません。
○辻元委員
あとで確認して報告をしてください。これは安倍総理の後援者の親戚の方が企画している団体で、そして総理公邸でこのイベントを、めずらしいことですよ、公邸でひとつの団体がイベントをするということ。これも公私混同と言われかねません。確認して今日中に私のほうに知らせていただきたいと思います。公表したいと思います。
次に、財務省にお聞きします。森友学園の問題で昨日から報道されていますが、大阪の松井知事が、「当時、国からは国有地の売り渡しを審議会に諮るため、府として小学校の認可の見込みを発表してくれと言われた」とか、「国の担当者が大阪府教育庁の私学課に何度も足を運んだ」と、あたかも財務省から言われて大阪府はやったと取られかねない発言をしていますが、こういう事実はありますか。
○中尾理財局次長
公的な用途で国有地を処分する場合には、まずは事業の許認可主体の判断が示されることが前提でございます。このため、本件土地の処分にあたりましても、国有地の処分の前提として大阪府の私学審議会の判断が必要でございました。このため、私学審議会に向けた事務的な手続き等を把握するために、近畿財務局は事前に私立小学校の許認可権者である大阪府に対して、学校選出の認可申請の制度概要でございますとか、土地の法的取得等要望の制度や本件土地について、取得等要望の出ている事実、それぞれの審議会の手続き等の内容の確認などは事務的におこなっております。しかしながら、あくまで事務的な情報公開でございまして、用地の事情を先行させて学校設立を要請するといったようなことはございません。大阪府知事のご発言につきまして、詳細は承知をしておりませんけれども、近畿財務局から国有財産近畿地方審議会で国有地の処分を確実におこなえるということを伝えたり、国有地の売却を早く進めるために私学審議会の答申を出してほしいといった要請をすることはございません。
○辻元委員
昨日の松井知事の発言を確認していないんですか? これ、確認していないとすれば、ちょっと財務省として無責任じゃないですか? 確認したかどうか、いかがですか?
○中尾理財局次長
私自身はニュースを見ておりませんでしたけれども、今朝、ニュースの記録を拝読はしております。
○辻元委員
ということは、松井知事が事実と違うことを言っているという、財務省は見解ですね?
○中尾理財局次長
前後の脈絡とか、必ずしも不分明なところもございますので、詳細なコメントは差し控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、事務的な準備行為と地方審議会を経ておこなう政策場面とは別物だということでございまして、あくまで私学審議会の判断が前提になったということでございます。
○辻元委員
前後の脈絡も含めて、私今全部持っているんですけど、お読みになりますか? はっきり言ってますよ。実際に国からそういう形で府の私学課のほうに何度も足を運ばれて、すればじゃあ本当に国が売るんなら、私学としてありえますよ、とか、国は親切やなあと思った、とかですね、いろんなことを言っているわけですよ。否定するんだったら否定するではっきり否定されたほうがいいんじゃないですか。いかがですか。
○中尾理財局次長
昨日の報道で、委員が今ご指摘のコメントがあったことは私も見ておりますけれども、いずれにしても指示についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても私学審議会の答申が出ることが前提でございましたので、事務的なやりとりをおこなったと。ただそれ以上のことではないということでございます。
○辻元委員
まるでですね、これ、財務省、国交省、それから大阪府、登場人物がパーツがあるわけですね。で、籠池氏の森友学園法人、みんな言うことが、それぞれ責任の押し付け合いが始まっているんじゃないかと言われているわけです。ですから聞いているわけです。もう一点伺います。昨日森友学園の、塚本幼稚園の修了式がありました。お昼です。籠池理事長が修了式でこういうことをおっしゃっています。
「事件が勃発して、身を隠していた。隠してくれと言われて、財務省の方から姿を隠しといてくださいと言うから、おおそうなんか、と。俺はなんにも悪いことしてへんけど、それだったら隠すか、と、10日間雲隠れしていた。財務省から言われて身を隠していたという発言をしていますが、財務省、こういう事実ありますか?
○中尾理財局次長
ご指摘の籠池理事長の発言につきましても、詳細な状況はあきらかではございませんけれども、いずれにいたしましても、財務省から籠池理事長に対してそのようなことを述べたことはございません。
○辻元委員
昨日ですよ。こんなん、あわてて確認せなあかんのちゃいますか? 何してるんですか。なんか思い当たることがあるから確認できないんじゃないですか。今日も籠池理事長もうすぐ記者会見しますよ
。いろいろこれ確認されると思いますよ。だから参考人招致をしてしっかりおたがいの言い分を言い合ったらどうかと言ってるわけですよ。
菅官房長官にお聞きします。今、教育勅語の問題、出てますね。実はこの森友学園の小学院、教育勅語を教育の基本とすえると言ってるんです。
この教育勅語については、何回も、官房長官、こっち見てくださいね、衆議院や参議院で決議もあり、戦後教育体制を変えるということ、ですから、排除の措置、それから効力を失効しているということを確認されていると思いますが、安倍内閣もこれを引き継いでいますね? 確認だけですよ。
○菅官房長官
教育勅語について、文部次官通牒の発出など、戦後の諸改革の中でこれを教育の唯一の根本として神格として取り扱うことなどが禁止されました。その後、憲法や教育基本法の制定などにその法制上の効力が喪失しており、現在においても同じように理解をしております。
○辻元委員
実は、稲田大臣は虚偽答弁の問題も言われているんですが、この教育勅語を評価するような発言をしているわけですよ、官房長官。稲田大臣については私も、質問したら急に涙ぐんだりですね、答弁不能になって総理が割り込んだり、ご覧になってましたでしょう? もう限界ですよ。南スーダンの問題でもそうですよ。この教育勅語、安倍総理の方針と違う大臣が出たら、それは更迭ですね? もちろん。いかがですか。
○菅官房長官
内閣の一員として当然、内閣と同じ考え方で取り組まれる、こういうふうに思います。
○辻元委員
この教育勅語の核の部分はとても大事とかですね。おっしゃっているわけですよ。これ、籠池さんが言ってることと同じようなことをおっしゃってますよ。そして昨日の塚本幼稚園の修了式で、籠池さんの奥さま、副園長さんですけれども、こうおっしゃってますね。「稲田朋美さんが国会で“籠池さんは知らん”と言ったのにはちょっと頭にきた。だって国会委員が国会で嘘ついて、どうやって防衛大臣、国を護れるんですか」。
私、籠池さんの奥さんとこの部分、同じ意見なんですよ。もう、辞任させたらどうですか。もつと思いますか。いかがですか。
○菅官房長官
いずれにしろ稲田大臣につきましては、昨日の衆議院本会議で総理が答弁していましたように、今度とも誠実に職務に当たっていただけると、このように考えております。
○辻元委員
甘いと思いますよ。これ、安倍昭恵さんの公私混同と、稲田大臣が安倍政権のアキレス腱になるんじゃないですか。心配して私は、当選同期の菅さんにアドバイスしてるんですよ。日本のために心配してるのです。これから2+2にも行くんでしょう? いいんですかねえ。
最後に菅官房長官にお聞きしたいと思います。この森友事件をめぐる本件ですね、豊中の国有地売却、小学校を建てようとしていた。菅さんはいつこの問題を知りましたか。
○菅官房長官
明確な時期というのはよくわかりませんけれども、国会で問題になってからです。
○辻元委員
誰から説明を受けましたか。
○菅官房長官
その経緯について財務省と航空局だったと思います。
○辻元委員
この塚本幼稚園の存在はご存知でしたか。
○菅官房長官
私は知りませんでした。
○辻元委員
登場人物とさっき申し上げましたけどね、菅官房長官は大阪府の松井知事や橋下氏とよく会ってらっしゃいますね。これらの人たちと会っているときに、この森友学園のことについて話題に出たことはありますか。
○菅官房長官
私は今、国会で問題になってから知りましたという話しをしました。そうしたときに話題になったことはありません。
○辻元委員
稲田大臣も最初は知らんと言っててですね、あとから出てきて大問題になってますので、あらかじめ聞いておきました。最後にお聞きしたいと思いますが、安倍総理は、本件に関与していたら、総理大臣も議員も辞職すると言っています。官房長官もあらかじめ関与していたとすれば、また虚偽の答弁などをしていたら、官房長官も議員も辞職するという、安倍総理と同じ立場ですね? 最後に確認します。
○菅官房長官
私はそんなことはまったくありませんので、発言はしません。どうするかということについては。私はまったく、さきほど言ったとおりであります。
○辻元委員
すべての方々に確認していこうと思いますので、菅さんのことを心配して確認をいたしました。終わります。